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春からはじまる冬眠日記

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2020年春に始まった家族4人のおこもり生活。小さくも豊かに暮らせるようにはじめる日々の記録です。
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【春からはじまる冬眠日記 17】最終日。冬眠から抜けだして見たもの

【春からはじまる冬眠日記 17】最終日。冬眠から抜けだして見たもの

2020年6月1日静かな部屋で、ひとり、これを書いている。このタイトルで日記をつけるのも最後になった。日記というには憚られるような、てんで続かないくだらない雑感だったけれど、自分の記憶と記録のためには多少役立ったかもしれない。10年後読み返したら、この濃厚な2ヶ月を思い出す小さなフックくらいにはなるだろうか。

子どもも夫も、今日から学校、保育園、会社……と、それぞれの場所に出かけていった。わたし

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【春からはじまる冬眠日記 16】信じることは生きるみなもと

【春からはじまる冬眠日記 16】信じることは生きるみなもと

2020年5月27日ひさしぶりに取材。といっても、調整していたときはまだまだ先の見えない状況だったので、予定通りオンラインでお話をうかがう。

はじめましての方と画面越しで話すのは想像以上に緊張し、終わったあとは手がびっしょり、変な震えすらした。そもそもこの2ヶ月の間、家族以外の人と話す機会が少なすぎたのかもしれない。ふつうに話しているつもりでも、水面下ではバタ足しながらコミュニケーションの肌感覚

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【春からはじまる冬眠日記 15】冬眠から目覚める夜明け、覚書。

【春からはじまる冬眠日記 15】冬眠から目覚める夜明け、覚書。

2020年5月25日東京の緊急事態宣言も、ついに解除へ。発表されるとすぐ、学童や保育園からも預け入れ開始のメールが続々ときた。

学校も学童も保育園も、6月1日からようやく再開となる。娘の小学校はクラスを3つのグループに分け、3日に一度の分散登校からのスタート。3週間はそれで様子をみていくらしい。学習も復習や休校中の課題の見直しなど、新たに進めることはせずに、いわば慣らし登校に近い感じのよう。

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【春からはじまる冬眠日記 9】模様替えの効能

【春からはじまる冬眠日記 9】模様替えの効能

2020年5月3日今日も暑かった。
ここ数日ずっと話していたリビングの模様替え。壁付けだったソファを真ん中に移動し、ダイニングテーブルも90度回転してみる。

うちはテレビボードのような大きい家具がないので、この部屋に暮らしだして2年、模様替えはちょこちょこしているけれど、ダイニングテーブルの向きを変えるのは意外にも初めてだった。お客さんがたくさん来てもこのくらいの間隔があればいけそうだね、と夫と

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【春からはじまる冬眠日記 14】すこやかな自粛ライフ

【春からはじまる冬眠日記 14】すこやかな自粛ライフ

2020年5月24日朝から近くの土手で、縄跳びやブレイブボードの練習に付き合いながら、わたしも少しからだを動かしてリフレッシュ。長引く自粛生活で、世の中の大半が運動不足やダラけた生活になることを危惧している中、実はわたし自身は今の方が心身ともにすこやかだというと、驚かれるだろうか。怒られてしまうだろうか。

毎日、ダイニングテーブルすぐ隣のキッチンとトイレとの往復くらいで1日に50歩くらいしか歩か

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【春からはじまる冬眠日記13】給湯器と給付金

【春からはじまる冬眠日記13】給湯器と給付金

2020年5月22日「給湯器が壊れたかも……」という夫の言葉から始まった朝。慌てて給湯器リモコンを確認するも、電源すら入らない。「燃焼システムのエラー」というサインだけが点滅している。ここ1ヶ月ほど、ときおり不調を感じながらもだましだまし使っていたところに、いよいよ寿命がきたのかもしれない。給湯器の耐用年数は約10年だったっけ。もう4〜5年は過ぎている。

ひとまず朝すぐ東京ガスに電話を入れると、

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【春からはじまる冬眠日記 12】ポストに届いたホットケーキ

【春からはじまる冬眠日記 12】ポストに届いたホットケーキ

2020年5月19日ポストを開けると、分厚く、ずっしりと重いレターパックが入っていた。差出人は、関西に住む友人だ。

なにか本でも送ってくれたのかな、と開けてみたらホットケーキミックスが一袋。国産小麦にバターミルクをつかった、よつ葉のおいしいやつだ。子どもたちに宛てた手紙には、太陽の塔と通天閣のイラストとともに、「家族みんなでおいしいホットケーキを食べてね」と書かれていた。

