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【1話完結小説】君に贈る火星の(400文字)

あの夜、僕らが飛び込んだ海はどこに繋がっていたのだろう。
少なくとも僕の海は地元の浜辺に繋がっていた。

でも悟の海は…

高2の夏、僕と悟は夜釣りにハマっていた。
近所の慣れ親しんだ海。
その防波堤で釣り糸をたらす。
釣れるのは豆アジなどの小物だったが、僕らは釣果よりもお喋りを楽しんでいたように思う。

あの夜もそうだった。
たしか悟は、火星開発に携わりたいがその道に進むには家計的に厳しい…とかそんな話をしていた。

不意に小さな光が5個、現れた。
光は僕らを取り囲みぐるぐる回り始める。
「なんだコレ!?」「やめろぉっ!」
僕らは逃げるように防波堤から海に飛び込んだ。

悟の死体はあがらなかった。

きっとあの光は火星人のUFOだったのだ。
悟は火星人に拐われ、今も元気に火星のどこかで最先端の宇宙工学を学んでいる。
そのうち火星から秘密の信号を送ってくれるんだろ?

僕はあの夜からずっと、真っ白い病院のベッドでそんな夢を見続けている。


「贈る」じゃなくて「送る」になっちゃってるし、ちょっと無理矢理感あるけど…自分的に雰囲気が好きなのでリリースしちゃいまーす(笑)

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