#412 客観性をどう表現するか?
さて、今日のテーマは「客観性をどう表現するか?」です。
僕たち医療従事者にとって大事なのは、
「客観的に見て今の選択が正しいか?」
ということです。
対象者の生活や作業を支援する作業療法士にとっても、「客観性」は必要になってきます。
でも、この客観性はどのように表現したら良いでしょうか?
客観性の表現方法について考えてみます。
自己紹介とお知らせ
某リハビリテーション病院で作業療法士の中堅管理職として働いています。日々、対象者の生き方と向き合いながら、組織の課題やチーム運営にも取り組んでいます。
このnoteでは、医療の中で様々な人の生き方と出会う作業療法士が、医療者・中堅管理職の目線で、社会での働き方、人間関係の考え方、ストレスマネジメント、医療の問題などのテーマに触れながら、日々感じたことを自らの解釈として記録しています。
読んだ方の何かお役に立てれば幸いです。
以下お知らせ。
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来年行われる福岡県作業療法学会の学会長を行うことなりました!ホームページが公開されましたのでよかったら!
演題募集は6月1日〜7月31日まで!
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6月16日(日)の夜にzoom勉強会を行います。
テーマは「コミュニケーションの役割」です。
ぜひご参加ください!
それでは本題に入っていきましょう。
よくある客観性の表現
客観性を表現するときによく見るのが、
「全体像」と「個人」を比較する方法です。
今自分の考えていることが、全体と比較して正しいのかを見る方法です。
「〇〇はこう言っているから、私は正しい」
「〇〇の研究の結果はこうだから、私の成果も同様だ」
こういった表現自体は何も間違いではありませんし、僕もそれを求めて論文を調べたりすることもあります。
特に、同じ基準の数値や、疑いようのない概念を用いた場合に、この客観性の示し方は採用されます。
つまり、「全体と比較する」ということは、比較する対象が ”普遍の概念” であることが前提です。
誰から見ても、「全体が表現しているもの」と「個人が表現しているもの」が一致するからこそ、全体の比較は成立します。
もしこれが、全体が表現しているものと、個人が表現しているものが違った場合、その比較自体に意味はないですし、そこには客観性も存在しません。
ただ、この表現は当たり前になりすぎて、その目的を見失っているように感じることがあります。
「〇〇はこう言っているから、私は正しい」
この表現を使えばあたかも客観性が証明されたかのように振る舞うこともあります。
でも、それは本当に比較できていると言っていいんでしょうか?
それは客観性を表現していることなるんでしょうか?
少しだけ胸に手を当てて考えてみてください。
個別性に焦点を当てるとき
も一つ、客観性を見る方法として、「一つの事実と自分の考えを結びつけていく」という方法があります。
この場合は、
「〇〇はある概念についてこう述べており、私の考えもこれにあたる」
「〇〇の概念は、Aに役に立っているので、私の場合もそう言える」
この場合は、客観性の精度としては、前述したよりは低いかもしれません。
ある他者の考え方と、自分の考え方の一致する部分を探し、その考え方を比較検討した結果、同じ概念である可能性を見出しています。
そうなると、自分が考えたことも、一つの視点としては、事実であると言えるかもしれません。
ただ、それが他のすべての事象に対して当てはまるとは言えないかもしれません。
これは、個別性の強い事象に対して客観性を持たせる際には有効です。
他者に当てはまるかはわからないけど、自分の体験には多少の客観性を持たせることができます。
こうやって考えてみると、客観性の表現にはそれぞれ目的や対象があることがわかります。
ここまで込み入ったは話をしていて、
では、客観性とは一体なんでしょうか?ということを言いたんです。
最初に述べた例のように、全体と個人を比較することが客観性と捉えられることが多いのですが、方法が先行して、本来の客観性の意味が忘れられている気がします。
自分自身の体験を無理に他者の概念に当てはめることには、どこか無理があります。
客観性とは自己の行動や事象の解釈を振り返り、より精度を上げていくための視点です。
この客観性を担保するために、僕たちは学び、比較し、考えます。
ただ文章でまとまったようなことを書いたとしても、そこに、あなた自身の思考性がなければ、それはただの作文でしかありません。
「客観性を求める」ということは「自分の思考過程を見直す」ことでもあり、そこには、その考え方の内容によって、適切な示し方があると思います。
今日はちょっとややこしい話でした。
誰かの何の役に立つかはわかりませんが、まとめておきたかった部分です。
よかったら客観性について考えてみてください。
今日は以上になります。
頑張るあなたを応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
読んでいただいた方のヒントになれば幸いです。
ではまた。
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