子どもは大喜びで、娘

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【春からはじまる冬眠日記 11】トマトの苗をぶらさげて

【春からはじまる冬眠日記 11】トマトの苗をぶらさげて

2020年5月11日ここ数日、いろいろあったり考えたりした気がするけれど、案の定日記はサボり気味になってしまった。夫に、「あの日記全然面白くないよ、文章に勢いがない。昔のブログの方が面白かったよね」と言われ、ぐうの音もでない。

ひさしぶりの登校日。休校の延長にともない、終わった課題を提出し、新たな学習教材を受け取りに行く。登校日といっても子どもが行く必要はなく、親子で来ている人もいれば、親だけの

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【春からはじまる冬眠日記 10】理想の暮らしへ1マスすすむ

2020年5月6日理想の暮らしは自分の手でつくることができる。
そんなようなことを何度も書いてきたし、考えてきた。いわば暮らしの記事の常套句でもあるけれど、わたしも理想のくらしすごろくのコマを1マスすすめたぞ、という話。引っ越してきてから2年、いや前の家に住んでいた頃からの大きな課題だった、テレビ裏のケーブルをやっと整理したのだ。

テレビとDVDレコーダー、CDプレイヤーにアンプ、そして左右のス

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【春からはじまる冬眠日記 8】40歳、ピアノを習う

【春からはじまる冬眠日記 8】40歳、ピアノを習う

2020年5月2日夏のような陽気。
いつもより少しのんびりめにスタートした朝、もうすっかり日は高く、日課の散歩は暑そうだからとラジオ体操のみにする。いろんなバージョンがあるけれど、うちの定番はガチャピン&ムックのラジオ体操(YouTubeにあります)。からりとした風が気持ちよくて、午前中のほとんどを、ベランダで過ごした。

娘がピアノを教えてくれるというので、鍵盤を触る。小さい子の世話をし面倒をみ

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【春からはじまる冬眠日記 7】フルーチェと常夜鍋とクレヨンしんちゃん、ときどき股関節痛

【春からはじまる冬眠日記 7】フルーチェと常夜鍋とクレヨンしんちゃん、ときどき股関節痛

2020年4月29日バナナケーキを焼いた。いちご味のフルーチェを作り、牛乳に浸したビスケットと重ねて凍らせた。2時間の土手散歩、ときおりダッシュや階段のぼりおりを挟んでみた(股関節をやられた)。汗ばむような陽気だったのに、冷蔵庫の豚肉と大根とほうれん草と相談した結果、なぜか浮かんだのはみぞれをたっぷり入れた常夜鍋。心地よい疲労感の残るからだに、豚肉がしみわたっているのを思い浮かべながら食べた。

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【春からはじまる冬眠日記 6】山盛りいちごの行方

【春からはじまる冬眠日記 6】山盛りいちごの行方

2020/04/26

ジャム用の小粒いちごが底値になっているのを見過ごせず、たっぷりと持ち帰る。でもいちごジャムは、すでに今シーズン3回作ったし、空き瓶もあまりない。スムージーは先日やったし、いちごミルクも作った。ならばシロップか、それともストック用に凍らせておこうかと冷凍庫を開けたら、ひなまつりに使いそびれたスポンジケーキ台と目があった。(生活クラブのスポンジ、市販のものより、みっちりむっちり

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【春からはじまる冬眠日記 5】オンライン学習はじまる

【春からはじまる冬眠日記 5】オンライン学習はじまる

2020年4月21日

今週から、友人が提案してくれたzoomでのオンライン学習会にトライしている。朝、9時半くらいからスタートして、「今日は何の日?」から始まって、それにまつわる豆知識クイズ、ちょっとした体を動かすゲームや謎解き、みんなで折るポケモン折り紙などお楽しみを挟み、場があったまったところで集中タイム。宿題やドリルなど、めいめいの課題を30分がんばっている。

集まっている4名は小学校も

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【春からはじまる冬眠日記 4】フリーランスってコロナなの?

【春からはじまる冬眠日記 4】フリーランスってコロナなの?

2020年4月19日進めたい仕事があり、午前中は部屋にこもってパソコンに向かう。めっきり減ってしまったけれど、やるべきことがあるというのはありがたい。
ほとんどの仕事が延期や中止になっていて、3ヶ月後くらいの残高を想像するとゾッとする。きっと同じような思いの人が山ほどいるのだろう。ライターやカメラマンの友人らとメールを交わすたびに、みんな同じことを言っている。だからといって自分の不安が薄まるわけで

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