ひらのゆき

フリーランスのデザイナーをしつつ、娘を育てています。

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マガジン

  • 私が好きな短編小説

    noteの短編小説作品の中で、素敵だなと思った作品をまとめています。

  • 短編小説

    田丸雅智さんの講座本を参考に、ショートショートに挑戦しています。できれば毎日、週に3回は更新したいです。 興味がある分野:アート、社会問題、経済、コミュニケーション

  • 短歌

    短歌を作ってみています。なかなか難しいもんですね!

最近の記事

大学院へ

来年の4月より、立教大学の社会デザイン研究科へ大学院生として入学することになりました。 独立してから14年、医療、福祉、児童福祉にまつわるデザインをする中で、見た目や情報を整えるだけではない、もう一歩踏み込んだコミュニケーションのデザインが必要ではないか、と思うことが増えました。 もう一歩踏みこんだコミュニケーションとは ・専門家と一般の人を繋ぐコンテンツの企画 ・専門性の高い情報と一般の人のニーズを理解し噛み合わせること ・B to Bのように、専門家と専門家をつなぐ情

    • デザイナーに「思想」は不要なのか問題

      私の中の問題なのですが、デザイナーを続けていると、ある地点で疑問に思うことがあります。 A社の「世の中にはAが必要である」という価値観のもと発信されるメッセージとB社の「AがあるためにBという課題がある」というメッセージがあり、依頼をうけた外部のデザイナーはそれらが対立したメッセージであることを知りながら、代弁するためのビジュアルを制作します。 ビジュアルをつくるにはコンセプトメイキングが必要なため、メッセージを深掘りしてその芯を掴まなければいけません。その過程で、対立し

      • 声に出して読む「モモ」

        娘が小学4年生になってから、夜眠る前にミヒャエル・エンデの「モモ」(1973)の読み聞かせを始めた。読まない夜も多々あったので、先週の土曜日にようやく全355ページを読み終えた。ラストスパートでは、娘と続きが気になりすぎて止められず、1ページづつ交代で読みながら3時間も音読をしていた。 惜しむようにあとがきまで読み終え、目を閉じると、たくさんの灰色の男たち、ベッポじいさん、カシオペイヤ、ジジ、マイスター・ホラなど、勝手に頭の中で想像した風貌の登場人物たちが走馬灯のように駆け

        • 花ちゃんがなくなった

          2年5ヶ月、人間でいうと94歳で、うちの花ちゃんが亡くなった。 二年半まえ、娘がどうしてもほしかったハムスターを家族3人で買いに行った。それから毎日餌をやり、水を換え、たまにケージを掃除してやり、娘は本当によく花ちゃんを可愛がっていた。 ちんまりとした花ちゃんは世話の甲斐あってか、むくむくとぽっちゃり気味に成長し、回し車をよく爆走しては夜中のリビングにカタカタカタ、と鳴り響かしていた。生きてるぜ、元気にやってるぜ、という合図だった。 娘の友達が自宅にやってくると、かわる

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        • 私が好きな短編小説
          3本
        • 短編小説
          14本
        • 短歌
          7本

        記事

          映画「オッペンハイマー」

          見てきました、映画「オッペンハイマー」。忘れないうちにメモ的な感想を。印象に残ったテーマで大きく四つに分けてみました。 1.科学者たちの熱意と研究の結晶 第二次世界大戦を経て国家間の戦争はもう起こらないだろうと思われていた二十一世紀の今もなお、ロシアやウクライナ、イスラエルとパレスチナ…と戦争が続いています。常について回る「核の脅威」について恐怖を感じるとともに、なぜこんな厄介なものを人間は生み出してしまったのか…と思いますが、これがその答えのひとつなのだなと思いました。

          映画「オッペンハイマー」

          39歳の棚卸し

          昨日は三連休の最終日で、敬老の日だった。先週二日間、県外へ出張に行っていて、ほとんど仕事が進んでいないので、連休といえど仕事をしないと週明け自分の首をしめることはわかっていた。 そんな中、両親が、私の娘を含め孫三人をつれてカラオケにいくという。両親は静かな環境と音楽を好み、テレビも最小限の音量で視聴するタイプなのでカラオケなんてもっての他のはずだ。実際、母は人生初だと言っていた。それでもカラオケに行くのは、中学生の姪が歌うのが好きだということで、その歌声を聴きたいという理由

          39歳の棚卸し

          特別でないこと

          こうえんラジオというポッドキャストを始めました。 最新版は「おはなちゃんの回」 その他のエピソードも随時公開中です。 マイクとPCとフラッグを持って、マーケットをやっている週末の商店街とか、イベントをやっている近所の公園に出没しています。 話し手はラジオネームを決めて、匿名で出演します。こちらが用意したお題や、カードをめくって現れる言葉を元に好きなお話をしてもらいます。出演してくれる人はいったい何歳なのか、学生なのか、なにか仕事をしているのか、まったく聞かずに「いまハ

          特別でないこと

          「現代における不幸の諸類型」見田宗介著作集Vより

          講座の先生より借りた本。読み終わった後、感想をお話するために読書記録を残しています。 見田宗介さん。大澤真幸さんや宮台真司さんが見田ゼミ出身でもある。大澤さんの著書は数冊読んだけど、見田さんの本を読むのは初めて。 著作集Vの中の1章「現代における不幸の諸類型」を読み終えた。どんなに難しい事が書いてあるか…と構えていたけれどこの章はとても読みやすかった上に、実生活とも結びつけやすかった。 というのも全体にわたって「新聞の身上相談欄から抽出した『不幸』とその登場人物を分析」

