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ゴミを「宝」に変えるエトセトラ

column vol.1045

『オードリー・タンの思考』『台湾はおばちゃんで回ってる⁈』の著者で、台湾在住のフリーライター、近藤弥生子さん【「ゴミをビジネスに変える」台湾の驚きの最新事情】という記事が面白かったので共有させていただきます。

〈東洋経済オンライン / 2023年6月21日〉

台湾では「ゴミは活かすもの」という意識が高く、生ゴミは回収して豚のエサか肥料にするし、それ以外にもさまざまなものが分類回収・リサイクルされているそうです。

中でもリサイクルに関しては約61%と世界トップクラス。

ちなみにOECDによる2018年の調査では、日本は19.9%でした。

さらに最近では、回収した「ゴミの価値を高めよう」という動きまで高まっているそうです。

そこで本日は【ゴミを「宝」に変えるエトセトラ】と題して、台湾の事例を皮切りにゴミを活かす試みをご紹介させていただきます。

価値を高める「循環型経済」

単なるサーキュラーエコノミー(循環型経済)ではなく「アップサイクリング」の視点を入れていく。

回収する前のものよりも、価値を高めていく取り組みについて近藤さんが例に挙げていらっしゃるのが2名の実業家

最初のお方は、地球のゴミ問題にテクノロジーの力で挑む「MINIWIZ 小智研發」の創業オーナー、黃謙智さん

「廃棄物を黄金に変える魔術師」とも呼ばれるそうです😊

黃さんは、プラスチックや各種金属など、1200種類以上もの素材に関するリサイクル関連のデータベースを構築。

素材ごとの特性や、より良いアップサイクルをするためにはどのように他の素材と組み合わせるべきかなどの情報を保有・公開しています。

そして、医療用マスクのように柔らかく破けやすい素材を、どのようにしたら構造的に強化できるか研究し、ショッピングモールなどの建築資材や医療グレードに対応した病室をつくり出したりしているのです。

つまり、廃棄物をより強固な構造の資材へとアップサイクルすることで、既存のセメントなどの建築資材からリプレイスしているということですね。

麻繊維プラスチックから防火機能のある壁材をつくり出したり、ファッションの世界で廃棄された繊維家具アート作品へ生まれ変わらせたりと、その領域は多岐に渡るとのこと。

そしてもうお一方は、台湾のリサイクルガラスのおよそ50〜70%を回収するという「春池ガラス」2代目の吳庭安さん

家業を継いで真っ先に行ったのがリサイクルガラスによる建材「“AH” Lightweight Insulation Block」の開発です。

液晶ディスプレイ用ガラスの特性である耐熱性、防音性、耐水性を活かす商材として、およそ5年をかけて開発したというブロックと、そのもととなる素材という2つの建材が、国内外で好調に売れているとのこと。

今では政府機関無印良品など、SDGsを目標に掲げる企業やブランドと次々にコラボレーションを実現しています。

黃さん、吳さんのそれぞれの取り組みは日本の循環型社会をアップグレードしていく上で大きなヒントになりそうですね。

ゴミを捨てることがリサーチに?

ゴミは「リサイクルする」「分別する」という前に、そもそもゴミをゴミ箱にちゃんと捨てるということが大切です。

ポイ捨てされがちなゴミの1つに「タバコの吸い殻」が挙げられますが、楽しみながらタバコのポイ捨てを減らすことを目的としている大正大学実証実験に注目が集まっています。

〈ねとらぼ / 2023年6月23日〉

同大学では構内に「ASK THE TOBACCO」を2ヵ所設置。

ASK(聞く・問う)”??

何を聞くのか?という感じがしますが、これは灰皿部分「人生に大事なのは金か、愛か」などといった設問を記載し、賛同する方に吸い殻を捨てられるようになっています。

ねとらぼ

実はこの灰皿は、行動経済学の考えに基づき、喫煙者が能動的に吸い殻を捨てたくなる仕組みにしているのです。

学生の興味関心を喚起できるよう

「サークルに、入っているor入っていない」
「よく使うのはどっち、Instagram or Twitter」

といった、生徒自らが考えた設問を提示しています。

これは単にポイ捨て撲滅に寄与するだけではなく、企業の生活者マインドを知るリサーチとしても活用できそうだと感じました。

喫煙所内にデジタルサイネージを設置し、情報を流したり2択の質問でニーズを拾ったり、タバコを吸う場所がマーケティングの場になるというイメージです。

私が言わなくても、そんな取り組みも近々見られるでしょうね。

ノイズで快眠??

最後は少し趣向を変えて、最近TikTok上でトレンドになっているある現象についてお話ししたいと思います。

それは「ピンクノイズ」です。

〈TABI LABO / 2023年6月9日〉

ノイズとはその名の通り「雑音」です。

ただ、一般的に認知されているノイズは「ホワイトノイズ」と呼ばれているのに対し、ピンクノイズ音のエネルギーと周波数が反比例するノイズで、などの音に近いとされています。

タビラボの記事でvixvisionsさんの投稿が紹介されていたのでリンクを貼っておきました。

雨や滝のような音という解説ですが…、私には「ゴ〜〜〜〜〜〜〜」という音が飛行機のエンジンのように感じました。

…一応、ピンクノイズは「リラックス効果がある」と言われており、気持ちを落ち着かせたい時や、寝つきをよくしたい時などにオススメのようです…

ただ、私は正直よく分かりませんでした、、、(汗)

実際、この音は賛否両論あるようで、むしろストレスや仕事の妨げになると感じたりする人もいるそうです。

系統でいえば、食べ物を食べている時の咀嚼音であるASMR動画が流行っているのと同じですね。

こちらも「大好き」という人もいれば、「超苦手」という人で二分されます。

ピンクノイズも、ASMRも個人的には一度「ASK THE TOBACCO」好き嫌いどっちの方が多いかリサーチしたいぐらいです。

…まぁ、少し話はズレてしましましたが、ノイズを活かすということも今回の記事のお題には当てはまるのではと思いました。

〜ということで、かなりタイプの違う3つの記事でしたが、いかがでしたでしょうか?

皆さんも普段の生活の中で「ゴミ」「不要」と認識しているものも、見方を変えると宝になるかもしれませんよ😊

視点の当て方発想力

そんなところを磨きたいと感じた本日の事例記事たちでした。

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