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本とのつきあい

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本に埋もれて生きています。2900冊くらいは書評という形で記録に残しているので、ちびちびとご覧になれるように配備していきます。でもあまりに鮮度のなくなったものはご勘弁。
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2023年4月の記事一覧

『希望の倫理』(ユルゲン・モルトマン著・福嶋揚訳・新教出版社)

『希望の倫理』(ユルゲン・モルトマン著・福嶋揚訳・新教出版社)

なかなかの大部である。キーワードはもちろん「希望」。半世紀前の著書『希望の神学』の続編、あるいは完結編というから驚きである。
 
タイトルの語は「倫理学」とも訳せるし、前著との繋がりからするとそう訳したほうがすっきりしそうでもあるが、堅苦しい印象を与える必要がない内容だとの訳者の判断で、「倫理」で止めることにしたという。
 
前著からの時代は、ひとつには「解放の神学」が大きく話題になった経緯がある

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『みんなの宗教2世問題』(横道誠編・晶文社)

『みんなの宗教2世問題』(横道誠編・晶文社)

2022年の安倍晋三元首相の殺害事件により、背景にあった統一協会の組織と信者、その家族との関係が、一躍有名になった。それを受けて、信者そのものというよりも、その信仰活動による被害者として逃れられない位置にいる、子どもたちのことが取り沙汰されるようになった。いわゆる「2世」問題である。
 
以前からずっと統一協会問題に関わり、組織の批判と人的救出に尽力してきた弁護士やジャーナリストの声が、もはや他人

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『エヌマ・エリシュ』(月本昭男訳+注解・ぷねうま舎)

『エヌマ・エリシュ』(月本昭男訳+注解・ぷねうま舎)

バビロニア創世叙事詩である。よくぞこのような本を出版してくださった。180頁ない量で¥3,200+税という価格だから、かなり割高ではあるが、こうした文献が翻訳されて読めるというのは、実にありがたい。
 
旧約聖書は、その後の歴史の中でキリスト教を通して大きく取り上げられ、それが信仰どころか、生活や社会の基準になっていった。そのため、ヨーロッパの歴史と文化を顧みると、旧約聖書だけが歴史の真実でありす

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『なぜ君は笑顔でいられたの?』

『なぜ君は笑顔でいられたの?』

(「福本峻平の本」制作委員会・いのちのことば社)

副題に「福本峻平 神と人とに愛されたその生涯」と書かれ、表紙にある写真は、車椅子で喉にチューブを入れた男性の写真がついている。これが福本峻平さんである。
 
とある関連でこの人のことを知った縁で、手に取ることとなった。
 
キリスト者が、困難な環境に置かれた中で、神を信じて乗り越えていった。病にも拘わらず喜びの人生を送り天に召された。このような話

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『哲学するネコ』(左近司祥子・小学館文庫)

『哲学するネコ』(左近司祥子・小学館文庫)

私は電子書籍で読んだ。それが入手しやすいのではないかと思われた。
 
25匹のネコを飼う人の綴る、思索交じりの風景。哲学だけを求める人には、ネコの話が邪魔だろう。ネコだけを愛したい人には、哲学の話がうざいだろう。その意味では、中途半端な本である。だが、あいにく私はどちらも好きだ。楽しくて仕方がない。
 
拾ったり、かくまったりして、なんだかんだとネコが増えていく。
 
著者はギリシア哲学研究家。だ

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