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ビジネスチャンスは “短所” にある

column vol.959

新しいビジネスチャンス(成功の種)は、どの業界のどの企業でも喉から手が出るほど欲しいと思いますが、その種は一体どこにあるのでしょうか…?

マーケティングの大家であるフィリップ・コトラーさんは、その答えとして「顧客自身が自分で気づいていない欲求を探ること」と語っております。

一方で、なかなか「顧客自身が気づいていない欲求」を見つけることは難しい

それならば…、思い切って、自分がいる業界や会社の“短所”、つまり弱点だと捉えられているところに目を向けるのはいかがでしょうか?

そこは、誰も触れていないブルーオーシャン

上手くいけば、大きなビジネスチャンスになるはずだからです。

「んん…?どういうこと…??」

と思われる方も多いはずですので、早速事例を絡めて話を進めることにいたします!

睡眠中は本当にゲームができない??

まず最初はゲームです。

ゲームの短所(弱点)は何でしょう?

その1つに「眠っている間はプレイできない」ことが挙げられるのではないでしょうか?

…本当にそうでしょうか?

実は最近、「睡眠中に楽しむためのゲーム」に注目が集まっているのをご存知でしょうか?

それがスマートフォン向けアプリ『ポケモンスリープ』です。

〈日刊SPA!/ 2023年3月19日〉

今夏、全世界でのリリースを予定していることが、公式番組「Pokemon Presents 2023.2.27」にて発表されました。

これは眠ることによってモンスターを集めるというゲーム。

どういうことかと言いますと、自分の睡眠状態を計測・記録できるアプリなのですが、「うとうと」「すやすや」「ぐっすり」3つの「睡眠タイプ」によって、それぞれ集められるモンスターが違うのです。

ここでポイントになるのがゲーム業界の課題です。

起きて楽しむゲームは世に数多ある。

しかも、Netflixなどゲーム以外のエンタメも含めたら、起きている間の時間の奪い合いは熾烈なものです…(汗)

そこで目を向けたのが、今まで “プレイできない” と思われていた「睡眠時間」

かつて、「移動時間(特に歩いている間)はゲームはしないもの」という定説を崩してプレイする時間に変えた『ポケモンGO』と同様の戦略です。

この睡眠市場への開拓は、他にも『よひつじの森』『夢冒険』などのアプリゲームでも見られています。

睡眠時間という弱点をマーケットに変えたゲーム業界の事例をご紹介させていただいたことで、今回の記事の意図が伝わったでしょうか😊

「万引きしづらい」無人店舗が誕生したワケ

続いては「無人店舗」の話題です。

無人店舗の短所とは何だと思いますでしょうか?

1つは「万引きされやすい」環境なのではないでしょうか?

しかし、この弱点をカバーし、仮にされたとしたらそれはそれでメリットに変える “ある無人店舗” に注目が集まっています。

それが、お肉専門無人販売所「おウチdeお肉」です。

同店では、瞬間冷凍技術により鮮度を保持した産地直送の馬肉牛ユッケ国産牛肉の他、ハンバーグ餃子韓国料理からアイスクリームまで幅広い商品を取り揃えています。

創業からわずか半年足らず全国100店舗を数えるまでの急成長を遂げ、さらに160店まで拡大する見通しが立っているという、まさにモンスター級の無人店舗

こちらのお店は、万引き防止のある秘策でも有名なのです。

〈デイリー新潮 / 2023年3月19日〉

店内には死角を防ぐように4~5台の防犯カメラが設置されているのですが、何と万引きしたら「SNSで拡散する」と店内で告知しているのです…(驚)

…実際、万引きされた映像はSNSでアップされているのですが…、これによりリツイート(拡散)され、さらにテレビのニュースなどで取り上げられることで、お店の知名度がアップしているという利点が。

…もちろん、賛否はあるとは思いますが…、万引きを宣伝に使うという新しい発想が凄いな…と思いました。

ちなみに、かなりの抑止力にはなっているようで、これまで実際にあった万引き件数は20件程度とのこと。

ちなみに、おウチdeお肉は無人店舗のフランチャイズであることで、忙しい本業を抱えている人でも副業しやすい仕組みにしているそうです。

初期費用500万~600万円で始められつつ、“手放し経営”で月15万~30万円程度を稼げるようになることを目指しており、そんなところもお店が急拡大している要因なのではないかと感じています。

「妊娠中のビール離れ」に粋な演出

2個目の事例が少し刺激的な話題だったので…、最後はほのぼのとした話題で締め括りたいと思います…!

ファンマーケティングでお馴染みのクラフトビール製造メーカー「ヤッホーブルーイング」の粋なサービスをお届けいたします。

同社ではビールのサブスク「ひらけ!よなよな月の生活」を提供しているのですが、妊娠中の女性サービスを解約するという宿命を抱えていました。

しかしアッパレなのが、サブスクの解約というマイナスを逆にファン心理を高めるチャンスに変えているのです。

〈よろずやニュース / 2023年3月13日〉

お客さまがまたビールを飲めるようになったら何かしてあげたいね

そう考える同社では、「卒乳」などの節目をお祝いするサービス「隠れ節目祝い by よなよなエール」の提供を開始したのです。

他にも「イヤイヤ期卒業」「寝かしつけ卒業」「お弁当作り卒業」といった子育てにまつわる節目を祝うことを目的にしています。

このサービスに応募したお客さまには「よなよなエール(ビール)2本」「証書(卒乳など)のセット」がプレゼントされます。

初回応募締切は2023年の3月12日だったのですが、合計5,100セットだった当初の予定に対し、約18,000件の応募があったそうです。

多数の応募だけではなく

「今まで誰にも祝われなかった節目に光を当ててくれるなんてやさしい企画なんだ〜」
「こうやって誰にも気づいてもらえなかった節目をお祝いしてもらえるのは嬉しい」

というお客さまの喜びの声もたくさん同社に届いているそうです。

そしてこの続きとして2024年1月まで毎月、応募が可能に。

妊娠によるビール離れというマイナスから発案し、プラスに変えた好事例なのではないでしょうか。

ということで、一見不可能と思えるようなことも、柔軟な考え次第ではチャンスになる。

そんな勇気をもらえるような本日の事例記事だったのではないでしょうか?

そして、本日は日本にとって嬉しいニュースがありましたね。

WBCで日本代表が優勝しました!!

私はリアルタイムでは観られなかったのですが、先ほど夜のニュースで感動の瞬間を目に焼き付けました😊

絶対に諦めない気持ち

それは、本日の事例にも通ずるところなのではないかと思っています。

今夜も良い夢が見られそうです〜

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