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『コーダ あいのうた』見た直後の雑記

かなり遅まきに『コーダ あいのうた』を見た。
遅まきになったのは、予告編をパッと見で苦手なタイプの「いい歌・エエ話系の映画なんじゃね?」って思って、正直、見るまでもない、と珍しく思えた映画だった。
が、こっちの諸事情で見なきゃいけなくなった。
まあ、それでも強制じゃなくて、任意だけどね。




ハイ、

良くも悪くも

ガッツリ、予想通り(笑)

知ってた。


まあね、悪くはないんだけど、エエ話好きな人向けかアカデミー賞ノミネート作品を全部みたい人向け。あと強いて言うなら、普段あまり映画を見てない人が感動したいというなら、とりあえず見て、家族愛だ、歌の良さだでコロリと感動しちゃう、とそんな手合いの映画かな。

妙なユーモアがある聾唖の漁師家族と歌の才能がある少女の葛藤と美しい歌のエエ話というのは分かる。というより、作り手の狙いがスケスケ。
ここで笑ってください的な笑いで、とりあえずクスリとは笑えるが、それ以上の驚きとかはない。

音楽や色彩、ファッションセンスも悪くないけど、
ルビーが浮いてるという学校の描写や街で冷ややかに見られている描写もなくはない、あるにはあるが薄味仕様なんだよね。

音楽もジャクソン5やキャロル・キング、デヴィッド・ボウイには「おっ」とは思ったけど、それだけかな。

あと、後半のコンサートの家族目線の無音は「おっ」とは思わせつつも「あざとい」とも感じたかな。

比較的近い聴覚障害者の映画なら『サウンド・オブ・メタル』の方がまだ尖ってたかな(メタルだからじゃなくて演出面で)。

それと、主人公ルビーのハイスクールでの合唱からの音楽大学の話と聾唖家族の独立漁師の話、この2つの相反するエピソードの混ざり合いも売りなんだろうけど、個人的には漁師の話だけで十分、というか、漁師エピソードの方が作りがリアリティで、ハイスクールのエピソードはどこか中途半端、ありきたりな印象さえあったかな。

駄作・凡作じゃないけど、良くて佳作なヒューマンドラマ。
これではオスカーは厳しいし、
これでオスカーを制する(作品賞ゲット)なら権威の失墜とハッキリと言える。


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