ひらのゆき

30代半ば。フリーランスのデザイナーをしつつ、娘を育てています。

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  • 私が好きな短編小説

    noteの短編小説作品の中で、素敵だなと思った作品をまとめています。

  • 短編小説

    田丸雅智さんの講座本を参考に、ショートショートに挑戦しています。できれば毎日、週に3回は更新したいです。 興味がある分野:アート、社会問題、経済、コミュニケーション

  • 短歌

    短歌を作ってみています。なかなか難しいもんですね!

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ショートショート「みんなで動かない」

「もうちょっとそっち行ってよ」 「むりだよ、こっちも詰まってる」 「そっちは?はしっこ空いてるんじゃ無い?」 「パンパンだよ」 真っ暗な部屋がゆらゆらと揺れる。 いい匂いが充満している。 「あんまり動くなよ、せっかくお母さんが綺麗に並べてくれたんだから」 ぼくらの階下から声がきこえた。 「あいつ、えらそう」 「自分が主役だと思ってんだよ」 「うそだろ、一番の引き立て役じゃん」 「喧嘩するなよ」 キキーッと甲高い音がしてぐわんと部屋がひっくりかえりそうな程に揺れた。

    • ここにいて良かった

      ここに暮らしていて良かった、そう思える事をしたいなとずっと思っている。 なぜそう思うのか、掘り下げて適切な言葉を見つけるために、自分の暮らす場所とこれまでの出来事を振り返ろうと思う。 宮崎に越してきたのが2016年、もう6年も経った。 高校を卒業してからすぐに宮崎を離れ、福岡には学生時代を含め2003〜2016年までいたので13年間暮らした。 福岡はとても暮らしやすく、鮮度の高い情報も物も手に入るし、若い人が増えているのも納得の街だった。面白いコミュニティもたくさんあ

      • 普通の平日

        昨日は、朝一コピーライターさんと一緒に某大学へ出かけた。とある学校を作ろうと、その大学の先生と、子どもたちへの活動を続ける地域の方が組んでプロジェクトを進めている。 私はその中で、広報、デザインの担当として声をかけていただいた。まだ公開は先のことで、どんなふうに進んでいくか楽しみ。 2時間ほど熱心に打ち合わせをして、学食でコピーライターさんと食事をした。ざわざわとした学生たちの食事風景が懐かしい。 次の予定があったので、食後慌てて大学を後にする。今回初めてご一緒するコピ

        • 語らないと伝わらない

          当然のことなのだけど、話さないと伝わらないですよね。 当たり前のことを、なんだかずいぶん長い間控えていた気がします。 わたしはこう思う、こう感じて、だからこうしてる。 理解して欲しいのに、その思いや考えを話すと、ほんとうに「自分の行動が伴っているのか?」が気になって、カッコ悪い気がして言えなくなる。そんな時期が続きました。 語るなら、伝えるなら、結果が見えてから、なんて思っていましたが、結果が出るのを待っていたら発展がない。 繋がる人、理解してくれる人を逃してしまう。

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          更新の滞りと映画2本備忘録

          15日間、更新が滞ってしまった。毎日書くぞ〜とがんばっていた日々を思い起こす。仕事が忙しくなって、日中考えることが多くなると頭を空っぽにしてしまいたくなる。文章を書いていた夜の時間は、ほとんどゲームをして過ごしていた。 SNSもあまり見ないようにしていて、誰が何をした、考えた、結果がでた、そういった情報が洪水のように自分に流れ込んでくると疲れ切ってしまう。 細々とした投稿を受けとることをやめると、当然、自分も発信をやめることになる。自分は人の投稿を見ないのに、発信をするの

          映画「ヒトラーVSピカソ 奪われた名画の行方」

          映画を見たので備忘録。ナチスに奪われた60万点もの名画と、その行方を追ったドキュメンタリー。 若い頃に画家志望だったヒトラー。古典的な表現の芸術を賛美し「大ドイツ芸術展」を開催する反面、ピカソ、ゴッホ、マティス、カンディンスキーなどの近代・前衛芸術を「退廃芸術」として排除しようとした。 芸術を通してドイツ人を優れた民族だと啓蒙し、総統美術館の設立を目指してユダヤ人が所有する数多くの美術品の没収をする。美術品は二束三文で買取り、拒否したユダヤ人は強制収容所に送った。国家元帥

          感想「甘えの構造」

          週末、ちんたら読み進めていた本2冊を読み終わったので備忘録。最近この本を読んでいた。 「甘え」とは日本人独特の概念の言葉であり、外国で「甘え」を意味する言葉がないらしい。甘えとは親しい二者関係を前提にしており、一方が相手は自分に対し好意を持っていることが分かっていて、それにふさわしく振る舞うことが「甘える」ことである。 「甘え」の「原型」は、乳児の精神がある程度発達して、母親が自分とは別の存在であることを知覚した後に、その母親を求めることを指していう事である。これはどの国

