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『親愛なる同志たちへ』見た直後の雑記

新宿武蔵野館でアンドレイ・コンチャロフスキー監督作品『親愛なる同志たちへ』を見てきました。

1962年6月1日から2日に旧ソ連ノボチェルカッスクで起こった大規模ストライキを軍が鎮静させるはずが無差別銃撃事件が発生し、共産党市政委員のリューダがこの事件に巻き込まれたと思われる娘スヴェッカを探す、というのがストーリーの軸。

1960年代のフルシチョフ政権下の旧ソ連の空気はこんな感じなのね。物価高騰から店に物がなくなる、ってソ連/ロシアで混乱期によく見る光景で、今まさにこれからロシアがこんな状況になりつつあるから、昔のことを描きながらも不思議と現代性があるという、なんとも皮肉なロシア映画だった。中盤から後半にかけて起きる惨劇だって、ある意味、今のウクライナ情勢にあてはまるから、ある種、これがロシアのトップ、軍の気質なのかな。

前半から中盤に描かれる主人公リューダの共産党市政委員の様子というのも興味深い。スパイが撮影した写真の検証とか報告会とかやってたけど、ああいうのをもっと見せて欲しかったが、どうしても主人公の目線なので、次第に娘探しに終始してしまう。そこでもソ連のヤバさは見られはするが、時代・国から個人の風景になるので、若干スケールが小さくなる。

それでも時代とソ連というヤバい国は描けてたかな。

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