見出し画像

本当に愛される「アカウント」とは?

column vol.994

昨日、朝日新聞を読んでいたら、福岡県警初のインフルエンサー認定された警察官の話が掲載されておりました。

〈朝日新聞 / 2023年4月25日〉※有料記事

朝日新聞の有料会員ではない方が、こちらの記事をご覧くださいませ!

〈ヨテミラ! / 2023年4月19日〉

今回認定された方とは、生活安全課の九日勇人巡査長と交通第一課の柳瀬晴美巡査長

これまで、YouTubeなどで歌や踊りを披露して地域の人たちに防犯や交通安全を呼びかけてきたのですが、今では住民の方々から街で声をかけられるなど、地元で話題になっているそうです。

「親近感」のあるインフルエンサーが誕生

その人気も後押しし、今回の署認定のインフルエンサーにステップアップしたとのこと。

「歌って踊れる!」という記事のフレーズから、キラキラ系の方々を想像したのですが、YouTubeを拝見すると、とても親近感のあるお二人

〈YouTube / 福岡県警察公式チャンネル〉

等身大で頑張る姿に好感を抱く方も多いと感じました。

しかし、ふと「インフルエンサー」とは、どんな人なんだろうと考えてみました。

「仕事もプライベートもキラキラでリア充」
「何か才能があり、優れた人である」

などなど、「普通の人」ではない印象です。

私も記事を投稿する発信者として、そういう人になれるのか?と考えると、私の場合は「ザ・普通の人間」なので難しそうです…😅

もちろん、インフルエンサーになれるなんておこがましいことは思ってはいませんが、それでも少しでも愛されるアカウントにはしていきたいわけです…(笑)

そんな想いにヒントをくださる方がいらっしゃいます。

『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』の著者であり、音声メディア「voicy」で1000万回再生超えを記録し、トップパーソナリティとして活躍する尾石晴さんです。

〈PRESIDENT Online / 2023年4月23日〉

尾石さんは

自分を偽らずに提供できる「価値」を発信すること

が大切であると語っていらっしゃいます。

そのワケを探っていきたいと思います。

セルフブランディングのカギとは?

SNSの発信者になるためには、セルフブランディングが必要なのは言うまでもありませんが、そのポイントは何なのでしょうか?

尾石さんは

「つくられたイメージを出していく」ことではない

と指摘されています。

そうではなく、ありのままの自分から出る「価値」で勝負することが大事とのこと。

「すごい人と思われたい、思わせたい(虚栄心)」と欲を出すと上手くいかない

と仰っています。

確かにこれは、「モテたい気持ちが強いと逆にモテない」という現象に近いかもしれませんね…

日常生活でも、自分を大きく見せようとしている人が見透かされて…という場面を目にすることは誰にでもあることでしょう…

しかも、飾った自分(無理をした自分)で発信し続けても、やはり苦しくなるだけ…

それよりも「ありのままの自分」の中にある「提供できる価値」をどう見つけるかがポイントになるということですね。

私はこの考え方を体現した究極の例が、以前【驚きの「副収入」!?】でも紹介した「レンタルなんもしない人」です。

依頼主に呼ばれ、行った先で何もしない。

このサービスを手がける森本祥司さんは、何もしない自分をレンタル(提供)することで1件1万円(交通費など別)も稼いでいるのです。

これは、私ではやりたくてもできません…

なぜなら、何にもしない状況に罪悪感を覚えてしまうからです。

こちらが気まずそうにしていると、相手も気まずくなってしまう…

何もしなくても居心地の良さを提供できることが、森本さんの武器ということでしょう。

いずれにせよ、提供できる価値は自分の特性人からのニーズで決まります。

自分を正しく把握し、人からどんな部分が必要とされているのか?

ここを丁寧に発掘すれば、一見「普通の人」でも光明が射すというわけです。

自分の価値は「気づいてもらう」

そして、尾石さんの記事の中でもう1つ「なるほど!」と思ったのが、自分の価値(魅力)は変にアピールせず、受け手に「気づいてもらう」ようにするということです。

尾石さんは

ブランディングの名のもとで「自分の理念や特徴や売り」を押し売りしてしまっているケースをよく見かけます。

と指摘しています。

例えば、ファッションインフルエンサー「私、超絶センスあります!」とプロフィールに書いていたら、どうでしょう…?

私が捻くれているのかもしれませんが…、若干穿った目でその方のセンスを見てしまいそうです…(汗)

この話に触れて、大学生の頃、宣伝会議「コピーライター養成講座」に通っていた時の日々を思い出しました。

ある有名なクリエイティブディレクター(CD)の講義で「自己PR文を作成せよ」という課題が出たのですが、その課題を読んだCDがある生徒を呼んで壇上に立たせたのです。

そこでCDはその生徒に対して、「自己PR文を全部読んだら長くなるから、自分の特長(性格)を1つのエピソードを通じて、みんなに伝えてください」と促したのです。

目の前には、生徒が数十人いる。

突然壇上に上げられたその生徒は緊張しながらも

①自分は人よりもコツコツ頑張れる人である(特徴)
②テニスで努力によってそれまでよりも優秀な成績を収めた(エピソード)

を話したのでした。

私たちは「テニスをコツコツと頑張った人」と認識し、非常に好感を抱いたのですが、その雰囲気を見届けたCDがニヤリと笑って、その生徒の他のプロフィールを語り始めたのです。

実はこの子、東大生なんだよ

そりゃ、コツコツ頑張る人ですわ…(笑)

人は「客を意識しない」と自慢が始まる

テニスの成績は、確か地区大会1回戦負けから、準々決勝に行けるようになったという微笑ましいものだったような気がします。

きっと、彼は「東大生である自分」をPRした方が「コツコツがんばる自分」私たちに浸透させることができたはずです。

しかし、急に壇上に上げられて若干パニクっている中、大勢の人の前で「さぁ、あなたの魅力を語りなさい」と言われたことで

東大生ってことは変に伝わると何だか調子に乗っているヤツだと思われるかもな…(汗)今は 半年間の講座の始まったばかり。ここは変に悪目立ちしないよう、当たり障りのないエピソードにしよう…

と思ったかどうかは定かではないですが…、後から聞いたら、少なくても「自慢話にはならないようにしよう」と思ったのです。

こうした生徒の心理を読み、CDは彼を壇上に上げたのでしょう。

そして、CDが私たちに言い放ちます。

人は聴衆(お客さん)を忘れると、自慢話が始まる

つまり、広告コピーをお客さん(受け手)のいない机上で考えていると、ついつい商品の自慢話を書き綴ってしまうコピーライターの悪い癖を戒めるための教訓をくださったのです。

CDが読んだ東大生の彼の自己PR文は、ちょっと自慢話に感じたとのこと。

ただ、きっと人前で発表しないといけないと知っていたら、東大生である自分のエピソードが自慢話に聞こえないような工夫していたかもしれません。

そういうことを学んだ授業だったのです。

ということで

●ありのままの自分の価値を探す
●その価値が押し売り(自慢話)に感じさせないようにする
 →できれば、相手に気づいてもらうようにする

という尾石さんの鉄則はよく理解ができました。

そして、続けてこのように仰っています。

じわじわ浸透させるブランディングが大事

読んでくださる方々からの信頼や評価は一歩一歩確実に。

そんなことを意識しながら、私も記事を書いていきたいと思いました😊

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?