          ショートショート「君に贈るランキング」

          「17時に、体育館の裏で待ってます」 そんな手紙を彼の靴箱に入れてきた。 時計の針は16:50を指している。あぁ、あと10分もすれば彼がやってくる。心臓が口から出そうだ。 彼が来るまでの10分間にやりたいことランキング。 第10位 鏡チェック 顔に変なものついてないかしら 第9位 リップを塗る 緊張で唇がカサカサよ 第8位 周辺のチェック 人に見られたらお終いよ 第7位 お茶を飲む リラックス、リラックス 第6位 深呼吸 声が震えて気持ちがバレないようにね 第

          5月キャンプ

          金曜日の朝。久々に予定のない週末だったので、梅雨に入る前に、とキャンプの計画をたてた。幸い、最寄りのキャンプ場の空きがあり前日に滑り込みの予約。白浜キャンプ場といって、宮崎の名所・青島にある海辺のオートキャンプ場だ。 学校から帰宅した娘に、明日はキャンプだよ、と伝えると、ものすごい勢いで準備を始めた。ゲームや工作も好きだけど、キャンプもかなり好きらしい。 持ち物をチェックすると、着替え一式の他に色鉛筆や画用紙、プログラミングの本やiPadなど、キャンプ用とは思えない道具が

          雑記 受け皿はそろそろ

          つきものが落ちたように、最近は心穏やか。 出張やイベントなどで毎週の様に人と会い、話す機会が増えたからか。仕事の相談や動きも活発になってきた。 振り返ってみれば、コロナの自粛が気持ち的にも負担が大きかったのかもしれない。娘の小学校入学と感染拡大が重なり、2年生からは児童クラブなども利用できず、なるべく「家を守る」に重きを置いた2年間だった。 守るといっても、いつも家にいて家事を完璧にするということではなく、家族の受け皿として「在る」というイメージ。何かあったらすぐ家に戻

          ショートショート「1分しまうま」

          一匹のハイエナが、湖でフラミンゴの群れを見つめていた。美味しそうだな、ではなく、美しいな、と思いながら眺めていた。 ハイエナはふと、湖に映る自分の姿を見た。真っ黒な鼻と頬の、なんとも恐ろしげな顔。鈍い茶色と黒のブチ柄。 どうして僕はこんな姿なのだろう。 美しいものが好きなハイエナは、長い間獲物を狩らず、痩せこけていた。 ある時、怪我をしたシマウマが草むらの中で横たわっていた。ハイエナが近づくと、シマウマは覚悟を決めたように長いまつ毛をふせた。 「怪我をしているのかい

          毎週ショートショートnote

          note作家のたらはかにさんが主催する「#毎週ショートショートnote」という企画に何度か挑戦しています。 毎週日曜に提示される不思議な言葉の『お題』に沿って、規定文字数のショートショートを創作しアップします。順位を決めたりすることはなく、皆んなで読みあって「なるほど〜!」や「面白い!」なんて心を動かされています。同じお題でも、全く異なる世界観、視点とオチに触れてワクワクしています。 私もこれまで「みんなでうごかない」と「プロのバナナ」というお題に参加しましたが、主催のた

          近況

          気づいたら1週間以上noteを開いていなかった。今日はちょっと近況を書いてみます。 得体の知れない行き詰まりをずいぶん長いこと感じていた。 それは、地方でフリーランスのデザイナーをすることへの壁と、親業との両立と、これから先どんな風に生きていきたいのか、という大きく三つの部分だと思う。 1週間のうちに、数人の女性と密な会話をすることができた。 **** 一人は、おなじ宮崎で遠からずな業種にお勤めの方。たまたま県外出張の折に高速バスで席が隣になり、怖いくらいの縁を感じる

          ショートショート「プロのバナナ」

          「今日こそ、結論を出そうじゃないか」 「懲りねえやつだな。俺の方が上手いに決まっている」 とある山の狐と狸は、どちらが上手に化けられるかいつも競っていた。熊に化け、兎やリスを怖がらせたり、大岩に化け、山道を塞いだり、いたずらばかりしていた。 「どっちが上手いか、山の主に決めてもらおう」 「勝った方が、化かしのプロだ。負けた方はアマチュアだ」 山には年老いた猿がおり、山の主と呼ばれていた。困った事があると、生き物達は山の主を訪ね、教えを乞うていた。 勝負の日。山の主が言

          宮崎の文芸誌

          今日は、とある文芸誌について。 私が住んでいる、宮崎から発刊されている文芸誌があります。 noteのコミュニティが少しずつでき、書く事や読む事が好きな人がたくさんいるので、紹介したいなと思い記事にしています。 つい先月、第3号が発売されたばかり。早速オンラインで購入しましたが、丁寧な梱包と、おしゃれなイラストの図書記録カードなど付録もついた充実っぷり。開けてすぐ、文芸誌の『世界観』にやられます。 先の引用にある通り、編集長であるグンジさんの強い思いからスタートしたこの本。

          大雨の翌日洗うスニーカー中からあふれるグラウンドの砂 #今日の短歌 #写真 #子育て