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質問055:バックの調整、跳ねるボール、強打の対応は? 何か秘訣があったら教えて

教えてもらった方法でフォアの強打やロブが入るようになってきました。ありがとうございますm(_ _)m

しかし、バックの調節がうまくいかず、また、相手の、特に高く跳ねるボールと強打のときに打点をあわせられません。
ボールをよく見て打つことで相手コートに返したり、前に飛ばすことはまあまあ出来るのですが、コントロールが出来ません(^^;;

何か秘訣等あったら教えて頂けないでしょうか?=

回答


▶「当初」はたどたどしいのが「人として当然」


>バックの調整がうまくいかない
>相手の高いボールや強打にうまく合わせられない

お悩みに共通して言えるのは、「当初」は動きがたどたどしい、ということ。
 
これは人として当然です。
 
ご自身の場合はまだテニス歴があまり長くないため、脳と体との動きを橋渡しする神経回路のネットワークが形成されていないのです。

どういうことかというと、テニス上級者でも非利き手(たとえば右利きなら左手)でプレーしようとすると、当初は利き手でプレーするのに比べると、あまり上手くできません。

テニス感はあるものの、脳と体の動きを橋渡しするネットワークが、まだ形成されていないためです。
 

▶「変える」のではなく「変わる」


このような場合は、まずは神経回路を形成するための反復練習が先決。

手っ取り早いのは、素振りです。

不慣れな力の入りにくい打点のボールを想定して、繰り返し行なうとよいでしょう。

そうしたら、フォームは自然に現れますよね。

ワキは意識して開けようとしなくても「開く」かもしれないし、打点は一層前に「なる」かもしれないし、もしかすると高めの打点に対応するために、グリップも厚めに「変わる」かもしれない。
 
だけど「変える」のではありません。

かの元プロ野球選手イチローも、こう言っています。

「言っておきたいのはフォームを変えたのではなく、変わったのだということです。変えるのと変わるのでは全然違うと思います」

『月刊スラッガー』(日本スポーツ企画出版社刊)2001年4月号

※参考記事:https://note.com/tenniszero/n/nf66e66f41e3b

▶変化を強要する「常識的なテニス指導」


常識的なテニス指導では、次のように教えられます。

ワキを開ける。
打点を前にする。
グリップを厚くする。

要は「変えろ」の一辺倒です。

現状の全否定です。
 
全部が全部、テニスが見事に下手になるアドバイスです。
 
意識すると、ボールに集中できなくなるからです。
 
すると、打球タイミングが合わなくなるからです。
 

▶変わるのを待つのが「進化成長」


上達する変化は、たとえば下記のとおり。
 
ワキは開く。
打点は前になる。
グリップは厚くなる。

そうして「変わる」のを待つのです。
  
この「変化」こそ、脳と体との動きを司る神経回路がネットワークされる「進化成長」そのもの

ネットワークが形成されてしまいさえすれば、「非利き手によるテニス」も十分プレーできるようになります。
 

▶片山晋呉は非利き腕でも「80台」


体の筋力や可動域といった左右差もフィジカルバランスされるため、プロでも「非利き手テニス」に取り組むプレーヤーも、特に現役引退後にはよくいます。 
 
他競技で有名なのは、プロゴルファーの片山晋呉でしょう。
 
左打ちの練習を積極的に行ない、非利き手の左用「レフティクラブ」もフルセット(14本)用意して、左打ちでラウンドしても「80台」で回るのだとか。
 
参考:https://golfjoutatsu.com/golf-physical/katayamashingosenshu-hidariuchi.html

これが、脳と体とを橋渡しするネットワークが形成されるいちばんの恩恵です。
 
対戦相手の強打に対しても、ネットワークが協同し、打ち負けにくくもなります。

そして進化成長を促すうえで最も重要なポイント(お求めいただいている「秘訣」)について、詳しく紹介していきます。
 

▶「ごきげん」でいることの重要性


それは、反復学習時には、テニスでも勉強でも仕事でも、脳がアルファ波支配の状態で取り組むこと。

簡単にいうと、「ごきげん」でいるのです。
 
どんなに努力して学習や練習をしても、「不機嫌」では、なかなか身になりません。

ところが「ごきげん」でいると、少ない量・短い時間でも、すぐに吸収できるのです。

たとえるなら、アルファ波は「ふわふわのスポンジ」、ベータ波は「ガビガビのスポンジ」

吸収できる量・速さが、段違いなのは言うまでもありません。

要領や頭の良し悪しはさておき、ベースとして脳がどんな脳波の状態で練習、勉強するかが、学習能力には多いに関わっています。

どうせ運動を学習するなら、「ふわふわのスポンジ状態」の脳でやりましょう。

そのためには「ごきげん」でいることです。
 

▶「自分の機嫌は自分で取る」by高梨沙羅

 
ですからノルディックスキー・ジャンプの高梨沙羅が工夫するように、自分の機嫌は自分で取るのが吉。
 
ところが下記の常識的なテニス指導を(あくまでも試しに)、ボールを打ちながら意識してみると、一体どうなるでしょうか?

ワキを開ける。
打点を前にする。
グリップを厚くする。

打ちながらフォームを意識すると、上手くいかず(つまり打球タイミングが合わず)にイライラするから、ますます脳がベータ波支配になりやすい悪循環

今までのやり方でテニスが上手くいっていないのだとしたら、こちらでご説明したとおり「逆」をやらないことには、話になりません

▶「人を嫌わない」のもテニス上達のための「合理的な戦術」


またご機嫌でいるためには、「人を嫌わない」ことです。

そのためには「許す」という戦術を使用。

許すなどというと「許してあげる」という、いかにも上から目線の印象ですけれども、幸せな人生を生きる戦略のための合理的な戦術です。

何も、嫌いな相手に「許してあげるよ」などと伝えなくてもいい。

自分の機嫌は自分で取るのが自己責任です。

自分の心の中で「許す」を完結すれば、ごきげんでいられるから学習能力が高まり、テニスも上達して「おトク」なわけですね。

▶「する」のではなく「なる」が進化成長の秘訣


そういえば、かの「20世紀最高の物理学者」とも評されるアルベルト・アインシュタインは奇人について、「同じことを繰り返しながら違う結果を期待する人」のことだと、定義したそうです。

だとするならば、今までと同じように「フォームを意識するやり方」を続けてテニスが上手くいっていないにも関わらず、「上達すると期待」するなら、アインシュタインからは「奇人扱い」されてしまいます(笑)。

「する」のではなく「なる」。
 
この変化(進化成長)を、ご一緒にダイナミックに起こしてまいりましょう。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero