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質問026:口下手を治す方法は?(自己肯定感と「沈黙」に関する取り扱い要注意事項)

テニスと関係ない話で恐縮です。
口下手を治す方法があったら教えてください。

 回答


▶「口下手」と「自己肯定感」

 
口下手になるのは、会話に集中していないのが原因です。
 
会話に集中していなくて、気持ちがどこかへ行ってしまっている。
 
気持ちはどこへ行ってしまっているのかというと、「早くこの場を去りたい」「終わりにしたい」「面白くない」「そろそろ仕事に戻りたい」という方向に飛んでいってしまっています。
 
あるいは、「こういう発言をしたら自分はどう思われるか」という評価に気が行きがちです。
 
これは後述する「自己肯定感」と深い関わりがあります。
 
そうなると、相手の話を聞けないから、ますます会話が噛み合いません。
 

▶口下手は「饒舌なセルフトーカー」だった!?


頭の中では、「去りたい」「面白くない」「仕事に戻りたい」などといった思考のノイズが鳴り響いているから、自分の話す内容もまともらない。
 
その結果、口下手に。
 
つまり口下手というのはなんと、頭の中で喋りすぎている「饒舌なセルフトーカー」というわけなのですね!
 
もっともかくいう私も、どちらかというと寡黙です。
 
あえて「沈黙」したりはしませんけれども、まったく気まずく思いませんし、厭いもしません。
 
相手の話を遮らずに聞いていたら、相手は自分から気分がよくなってくれて、私は何も話さないのに、いえ私に限らず聞ける人は、感謝すら、されてしまいます。
 
するとますます、相手はほかの誰にも話せないような「本音」「本心」すら、話し始めてくれたりするのです。
 

▶沈黙は「混ぜるな危険」


ちなみに沈黙は、かなりの「取り扱い要注意」事項です。
 
まず沈黙が苦手な人は、自己肯定感が低めの傾向。
 
その理由は、自分は存在するだけでは価値がなく、「何か面白い話でもして価値を提供しなければ」という感じ方になるからです。
 
ですから沈黙を楽しめる人は、自己肯定感が高いと言えます。
 
次に、「言わなくても察しろ」タイプの沈黙は危険
 
これは、「俺様の気持ちくらい推し量れ」というプライドの高さの表れですから、その反比例の相関である自己肯定感の低さの表れです。
 
怒っているときに「困っているんだ」と言葉で上手く伝えられず、ドアを「ドン!」と大きな音で閉めたりします
 
何も言ってこないから放っておいたら、「何で謝らないんだ!」などとキレてきたりします。

この「沈黙」は「自己肯定感の低さ」の表れですから、先とはまったく逆に解釈できるところがユニークです。
 

▶意見を交わすから「会話」になる


一方では沈黙は、「私なんて、何を言ってもどうせ聞き入れてもらえない」という自己肯定感の低さに由来する無力感の表れである場合もあります。
 
そういう人は、言いたいことがあっても言えません。

先の「そろそろ仕事に戻りたい」例では、自己肯定感の低い人は自分よりも相手の都合を優先するきらいがあるから、仕事に戻りたくても言い出せず、延々と話を聞き続けてしまいがちです。

言いたいことがあっても言えません。

自分の意見を否定されて生きてきたから、自分の力で現状を変える「自己効力感」があるなどとは、信じられないのです。
 
しかし、自分の意見は「意見」であって、自分自身ではありません。
 
「人それぞれ」ですから、意見はいろいろあっていいのです。
 
昨日お伝えしましたとおり哲学者ヴォルテール(諸説あるそう)は、「私はあなたの意見には反対だが、それを主張する権利は命がけで守る」と言いました。 

これが「他者肯定感=自己肯定感」の高さの相関です。
 
自分は本当は和食を食べたいのに言い出せず、沈黙して、「それでいい」などと人の意見に合わせてしぶしぶ洋食レストランへ。
 
たとえ願いが叶わなかったとしても、そこは「私は和食がいい」と言っていいのです。
 
それがコミュニケーションであり、口下手にならない道筋です。
 
ですから沈黙は「取り扱い要注意」事項。

自己肯定感の高い人と低い人とでは、まるで正反対の解釈ができるのです。

▶「話さない勇気」


では、ご提案です。
 
今はまだ口下手を自認するなら、「何を話すか」ではなく、「何を話さないか」から、始めてみませんか?
 
話さなければ、ビジネスもプライベートもおおよそ上手くいきます。
 
先述したとおり、自分から聞き出さなくても相手が本音、本心を語り出してくれるからです。
 
どんな話も「人それぞれ」ですから、話を遮らずにありのままを受け入れれば、「他者肯定感=自己肯定感」の軌道に乗れます
 
頭の中の「饒舌なセルフトーク」がなくなれば、テニスだって上手くいきます。
 
その上で、相手から発せられる情報を高い精度で受信できるようになると、対応力が上がって、会話もテニスも、一層楽しめると思います。

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