AI時代の「書く極意」
column vol.1175
本日はクリスマスということもあり、何か皆さんへのプレゼントになるような記事をお届けしたい。
そこで、今回はnoterさんの日常にとって欠かせない「書くこと」をテーマに、がんばってみますね…!
最近、私が非常に感銘を受けた2つの記事があります。
【ベストセラーライター2人が語る「AIに取って代わられる文章」の特徴】
〈Diamond online / 2023年12月4日〉
【人の心を動かす「身体性のある文章」はどうすれば書けるのか?】
〈Diamond online / 2023年12月6日〉
いずれも、ベストセラー『読みたいことを、書けばいい。』の著者で、出版社「ひろのぶと株式会社」代表の田中泰延さんと、『嫌われる勇気』の著者で、「株式会社バトンズ代表」の古賀史健さんの対談記事。
AI時代においても価値を持つ「人が生み出す文章とは?」ということについて語られております。
きっと、大きなヒントになると感じましたので、ぜひぜひ上記記事を読んでいただきたいのですが
私もお二人の対談を受けて感じたことをお話しさせていただきます。
人間には「発見」がある
田中さんは、“いいエッセイ” の例として東海林さだおさんの『醤油の奇跡』を挙げていらっしゃいます。
「もし、ここに醤油がなかったら」と問いを立てる。
…なるほど…、醤油がないと困りますね…
ちなみにchatGPT(GPT4)に上記の問いを投げかけたところ、このように答えてくれました。
…きっと、私が醤油がなくて困っていると思ったのでしょうね…
5つの代替案を挙げてくれました。
…しかし、東海林さんは「醤油の代わり」について語りたかったのですかね…?
ちなみに、私がこの問いについて頭に浮かんだことは
という想いでした。
東海林さんは別にそういうことが言いたかったわけではないかもしれません。
しかし、東海林さんからの “醤油の問い” を通じて、私は縁の下で働く人たちの大切さを「発見」したのです。
「発見」を言葉で届ける
この「発見」こそ人間の醍醐味かと思っています。
田中さんは他にも宮本輝さんの『錦繍』という小説を例に出し、このように仰っています。
田中さんは「錦繍」という言葉について、「美しい紅葉や花」や「男女の織りなす機微」など、人生経験を積み重ねながら、感性を通して感じ取ることができたのです。
夏目漱石が「I love you」を、「愛している」ではなく、「月が綺麗ですね」と訳せたのも、まさに人間の発見する力が成せたこと。
つまり、先ほどの「醤油」の話も、「錦繍」や「I love you」の話も感性による発見を言葉で表現しているわけです。
AIは事実や情報を文章で表しているだけなのに対して、人間は感性や想いを言葉に込めている。
ここに大きな違いがあり、ここに人間(書き手)の希望があるのだと感じています。
「最高のプレゼント」とは何なのか?
つまり、「伝えたい想い」という目的の手段として「言葉」があるわけです。
もちろん、共感を得るためには、相手の心も揺さぶるような発見でなければなりません。
このことをプレゼントで考えると分かりやすいかと思います。
ここで「最高のプレゼントとは?」という問いを立ててみます。
AI的(合理的)に考えると、まず浮かぶのが「カタログギフト」です。
多彩な商品を網羅しており、だいたいどんな人に贈っても欲しい商品を見つけてもらうことができます。
そう考えると、商品券はもっと良いかもしれません。
カタログギフトよりも選択肢が広がるからです。
〜と、考えていくとお金を渡すのが一番?
お金が嫌いな人はそうそういないからです。
実際、お年玉やお祝いごとなどでお金は贈り物に使われており、たくさんの人たちに喜ばれています。
しかし、相手が意中の人だったら、どうでしょう?
きっと、お金をギフトに選ぶ人は少数派になるはずです。
なぜなら、恋愛はモノ以上に「想い」が優先されるからです。
そう思う人は多いはずです。
それは、先ほどの文章の話と同じなのではないでしょうか?
「書きたい」気持ちがそこにあるか?
私は「noteを書け」と言われたことは一度もなく書きたくて書いています。
では、何を書いているのか?
それは普段、見聞きして自分の心が動いたこと(発見)を記事として届けています。
ですから「共感」という反応が一番嬉しいのです。
私が尊敬するnoterさんは、そのレベルが高い。
そう考えると、伝えたい想いがあれば、まずは書き手として存在し続けられるとも言えるわけです。
以前、当社の先代社長が「オレは、一人でも聞いてくれる人がいるうちは、講演を続ける」と言っていたことを思い出します。
文章に話を戻すと、その上で相手も共感してくれれば、その記事は「価値がある」「必要がある」ということなるわけです。
ちなみに、chatGPTに「あなたに伝えたい想いはありますか?」と聞いてみたら、このような回答が返ってきました。
つまり、AIがしたいことは情報提供。
一方、人間がしたいことは、共感を通した心の交流です。
仮に人間が情報提供をしたとしても、そこには感謝を通した心の交流があります。
この違いこそが、人が書き手である意味と、受け手が書き手(人間)に求める必要性なのではないでしょうか。
ちなみに、『訪問しなくても売れる!「営業レター」の教科書』の著者で、営業コンサルタントの菊原智明さんは、誰でも書けるテンプレート型の文章を “空気文字” と呼んでいらっしゃいます。
〈PRESIDENT Online / 2023年12月21日〉
いわば、想いのこもっていない “空(から)” 文字とも表現できるかもしれませんね…
このことからも、AI時代において人間が書き手として存在し続けるためには「書きたい(想い)」が何よりも大切だと感じます。
もっと言えば、いかに「書き続けたい自分」をキープしていけるのか?
「AI時代の書く極意」とは、そんなところにある。
そんな風に感じる今日この頃です😊
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