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自選記事

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noteを始め気づいた事。自分がスキだと思う記事と読んで下さる方のスキが違う事。わたしのスキを集めてみました、宜しければご覧下さいね。
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2024年2月の記事一覧

変身譚:川になる

変身譚:川になる

人間をやめようと思い、Rは思案した。兎に角、人間、哺乳類、動物以外が良いのだ。

草・・?

いや、草は犬がおしっこする。厭だ。

猫も毛玉吐きに、

せめて美味しそうな顔すれば我慢も出来ようが、嫌々な態度丸出し、爪をグサリ。

牙、意外に怖いし。。

草の草たる矜持は何処へ。

愚考が停滞すると、先に進まぬ。

さて、作家某氏は、樹木人間なるモノに変身した。

カイワレ脚人間も、甲虫も、悲惨だ。

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誘(いざな)う

誘(いざな)う

白装束にだらりと黒髪垂らし

振り向きながら

おいでなさいな、と

目で囁く

森の奥にわたしの棲家があるのよ

怖い?

わたしを物の怪か気狂ひと

お思いか?

なら、来なくてかまわぬ

その代わり

ずっと、あなたは

この日をこのわたしを

忘れずに悶々と過ごすこととなりましょう

怖いもの、不条理な場面、居てはならぬヒトガタは

あなたの目にはまがいもの、或いは害為すものと

映りまし

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らいおんになりたかったねこ

らいおんになりたかったねこ

「僕はいつか立派なライオンになる!」

昨日の猫集会で雉猫のポヨンは宣言した。

みゃははは~。ふぎゃ~。にゃひゃひゃ。
皆が皆、お腹を抱えて僕を笑った。

一番の親友だと思ってたクロまで笑った。
その名のとおり艶やかな黒の短毛に金色の目。僕と正反対の彼は凛凛しくて

僕の憧れだった。

いつか皆の前で「僕は絶対に犬になる」って口走って以来、皆から

「へいへい、ポチ」って呼ばれるようになった。

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ブランコ

ブランコ

夜のブランコはサビシイ

街灯に照らされ在っても

セツナイ

ひもじい野良犬が寄って来ても

公園には誰ひとり居やしない

昼の喧騒を懐かしむのか

それとも孤独に在りたいのか

ブランコよ

眠れぬヒトが不意に訪れたなら

そして、ブランコに腰降ろしたなら

一緒に揺れて泣いてしまうのか

シーソーもジャングルジムも明朗だ

ブランコだけが

ココロ細げに、風に揺れることが

いとおしい

ある雨の日の感傷

ある雨の日の感傷

いっそう勢い増した雨は
鬱屈した心をかき消すように
視界をぼかし全てを薄墨色に
染め上げる

かの道標たる街灯に
その白きぼやけた光に
ロダンバックの一輪の白薔薇重ねた夜

炎ではなく水のようにと、
全てを洗い流せ、
かの方に習え
感傷より自己凝視なのだと
分かった心算でいた夜

そうか
付け焼刃は消滅するのだ
知った心算
かくありたしと願った夜

全ては虚無と焦燥と
曖昧模糊たる混迷に
耐え切れ

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記念日

記念日

ね、生きる意味も死ぬ意味も無いのよ

たかだか人の一生、何かを為すには短く、かといって、夢を見なきゃ

寂しすぎるじゃない

本当に欲しいものが手に入らなくても

欲し続ければいいじゃない

生きて生きてと願った日々

奇跡は起きた

わたしの声で あなたは目を醒ましたのだから

辛くても苦しくても

あなたの全てを愛するわたしがいることを

忘れないで

ひとりで泣いて終わらないで

小さな平穏

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自嘲

自嘲

ふ・・今じゃ、このザマさ。

そいつは、受話器の向こうで、悲しい自嘲に逃げた。

思えば そいつのジーンズ以外の姿もネクタイ姿も見たことはない。

自嘲を鎧にしないでよ。

変わった?変わっていないから、辛いのでしょうに。

いつか、悪態つきに行くから・・・待ってろよ!莫迦。

泡

永遠のロマンティスト、少年の無垢ー

こんな俺も居るんよ、って恥らうあなたは
穢れない魂と消えない夢の中で涙を流す

同時に
わたしがわたしで無いものに、
血反吐のような吐瀉物を吐き出して、どんどん変容する

消したい自我、現実、わたしそのもの。

それは存在すら希薄で
色も音も匂いも無の世界

出来ることなら、永遠に、留まっていたかったろうに

りんご売りの少女が、倒錯した夢に居るあなたを
正気

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手

〈手には ものを掴む手、放す手があるんですよ〉
    byジャン・コクトー

コクトーの真意とは異なるだろうが
わたしは 
愛持ち掴み
祈り持ち放そうと思う
そうやって来た
放す日を間違えたとか
掴み過ぎたとか
幾度も自責の念に駆られはしたが
その都度 わたしの精一杯であり
選択した事象なのだ
結果の正誤など
わたしが死ぬまで分かるものか
いや、その先までだって
分かるものか

取り乱さない男はつまらない

取り乱さない男はつまらない

常に弱々しく、周囲を窺い、自己評価を他者に委ねたり

「わたしは、つまらない人間なのだ。取るに足らない人間なのだ。」

などと繰り返して恥じない男は、大抵が、自己憐憫、甘え癖のある男なのだ。

言葉と真逆に、自己肯定の権化なのだ。

その種の男に、取り乱してよ、なんて願うはずもなくw

既にツマラナイのだから。いっそ、仮面でもつけて黙ってなさいよ、とー内心毒づくけれど♪

つい思い出したタイトルの

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とくとくとくん

とくとくとくん

その軽い肩に

その薄い胸に

頭を預け

心臓の鼓動に耳澄ます

とくん とくん 

とくとく・・とくん

軽い肩を持つ貴方の

涙と叫びと悲嘆と絶望と無力感

薄い胸の肋骨を指で触り

少なくとも、私にとって、

この胸も肩も

重いのだ、と

決して口にせず

長い静寂の夜を過ごすということの

喜悦とも不安とも呼べたひとときこそが

時計のコチコチコチコチという音と重なり

私を哀憐の日々

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それでも、Yes!

それでも、Yes!

遠い過去も近い過去も

この一週間も、今この瞬間も

左程、違わず

常に餓え常に抗い

常に立ち上がり

幾たび、涙しても

この涙の質を因を

呟くくらいなら

いっそ消えたほうがよいのだと

僅かながらに残る理性の目が

わたしを律す

如何なる恐怖も不安も慄きも悲嘆も

負の全ての感情が

わたしを占拠したにせよ

それでも生きることに

YES!と言うのだ

意地でも虚勢でも

何だって

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キミ

キミ

此処までやっと生きてこれたのだ
ボクとキミ

ボクが余所見し

何よりいっとう大事なキミを

ボクの命より大事な命を

失うほど愚かなことは無いのだ

ボクこそがただ一人の理解者、共感者と言えばキミは苦笑するだろうけど

キミの悲を苦を怒を

分かち合えるとすれば

ボクしか居ないじゃないか

分かってるさ

同じように痛みをボクが味わえないことを

傲慢にも分かった心算でいることも

それでも

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