          「現代における不幸の諸類型」見田宗介著作集Vより

          ひとりぼっちをつくらない(2)

          前回のつづきです。 樺山購買部を後にして向かった先は地元のお寺「光明寺」。 ⑤りんりん食堂 2016年からスタートした「こども食堂」。傾聴ボランティア講座を受講した5名が寄り合いを始めたことがきっかけ。以降月2回、第1、3土曜日のお昼に開催されている。りんりん食堂の日は光明寺の入り口に「りんりん食堂」と書かれた大きなのれんが下げられ、近隣の赤ちゃんからお年寄りまで集まってくる。食事は栄養士さん考案のレシピでオーガニックなメニューが中心。アレルギー配慮もあり、なるべく卵や牛

          ひとりぼっちをつくらない(2)

          ひとりぼっちをつくらない(1)

          今日は仕事の備忘録です。 宮崎県社会福祉協議会と、Community Design Lab.(三股町社協)による「みやざき交流集会 2022 in みまた」に参加しました。 「みやざき交流集会」とは という主旨で2019年より定期的にイベントが開催されています。今年度のテーマは「孤立、孤独と向き合う」。これまで3回開催され、「みつける」「つながる」「ささえる」というテーマで「ひとりぼっち」をつくらないためにできること、を考えています。 本日第4回目は、地域課課題の解決

          ひとりぼっちをつくらない(1)

          出張でした

          金曜の朝から福岡に出張だった。宮崎からは九州内のどこも陸路について不便極まりないので飛行機にて。40分くらいのフライトで朝9時に福岡空港に着いた。 この日の予定は来年開業予定のクリニック内装についての打ち合わせが中心。私はロゴデザインとグラフィック面担当だけど、これまでホスピタルアートという形で何度かクリニックの内装の提案もしたことがあったので、なんとなく内装の相談も受けることが多い。 とはいえ、別のアプローチの建築士も入っているし、言えることはロゴ開発を通じて見えてきた

          出張でした

          ここにいて良かった

          ここに暮らしていて良かった、そう思える事をしたいなとずっと思っている。 なぜそう思うのか、掘り下げて適切な言葉を見つけるために、自分の暮らす場所とこれまでの出来事を振り返ろうと思う。 宮崎に越してきたのが2016年、もう6年も経った。 高校を卒業してからすぐに宮崎を離れ、福岡には学生時代を含め2003〜2016年までいたので13年間暮らした。 福岡はとても暮らしやすく、鮮度の高い情報も物も手に入るし、若い人が増えているのも納得の街だった。面白いコミュニティもたくさんあ

          ここにいて良かった

          普通の平日

          昨日は、朝一コピーライターさんと一緒に某大学へ出かけた。とある学校を作ろうと、その大学の先生と、子どもたちへの活動を続ける地域の方が組んでプロジェクトを進めている。 私はその中で、広報、デザインの担当として声をかけていただいた。まだ公開は先のことで、どんなふうに進んでいくか楽しみ。 2時間ほど熱心に打ち合わせをして、学食でコピーライターさんと食事をした。ざわざわとした学生たちの食事風景が懐かしい。 次の予定があったので、食後慌てて大学を後にする。今回初めてご一緒するコピ

          普通の平日

          語らないと伝わらない

          当然のことなのだけど、話さないと伝わらないですよね。 当たり前のことを、なんだかずいぶん長い間控えていた気がします。 わたしはこう思う、こう感じて、だからこうしてる。 理解して欲しいのに、その思いや考えを話すと、ほんとうに「自分の行動が伴っているのか?」が気になって、カッコ悪い気がして言えなくなる。そんな時期が続きました。 語るなら、伝えるなら、結果が見えてから、なんて思っていましたが、結果が出るのを待っていたら発展がない。 繋がる人、理解してくれる人を逃してしまう。

          語らないと伝わらない

          更新の滞りと映画2本備忘録

          15日間、更新が滞ってしまった。毎日書くぞ〜とがんばっていた日々を思い起こす。仕事が忙しくなって、日中考えることが多くなると頭を空っぽにしてしまいたくなる。文章を書いていた夜の時間は、ほとんどゲームをして過ごしていた。 SNSもあまり見ないようにしていて、誰が何をした、考えた、結果がでた、そういった情報が洪水のように自分に流れ込んでくると疲れ切ってしまう。 細々とした投稿を受けとることをやめると、当然、自分も発信をやめることになる。自分は人の投稿を見ないのに、発信をするの

          更新の滞りと映画2本備忘録

          映画「ヒトラーVSピカソ 奪われた名画の行方」

          映画を見たので備忘録。ナチスに奪われた60万点もの名画と、その行方を追ったドキュメンタリー。 若い頃に画家志望だったヒトラー。古典的な表現の芸術を賛美し「大ドイツ芸術展」を開催する反面、ピカソ、ゴッホ、マティス、カンディンスキーなどの近代・前衛芸術を「退廃芸術」として排除しようとした。 芸術を通してドイツ人を優れた民族だと啓蒙し、総統美術館の設立を目指してユダヤ人が所有する数多くの美術品の没収をする。美術品は二束三文で買取り、拒否したユダヤ人は強制収容所に送った。国家元帥

          映画「ヒトラーVSピカソ 奪われた名画の行方」