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質問055:バックの調整、跳ねるボール、強打の対応は? 何か秘訣があったら教えて

教えてもらった方法でフォアの強打やロブが入るようになってきました。ありがとうございますm(_ _)m

しかし、バックの調節がうまくいかず、また、相手の、特に高く跳ねるボールと強打のときに打点をあわせられません。
ボールをよく見て打つことで相手コートに返したり、前に飛ばすことはまあまあ出来るのですが、コントロールが出来ません(^^;;

何か秘訣等あったら教えて頂けないでしょうか?=


回答
>バックの調整がうまくいかない
>相手の高いボールや強打にうまく合わせられない
 
お悩みに共通して言えるのは、「当初」は力が入りにくい、ということ。

ご自身の場合はまだテニス歴があまり長くないため、脳と身体との動きを橋渡しする神経回路のネットワークが形成されていないと想像されます。
 
どういうことかというと、テニス上級者でも、非利き手(たとえば右利きなら左手)でプレーしようとすると、当初はなかなか上手くいきません。
 
テニス感はあるものの、脳と身体の動きを橋渡しするネットワークが、まだ形成されていないためです。
 
このような場合は、まずは神経回路を形成するための反復練習が先決。
 
手っ取り早いのは、素振りです。
 
力の入りにくい打点のボールを想定して、繰り返し行なうとよいでしょう。
 
そうしたら、フォームは自然に現れますよね。
 
ワキは意識して開けようとしなくても「開く」かもしれないし、打点は一層前に「なる」かもしれないし、もしかすると高めの打点に対応するために、グリップも厚めに「変わる」かもしれない。

だけど「変える」のではありません。
 
一般的なテニスの指導法では、次のように教えられます。
 
ワキを開ける。
打点を前にする。
グリップを厚くする。
 
要は「変えろ」の一辺倒

ところが全部が全部、テニスが見事に下手になるアドバイスです。

意識すると、ボールに集中できなくなるからです。

すると、打球タイミングが合わなくなるからです。
 
上達する変化は、たとえば下記のとおり。

ワキは開く。
打点は前になる。
グリップは厚くなる。
 
そうして「変わる」のを待つのです。

この変化が、進化なのです。

この「変化」こそ、脳と身体との動きを司る神経回路がネットワークされる「進化」そのもの。
 
ネットワークが形成されてしまいさえすれば、「非利き手によるテニス」も十分プレーできるようになります。

身体の筋力や可動域といった左右差もフィジカルバランスされるため、プロでも「非利き手テニス」に取り組むプレーヤーもいます。

他競技で有名なのは、プロゴルファーの片山晋呉でしょう。

左打ちの練習を積極的に行ない、非利き手の左用「レフティクラブ」もフルセット(14本)用意して、左打ちでラウンドしても「80台」で回るのだとか。

参考:https://golfjoutatsu.com/golf-physical/katayamashingosenshu-hidariuchi.html
 
これが、脳と身体とを橋渡しするネットワークが形成されるいちばんの恩恵です。

相手の強打に対しても、ネットワークが協同し、打ち負けにくくもなります。
 
 そして進化を促すうえで最も重要なポイント(お求めいただいている「秘訣」)について、詳しく紹介していきます。

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