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ひとりぼっちをつくらない(2)

前回のつづきです。

樺山購買部を後にして向かった先は地元のお寺「光明寺」。

⑤りんりん食堂
2016年からスタートした「こども食堂」。傾聴ボランティア講座を受講した5名が寄り合いを始めたことがきっかけ。以降月2回、第1、3土曜日のお昼に開催されている。りんりん食堂の日は光明寺の入り口に「りんりん食堂」と書かれた大きなのれんが下げられ、近隣の赤ちゃんからお年寄りまで集まってくる。食事は栄養士さん考案のレシピでオーガニックなメニューが中心。アレルギー配慮もあり、なるべく卵や牛乳を使用しない。主催の方曰く、畳でコロコロしていた赤ちゃんが大きくなって走り回るようになり、成長を見るのがモチベーションになるとのこと。幼い頃から通っていた子が高校生になり、手伝ってくれるのも嬉しい。

facebookよりお借りしました

⑥キママプロダクツ
現代の雇用システムに馴染めない人と一緒に、工業用ミシンを使ってキママなモノづくりを行っている。「雇用に人が働き方を合わせるのではなく、人に合わせて雇用をつくる」というコンセプトが一貫している。生み出されるプロダクトもタイベックやスピンネーカーなどアウトドア用ファブリックを使った強度の高いもので、ファッション性が高くかっこいい。県外でも販売されるほどの人気商品です。

めちゃくちゃカッコ良い ポーチ愛用してます

⑦グローカルハウス ワジマ
古民家を改装して図書室や宿泊施設を完備した施設。現在は外国人住民のための日本語教室などが開催されている。お相撲さんの輪島さんを呼んだことが名前の由来。寄り合いに会議に、読書に、いろいろと使い道がありそうなことも魅力。緊急時のシェルターとしても機能している。地域のデザイナーや建築士の知り合いも増え、内装のアドバイスも行ってくれるそう。さすが。

ロゴもカッコいい!

おまけ

ジャンカン馬の栗姫ちゃん
三股町郷土芸能のジャンカン馬踊りの主役。お祭りのときは華やかな衣装に身を包み、鐘の音に合わせて踊ります。体重は約1トン、日本最大級のお馬さんに認定されています。帰り際、お茶屋さんの上水園さんの前を通りかかると水出し緑茶(日本初!)のティーパックもお土産に。嬉しい。

優しい目

以上、すべての施設が徒歩4、5分圏内にありました。各所で15分ほどづつ説明をしていただき、またビオトープに帰還。続けて、九州大学の高野教授と、ふくおかNPOセンター代表の古賀さん、宮崎県社協の大山さん、そしてコミュラボの発案者である松崎さんによるパネルディスカッションが行われました。

印象に残っているメモを箇条書きします。

古賀さん
[プレーヤーの「みんな身内なんですよ」という言葉が印象に残っている。肩肘をはっていない。自分が楽しんでいる。「for ではなくwith」という言葉があるが、義務感ではなく一緒にやるという姿勢が大事。一方、お金と持続の問題はついて回るのかなと思う]

高野さん
[「この人なら言える、知ってもらって構わない」という(困りごとの様な)プライベートな話ができる関係性ができている。個人情報が厳しくいわれる現代においてとても貴重な関係。さらっと言えることがポイントになっている。]

松崎さん
[社協だけではできない。住民さんのコーディネートを丁寧にやることで広がる。いま活動は151個になった。シビアなものも簡単な活動もある。活動同士がつながり循環が起きている。プレーヤーとして声をかける場合は「面白がりの人」にしている。聖人君主のように「助ける」というよりは、「これやりたい、誰か一緒にやろう」の精神。非効率だけど、どれだけみんなに役割を持たせるかが大事。]

他にもメモを盛りだくさん書いているけどこのへんで。

先日noteでも書いた【「ここにいてよかった」と思える事】というのは、かなり三股町の取り組みにも影響を受けているなあ。お金でもなく、人助けでもなく、市民という一人の人間として、お隣さんとどう楽しく生きていくか、とてもとても勉強になりました。

いや〜大人の社会科見学いいですね。