テニス上達メモ481.自己肯定教育の極み「トモエ学園」(連載その4)
▶他者肯定はプラスではなくフラット
前回からの続きです。
自己肯定感についての誤解や、理解するためのポイント、それが低いままだとなぜ苦しむのか、どうすれば高められるかなどについて綴っています。
連載最終回です。
口に出して言わなくても、「あの人嫌い」と思う気持ちは、偽らざる自己肯定という話をしました。
なのに好きな「フリ」して付き合い続けるのは、自他に対するディスリスペクト。
そもそも、他者肯定の肯定とは、フラットな「ありのまま」の受け入れであって、プラスの「付け足し」ではありません。
「あの人は性格は悪いけど、それにも増して仕事はできるから受け入れる」というのは、「ありのまま」ではありません。
そういう見方をすると、自分にも何かできる「条件」を付け足そうとするから、まったく自己肯定できなくなってしまいます。
他者にプラスの側面を見出して肯定しようとすると、何の意味もなくなってしまいます。
むしろ「性格は悪いけど」のほうがフィーチャーされかねません。
ですから他者の「いいトコ探しは」意味がないし、自分の「いいトコ探し」にも意味がありません。
自分を好きになろうとするのは、今の自分が嫌いな「自己否定」。
マイナスに、いくらプラスを掛け合わせてもマイナスなのでした。
ここも自己肯定感を理解するひとつのポイントだと思います。
▶自己肯定感が高いとお返しや寄付を「したくなる」
連載2回目では「もらってばかりだと悪い」と感じるのは罪悪感であり、自己否定的だとお伝えしました。
もちろん、お返しするのがダメだと言いたいわけではありません。
しかしそれは、もらってばかりでは「悪いから」ではなくて、美味しいものを見つけたから「喜んで」シェアしたい肯定的な気持ちが原動力。
ですから自己肯定感の高い人は、「もらう」ことに抵抗感がなく、むしろ「ありがたい、ありがたい」といって周りの人たちに対する感謝の気持ちで満たされるから、幸せを「する」ことができます。
ですからますます「富む」のです。
すると、お返ししたり、寄付したりしたくなる。
「しなきゃ」の義務でもなく、「すべき」の強迫観念でもなく、「するのが常識だろう」の世間体ではなく、「したい」のが自然な気持ちになる。
もちろん、お返しできるふさわしい物が見つからないから、今はお返ししないのも自己肯定。
「みんなが寄付するのだから自分もしなきゃ」という感じ方は自己否定的です。
▶やる気を出す「唯一の方法」
足るを知ると富む。
すでに「宝」は、持っているのです。
家も机もイスもスマホもテニスラケットも「ある」と知れば、心が満足して「アズイフの法則」にのっとり幸せを「する」ことができます。
確かに「ないものねだり」をしがちかもしれません。
だがしかし、将来幸せになりたかったら、今、幸せを「する」のです。
楽しいから笑うのではありません。
笑うから楽しいのです。
怖いから逃げるのではなく、逃げるから怖いのです。
悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい。
やる気みたいなものです。
やる気が出たらするのではなく、するからやる気は出ます。
体で体験する行動や出来事が先で、心で感じる感情が後からついてくるのが、アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズが提唱した「アズイフの法則」。
まさか、先に悲しいから、後で喪失体験をするのではありません。
▶「トモエ学園」は自己肯定教育の極み
すでに私たちは持っています。
ただその「宝」に気づけないだけ。
どうすれば見つかるでしょうか?
自己否定していては、見つかりません。
すると、富まないのです。
「受取拒否」が発動します。
いたずらに肥溜めから肥を全部すくい出してしまっても、決して否定しません。
「新プロジェクトX ~挑戦者たち~」特別編「トモエ学園」を率いた小林宗作先生のすごみ。
黒柳徹子さんの目ににじんだ涙の意味。
あれこそ自己肯定教育の極みでしょう。
連載終了となります。
静聴、ご精読、ありがとうございました。
いえ静かに聴くのではなく、疑問があったら意見はガヤガヤ主張し、じっくり読む精読ではなくて、本当に血肉とするならざっくり何度も繰り返して読む、世界最高レベルの学習法「高速大量回転(KTK)」です。
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