マガジンのカバー画像

農業・漁業の技術

121
運営しているクリエイター

#農業

ため池に転落

ため池に転落

ため池は、農業生産に不可欠な農業用水を供給する施設として、日本の農業の発展に重要な役割を果たしてきました。
一方、平成24年度~令和3年度で毎年20件前後の転落死亡事故が発生する危険な場所でもあります。

ため池堤体の表面は、遮水シートや平ブロック(コンクリート)の場合が多く、滑りやすいため、転落すると自力で登ることは難しいです。

そこで「ため池救命ネット」は、ネットの芯材にモノフィラメントを入

もっとみる
振動や音で害虫駆除

振動や音で害虫駆除

私の家の家庭菜園で、植物に水をやっていると、水の当たった振動で、小さな虫が飛び立つのをよく見かける。振動を嫌がる害虫は多いことは感覚的に分かる。

森林総合研究所の研究チームは、琉球大の温室で栽培したトマトに害虫であるタバココナジラミの成虫を放し、100ヘルツの振動を断続的に与えて効果を調べた結果、振動を与えたトマトの幼虫の密度は、振動を与えなかった場合に比べて約4割低下すことが分かった。

キノ

もっとみる
ターミネーターテクノロジー

ターミネーターテクノロジー

品質がよくて高値で取引される農産品が、海外で不当に使用され、日本に輸出されるケースが多く発生しているようです。
たとえば、栃木県の「とちおとめ」が韓国で勝手に交配され、「ウムヒョン」という新品種として出回り輸出されています。
このようなケースは、膨大な開発費をかけて品種改良を重ねてきた、メーカーの権利をうばいとることになります。しかし、これらの侵害行為をすべて把握するのは難しいのが現状です。
この

もっとみる
旅×農業

旅×農業

農業における人手不足は深刻だ。人を雇うにも必要なタイミングで働いてくらる、そんな都合のいい人材は少ない。

そこで、旅人とのマッチングを考えた『おてつたび』は目の付け所が素晴らしい。旅と農業を上手くマッチングしてくれる。

『参考資料』
https://otetsutabi.com

農業と気象情報

農業と気象情報

農業にとって気象情報はとても大切だ。雨が降りそうだ。気温が高くなりそうだ。という利用方法もあるが、もっと攻撃的に気象情報を活かす農家もあるようだ。

例えば、競合するライバル産地の気象情報を常に見て、ライバル産地が台風の影響を受けるのが何月何日になりそうだとわかると、自分たちの農家の作物の出荷体制を整え、台風の翌日から大量に出荷する。
ただし、生育期間を数日程度調整できるトマトなどの作物でないとな

もっとみる
お米づくりに挑戦

お米づくりに挑戦

JAグループは、次代を担う子どもたちに、日本の主食である米や農業への関心と理解を深めてもらおうと、種まきから収穫まで簡単に体験できる「バケツ稲づくりセット」を無償(送料別途)で提供。個人からの申し込み受け付けを3月4日から開始した。

説明も丁寧に書かれていて、とても楽しく育てられます。無料なのでぜひ挑戦してみてください。

https://life.ja-group.jp/education/b

もっとみる
【技術史】遺伝子組み換え作物の誕生②

【技術史】遺伝子組み換え作物の誕生②

アメリカの巨大企業モンサントは、遺伝子組み換え技術により、莫大な収入をえることになります。
農家は「ラウンドアップレディ大豆」導入にあたり、モンサントと契約を交わして、この種子を毎年購入しなければならず、特許料を含む割高な価格により、コストがかかるため借金がかさみます。さらに、モンサントは子世代の種子自体が自殺する遺伝子「ターミネーター」を組み込んで、収穫した種子は発芽しないようにする技術も確立し

もっとみる
農業知識の共有

農業知識の共有

「プランテクト」は、温度、湿度、CО2、に日射量などハウスで重要な環境を見える化して、農作物の病害リスクを予測するシステムを開発している。

さらに、今回プランテクトユーザーコミュニティという、農業の知識と経験を共有できるプラットフォームを立ち上げた。
質問を写真とともに簡単に投稿することができて、メンバーからの回答によって知識や経験をシェアしていくことができる。
これによってユーザー生産者の悩み

もっとみる
カニの殻

カニの殻

カニの殻は、植物を外敵となる昆虫、根や葉を腐らせる菌やカビから守ってくれることは昔から知られていた。

カニの殻に含まれるキチンという成分が作用するためなのだが、キチンが植物に対し効果を発揮するためには「4~5年が必要」(焼津水産化学工業)だった。自然に分解されるまでに時間がかかるからだ。そこで同社はキチンを植物に反応する分子量にまで分解したLMCという資材が開発された。

トマトの苗の葉に散布す

もっとみる
人工気象室

人工気象室

つくば市で、作物を栽培する環境を再現できる人工気象室「栽培環境エミュレーター」に、ロボット計測装置を併用した施設の運用が開始された。気候変動に伴い作物の収穫時期、収量、品質などがどう変化するか、推定することができるようになる。

人工気象室内では、湿度や二酸化炭素濃度のほか、LED光源により光量や紫外域を含む波長の調整もできるようになっている。風水害の再現はできないが、干ばつなどの気候変動を、細か

もっとみる
宇宙から作物の状態を管理する

宇宙から作物の状態を管理する

大規模農家では、畑の作物の状態を日々管理するために、畑を見回る必要がある。

「GrowthWatcher」は、畑の状況を衛星データで可視化するシステム。2~3日に一度、畑の状況を確認することが可能となる。

畑のエリア毎に作付状況が分かるため、効率的な農業につながりそうだ。

このケースに限らず、人工衛星でできることはたくさんありそうだ。

『参考資料』

https://www.jacom.o

もっとみる
土ってなんだろう

土ってなんだろう

ヒトは、長い歴史の中で土を利用して林業・農業を営み繁栄して来た。

そしてその土の中には、数多くの土壌動物・微生物たちが暮らしている。

今回は、ZOOM講演で私たちの身近にある土のメカニズムや歴史を学び、いま日本の土がどのような状況にあるのか、そして土の視点から、これからの森がどうなっていくのか
ということを考えるセミナーが開催されます。

とても興味深い!!

もし、お時間あれば参加してくださ

もっとみる
海上建築・海水農業

海上建築・海水農業

N-ARK(ナーク)は、海上に浮かぶ農場を建設しようとしている。

海水は腐食(ふしょく)を促進することから建物を建てるのには不向きである。さらに、塩害という言葉あるように塩水では植物は育たない。

この2つの難点があるにも関わらず、海の上に浮かぶ農場に挑戦しようしているところがすごい!!

建築材料には、サビにくい炭素素材を使い、海の生物への影響を減らすために浮かせる構造にする。

海水での栽培

もっとみる