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【春からはじまる冬眠日記 15】冬眠から目覚める夜明け、覚書。

2020年5月25日

東京の緊急事態宣言も、ついに解除へ。発表されるとすぐ、学童や保育園からも預け入れ開始のメールが続々ときた。

学校も学童も保育園も、6月1日からようやく再開となる。娘の小学校はクラスを3つのグループに分け、3日に一度の分散登校からのスタート。3週間はそれで様子をみていくらしい。学習も復習や休校中の課題の見直しなど、新たに進めることはせずに、いわば慣らし登校に近い感じのよう。

自由に身動きが取れる日常が戻るのはうれしい反面、あのスピード感にまた身を置くような戻り方は、ちょっと怖い気もしている。まぁ平たくいうとあれです、夕飯から寝かしつけまでの時間が、またてんやわんやになるのか、という絶望感。これに尽きる。

夫と四六時中、顔をあわせる生活は、いいことづくめだった。

俵万智の歌、「『寒いね』と話しかければ『寒いね』と答える人のいるあたたかさ(サラダ記念日)」、じゃないけれど、普段ひとりで家にこもっているわたしにとって、「これおいしいね」「あ〜きょうだい喧嘩うるさいいいいい!」と言える相手がすぐそばにいるのは、どれだけあたたかく、心強いことか。

夫と朝から晩まで一緒に過ごし、かつ自由に外に出られない軟禁生活というと、思い出すのが産後の一ヶ月だ。2人目の出産は里帰りをしないかわりに、夫が1ヶ月半の育休をとってくれたのだった。あのとき、こんなにひとつ屋根の下でべったり過ごすのは次は老後だね、なんて話していたけれど、まさかこんな世の中になろうとは。

自粛期間の2ヶ月は、子育て(おもに2歳児のやっかいさと、小学生の学習状況)をシェアできた貴重な機会だったし、そう思うとわたしたち家族はぐんと強固に、より明るい方へ歩いているのではと感じている。

家事や育児のシェア意識が少しずつ浸透してきた今、物理的なシェアも大事だけれど、本当に大切なのは心理的なシェアだろう。そして家族とはいえ、お互いをわかりあうのに必要なのは知識(経験)と想像力だと思うから、「知る」をみっちり体験できたこの期間をわたしたちは決して無駄にしちゃいけない。家族の「新しい生活様式」がスタートする予感がしている。

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