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歴ログ-世界史専門ブログnote版-

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はてなブログ「歴ログ-世界史専門ブログ-」のnote版です。 https://reki.hatenablog.com/ はてなブログに掲載していた記事の転載・再編集版を公開して… もっと読む
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2024年5月の記事一覧

チェチェンの歴史

チェチェンの歴史

「チェチェン」といえば名前くらい聞いたことがあると思います。
では具体的にチェチェンの場所がどの辺りなのか、なぜ人々がテロに訴えてまでロシアに抵抗するか、そこまではあまり知らないのではないかと思います。
物理的に遠いというのもありますが、我々とあまり経済上交流がないというのも日本人がチェチェン問題に疎遠な理由の一つである気がします。
チェチェン問題が複合的理由や現地で実際何が起こっているかなど

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ポルトガル・ファシスト政権の「生き残り戦略」

ポルトガル・ファシスト政権の「生き残り戦略」

1929年10月、ウォールストリートで起こった株価の大暴落は、後に世界的な大恐慌を巻き起こしました。
アメリカやイギリスなど各国が自国の保護を優先して通貨や自国産業の保護を優先しブロック経済に走った結果、植民地を多く持たないドイツ・イタリア・日本といった国は全体主義を推し進め暴力的手段を用いて経済危機から脱出を図ろうとし、結果的に第2次世界大戦が勃発することになったのでした。
さて、ヨーロッパの中

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敵兵から恐れられた「伝説のスナイパー」10人

敵兵から恐れられた「伝説のスナイパー」10人

戦争に行ったことはないので詳しくはわかりませんが、「いつ撃たれるか分からない」という緊張状態に常に置かれるのは、想像を絶するものに違いありません。

もしかしたら今この瞬間、狙撃兵に狙われていて、次の瞬間に頭を撃ち抜かれるかもしれない。

実際に歴史上の凄腕スナイパーはそのようにして音もなく近寄り、的確に敵兵の体を撃ち抜き続けた。味方からするとこんなに頼りになる存在はありませんが、敵からすると「悪

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世界の神話に登場する「伝説の武器」

世界の神話に登場する「伝説の武器」

中二病という言葉の出現を待つまでなく昔から人々は、大人が口に出すのがためらわれるくらい恥ずかしい「さいきょうの武器」を考え出してはお話に盛り込んで熱くなっていました。

自分が考えた「さいきょうの武器」で遊ぶのは子供ですが、強い武器には老いも若きも憧れるもんなんでしょうか。

1. タミン・サリ(マレーシア)15世紀に活躍したと言われる、マレーシアの伝説の戦士 ハン・トゥアが保有したと言われている

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すごくカッコイイ「死にぎわのセリフ」

すごくカッコイイ「死にぎわのセリフ」

漫画・アニメでは「クールなセリフ」を吐いて死ぬキャラがたくさんいます。

有名なところで言ったら、北斗の拳・ラオウの「我が生涯に一片の悔いなし」でしょうか。みんなそれぞれ思い入れがあって、好きなキャラの死にぎわのセリフがきっとあるでしょうね。

現実の歴史上の人物にもカッコイイセリフを吐いて死んでいった者がたくさんいます。そのかっこよさはまるで漫画のようです。

1. 「イタリア人の死に様をお前

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新興世界宗教バハイ教の教義と歴史

新興世界宗教バハイ教の教義と歴史

世界236の国と地域で信奉されている宗教。
そう聞くとキリスト教やイスラム教を想像してしまいますが、これはバハイ教のことを言っています。
キリスト教に次いで2番目で、2100以上の民族・人種・部族に信者がいて、信者の居住地は12万7000ヶ所以上。信者数は600万人以上(公式発表)。
バハイ教とその前身のバーブ教は19世紀にイスラム教から分派しましたが、今ではイスラムとは別物とみなされており、発祥

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世界史のおもしろい「大混乱期」TOP10

世界史のおもしろい「大混乱期」TOP10

私が世界史で好きな時代は「混乱している時代」です。

経済やテクノロジーの発展、または気候の変動などで為政者がこれまでのやり方で国を統治できなくなり、そこに外から勢力がやってきて国内と結びついたり、逆に国内でうまく時流にのって天下をひっくり返したりする。そんな時代です。

今回は勉強したらきっと興奮するに違いない地域・時代をセレクトしてみます。あくまで個人的な主観に基づいたものなので、ご容赦くださ

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イスラム教が拡大した理由は「武力」説

イスラム教が拡大した理由は「武力」説

預言者ムハンマドから正統カリフ時代を経てウマイヤ朝が成立する過程で、イスラム帝国は爆発的に拡大し、西はリビア砂漠から東はペルシア高原まで征服してしまった。その後ウマイヤ朝の元でさらに拡大し、イベリア半島やインダス川まで支配してしまいます。
なぜここまで急速に拡大したのかの理由は、ムスリムに言わせれば「正しい教えに人々が開眼したから」ということになります。

また、通常の説明だと「これまでの部族社会

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イスラム教の天国と地獄はどんな世界なのか?

イスラム教の天国と地獄はどんな世界なのか?

我々が普段「死んだら天国行きたいな」とか「地獄はやだな」とか思わないのは、きっと生活がそれなりに満ち足りたものだからだと思います。
一方、幸せを掴み取る可能性が低く、人生を完全に諦めていて、せめて死後の幸せを願うしかない人は、天国行きを強く願うのではないでしょうか。

イスラム過激派が世界中で蔓延するのは、彼らが「現世の富と名声」と「死後の天国行き」の両方を保証してくれるからだと思います。
家族と

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WWEのヒールレスラーに見る「アンチ・アメリカ」

WWEのヒールレスラーに見る「アンチ・アメリカ」

プロレスの世界では「ベビー(正義)」と「ヒール(悪党)」のキャラ区別があります。
ずっとベビーやヒールをやっているレスラーもいますが、何かのタイミングで善悪入れ替わるのが普通で、「ベビーターン」とか「ヒールターン」とか言います。

アメリカン・プロレス(以下アメプロ)はこのキャラ区別が明確になっており、ベビーのレスラーが入場すると歓声で迎えられますが、ヒールのレスラーは大ブーイングで迎えられます。

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アメリカが外国から受けた「本土攻撃」

アメリカが外国から受けた「本土攻撃」

「911テロ」はこれまでアメリカが受けた「敵対勢力」による攻撃の中で最大のものでした。
大規模な被害が出たことに加え、911が新しかったのは敵対勢力に「正体がない」こと。「ここを叩けばいい」という敵の本丸が存在しないのが、21世紀の戦争です。
それまで実は何回も「敵国」による本土攻撃は決行されていますが、正直大した被害は出ていませんでした。
そのような歴史的経緯があったので、テロ後アメリカは今起こ

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