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世の中どうよ

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世の中、社会、不満もありましょう。憤りもありましょう。ほっとするニュースがあればいいですね。自分もその中に確かに存在する、その世の中。少しでも別の視点があれば、シェアしたいなと思…
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2023年5月の記事一覧

『「良かったこと探し」から始めるアクセシブル社会』(星川安之・小学館)

『「良かったこと探し」から始めるアクセシブル社会』(星川安之・小学館)

タイトルだけからは、内容が掴みづらい。サブタイトルの「障害のある日との日常からヒントを探る」を見ると、内容が見えてくる。「障害」というのは広い範囲で捉えていて、視覚障害・聴覚障害・盲ろう・肢体不自由・難病・高齢者といったカテゴリーでカバーされている。このことは、最後に「調査」の方法を明かしてくれているところで分かる。
 
最初は、コロナ禍で、店の商品を無闇に触ることが禁じられた不条理な場面から始ま

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言わなければならないこと

言わなければならないこと

ドラマやアニメは「クール」という単位で放送されることが多くなった。昔はアニメにしても数年間続くようなものも少なくなかったが、今は1クール、つまり3ヶ月がひとつの単位となっている。好評ならばさらにそのうち3ヶ月分延びることもあるし、当初から2クールで計画されている場合もある。
 
さて、この春から初夏のアニメのクールは、私にしてみれば豊作である。「私にしてみれば」というのは、「よく心が描かれているも

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助けられるのは

助けられるのは

8日の赤十字デーも12日の看護の日も、世間ではさして話題にならずに通り過ぎてしまった。もちろん、高々個人の誕生日に過ぎない。とくにアンリ・デュナンは、仲間からも外れて不遇な後半生を送ったし、フローレンス・ナイチンゲールも、看護活動そのものはごくわずかな期間しか経験していない。だが、二人の遺したものは、あまりにも大きかった。
 
二人のポリシーは、相反するところがあった。無償をモットーとするデュナン

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『精神現象学』(100分de名著)に学ぶ

『精神現象学』(100分de名著)に学ぶ

NHKEテレの「100分de名著」も、ずいぶん長く続いている。始まるときのこともよく覚えている。よい番組だ。よくつくりこんでいる。先月には、新約聖書の福音書が、若松英輔さんのよいリードで紹介された。聖書を、読んでみようという気持ちにさせる番組となった。制作者自身がそういう心になったし、世間の評判もよいようだ。これは特筆すべき現象である。
 
これをどうしてキリスト教界がもっとバックアップしようとし

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仲間が楽しく騒いで何が悪い

仲間が楽しく騒いで何が悪い

夜の仕事をしている。終電にはならないが、終電から数えたほうが早い電車に乗って帰る。乗り換えをするが、ひとつは座れる。混んでいるほうも、人と人とがくっつくほどの混み合い方をするわけではない。
 
ところがその日、近くでイベントがあり、そこから人が大勢流れてきた。発車を待つ電車は、すでに満員だった。次を待てというアナウンスが流れていたが、こちとらいつものように帰りたいだけだ。まだそう無理なく入口に割り

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