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#ショートショートnote杯
【1話完結小説】空飛ぶストレート(407文字)
舞の学校に伝わる七不思議のひとつ、“空飛ぶストレート”。
放課後、誰もいない5年2組の窓の外をストレートヘアの生首が横切るらしい。
そんな訳で舞たちは5年2組になった時、「こわーい!」などと大騒ぎした。
しかし2学期も終わりに近づいたこの時期まで、誰ひとり生首の目撃者は現れなかった為、その話題も自然と忘れ去られていった。
ある放課後。
舞は友達との交換日記を机に忘れた事に気付き、取りに戻る。
【1話完結小説】君に贈る火星の(408文字)
僕が初めて君に会ったのは布団工場の1番奥、鍵のかかった檻の中。
君の背中には純白の大きな羽根があった。暗い工場で、君の周りだけがキラキラ光ってた。
君の大きな羽根からとれる羽毛で、布団工場…いや、それどころか僕らの村は成り立っていた。軽くて暖かいと評判の羽毛布団で、貧しい村は糊口をしのいでいたんだ。
君の羽毛は何度抜いてもすぐ再生する。でも羽毛を抜かれるたび、君は痛みに顔を歪めていた。
夜
【1話完結小説】神様カフェ(408文字)
「天国に1番近いカフェ、神様カフェへようこそ。今日からよろしくね。」
バイト初日、まりあ先輩は優しく微笑んだ。
「えっ…ハイ。よろしくお願いします。」
私はぺこりとお辞儀する。
ひととおり仕事を丁寧に教えてくれたあと、先輩は声をひそめてこう言った。
「常連の神様たち、覚えといた方がいいから教えるね。」
1 コンセント席でノートPC広げてるのが菅原道真公。コーヒーはアメリカン。
2 鞄に
【1話完結小説】株式会社リストラ(404文字)
定例の退屈な月初朝礼。しかしその朝は様子が違った。
壇上の社長の横に、シュッとしたスーツの男が5人。中の1人が喋り始める。
「はじめまして。スムーズな会社再建をサポートする“株式会社リストラ”の鬼頭と申します。突然ですが皆様にはこの後、私達と鬼ごっこをして頂きます。」
ざわつく約100名の社員。鬼頭は続ける。
「御社敷地内を範囲とし、本日の定時17時まで自由に逃げて下さい。鬼に肩を叩かれた
【1話完結小説】アナログバイリンガル(408文字)
シゲゾは荒廃した町でアナログバイリンガルをしている。
大昔滅んだ異国の本が発掘されるたびにそれを翻訳し、人々に娯楽を提供する唯一無二の仕事だ。
特に今手掛けているシリーズものは好評で、人々は次回作を心待ちにしている。
シゲゾはそんな自分の仕事を誇らしく思い、日々やりがいを感じていた。
ある朝、シゲゾが海岸を散歩しているとジップロックに入ったタブレットが漂着していた。
電源を入れると唐突に物語