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テニス上達メモ045.負けるのは、「負けたい自分」だからです。貧乏なのは、「貧乏でいたい自分」だからです。「コンフォートゾーン」からの脱出法!

「テニスの試合で、本当に勝ちたいか?」
 
こんなふうに尋ねると、「そんなの当たり前じゃないか!」「勝ちたいに決まってるだろ!」と、当然のごとく(半ば怒り気味に?)返ってくるかもしれません。
 
でも実は一方では、「本当は勝ちたくない自分」、もっといえば「負けたい自分」がいるかもしれない、というお話です。
 
それは、「自分はまだそんな実力じゃない」「勝ってしまうと、目立つのがイヤだ」「周りの人に見直される気恥ずかしさがある」「勝利者スピーチを考えるのが面倒」などなど、人によりさまざまな理由が挙げられるかもしれません。
 
「そんなハズはない!」と、意識上は考えるかもしれないけれど、それらの反応は、意識的な考えの及ばない無意識の領域で行われるから、厄介です。
 
厄介だけど、上手く手なづければ、ミルミル好転する、というお話です。
 
これが心理学の唱える「コンフォートゾーン(快適領域)」の概念。
 
簡単な心理実験をやってみましょう。
 
たとえば今、ご自身の年収が500万円だとする。
 
だけどリストラの対象になって、転職を考えなくてはならなくなりました。
 
年収2000万円の募集があったら、どうでしょうか?
 
「自分には難しいに違いない」「無理だ」などと、選択肢から外してしまうのではないでしょうか?
 
むしろ案件が、同じ年収500万円くらいだったり、下手をするとリストラされた負い目もあって、年収400万円くらいの募集だったりすると、「自分にもできそうだ」「ふさわしい」などと「安心できる」から、今より待遇が低いにも関わらず、そちらへエントリーしたほうが、「心理的にコンフォート」だったりする。
 
そうして年収2000万円のほうは、受けてもみる前から「落ちる」と、決まっているわけでもないのに、最初から挑戦をしないのです。
 
これが、イメージにはあらがえない事例。
 
自分(の価値)に対するイメージ、すなわち「自己肯定感」にも関わる話なのは言うまでもありません
 
転職に限らず、学校の成績も、恋愛対象も、そしてテニスの成績も、一つひとつの選択の積み重ねが、私たちの人生を作っています
 
こんなイケメンとは釣り合わないから、「もっと手ごろな男子こそ私にはふさわしい!」などと感じると安心できて、「こんなイケメン」に、声をかけられなくなるのです。
 
条件的に不利だと、頭では分かっていながら、コンフォートなイメージに基づいて、そちらへ突き動かされるように、選択せざるを得なくなる
 
確かに転職活動の例は、漸進的な変化かもしれませんけれども、テニスコート上ではコンフォートゾーンがズレていると、急進的かつ衝動的に、誤った動き方へ突き動かされてしまうからミスをするのです。
 
これは、ズレているコンフォートゾーンに導かれて、そう動かずにはいられない(あらがえない)、「ミスしたい自分」と言えます。
 
「負けたい自分がいる」と申しました。
 
ほかにも、「不幸になりたい自分」「苦しみたい自分」「みじめになりたい自分」「貧乏でいたい自分」がいます。
 
「お金持ちになりたい!」とは願いながらも、その人のコンフォートゾーンしだいでは、時給「1万円」よりも、時給「千円」のほうが、「安心する」のです。
 
よくも調べもせずに、「長時間労働を強いられるに違いない!」などと、時給1万円のほうを「不快」にすら感じて、敬して遠ざけてしまうのです。
 
コンフォートゾーンの、簡単で、楽にできる高め方・脱出法については、のちほど詳述。
 

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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero