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映画「ニシノユキヒコの恋と冒険」を観て
川上弘美の「ニシノユキヒコの恋と冒険」の映画版をようやく観ることができました。
……すてきでした。
原作が好きすぎたこともあって、あんまり期待せずに観たのですが、予想以上の内容…
井口奈巳監督さすがです。
セリフとか表現とか原作とは違っているのに、原作と全く同じ、好きだなぁ…という感覚を残していってくれたんです。
「いま、会いにゆきます。」の監督が、映画化は直訳でも意訳でもなく翻訳なのだ。と言って
「言葉はこうして生き残った」を読んで
岡山大学で近いうちに著者の河野通和さんの講演があると聞き、かねてより読みたいと思っていた本書を手に取りました。
前半の1〜4章を読み、そして講演の日をちょうど挟むようにして後半の5〜7章を読みました。
講演のはじめ、本書を紹介するなかで、司会を務められた文化人類学者の松村圭一郎さんと河野さんの間に、次のようなやり取りがありました。
「河野さんは涙もろい方なんですか?」
「涙もろいかはわかりませんが
川上弘美はゆうれいなのかもしれない −−『大きな鳥にさらわれないよう』を読んで
川上弘美の『大きな鳥にさらわれないよう』を読みました。
川上弘美の真骨頂だ、と思う。
そして、川上弘美というひとの書くものにどうしてこんなに惹かれるのかということについて思い至りました。
遠い未来のSFでありながら、いっぽうでこれは神話でもありました。
遠い未来、人類が衰退してゆく物語です。おそらくディストピア小説と呼ばれるものだと思います。
ディストピアというのは、もっと私から離れたもので、