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蛸文(たこふみ)の読書記録

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僕の読書記録です。月に3〜4冊ぐらいのペースで更新してます。
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2024年1月の記事一覧

【逆説論理学】「論理」の限界

【逆説論理学】「論理」の限界

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆☆

〜「詭弁論理学」の姉妹編〜以前読んで非常に面白かった「詭弁論理学」の姉妹編である本書。
「詭弁論理学」と同じく非常に面白くためになった一冊であった。

本書は自然世界、数学、言語など様々な世界での逆説(パラドックス)を紹介して、それらについてキチンと考察するものである。
例えば、有名な「アキレスと亀」。
一定の距離離れた亀をアキレスが追いかける場面で、亀とア

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【なるほど高校数学 数列の物語】数列、なめてたぜ

【なるほど高校数学 数列の物語】数列、なめてたぜ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

「なるほど高校数学 ベクトルの物語」に引き続き、最近気になって読み始めている「なるほど高校数学」シリーズ。本書のテーマは数列である。

数列と言えば、学生の時の試験においては「初項a、公差rの等比数列を求めよ」とか、「等比数列の1からnの和を求めよ」とか、そんな問題が出てたような気がする。
数学全体としても地味な位置にあり、ほとんどの人がそんなものがあったこと

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【もし僕らのことばがウィスキーであったなら】現地でアイリッシュウイスキーを飲みたくなる

【もし僕らのことばがウィスキーであったなら】現地でアイリッシュウイスキーを飲みたくなる

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜僕の中の村上春樹について〜さて、村上春樹は学生時代にいくつか読んだ。と言っても、内容はほとんど覚えていない。
読んでいる間はその気取った文章を追って幸福を感じていたし、寝食も忘れて夢中になって読んでいたのだが、読み終わるといつも僕の中に何にも残らないことに気づく。

いつしか「村上春樹は時間の無駄だ」と僕自身も気取ったようなことを言い始め、読むのをやめた。

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【統計学をめぐる散歩道】ビジネスじゃない視点から見る統計学入門

【統計学をめぐる散歩道】ビジネスじゃない視点から見る統計学入門

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜統計学の純粋な面白さを〜本書はいわゆる「統計学の入門書」である。しかし、著者は本書を「統計学の案内書」と表現しており、「統計学ってこういうものですよ」という内容の一冊である。数式なんかも飾り程度に出てくるだけで、「統計学って何やってるんだ?」に答える一冊である。

現在進行形で統計学を勉強中の人にとっては、「今さら入門書か…」と思うかもしれないが、働き出してか

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【中学の知識でオイラーの公式がわかる】うーむ、これではわからないと思う…。

【中学の知識でオイラーの公式がわかる】うーむ、これではわからないと思う…。

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆

〜劣化版「オイラーの贈物」〜タイトルを見て「マジで!?」と思った。
以前、「書評が書けなかった本たち」という記事で「オイラーの贈物」という本を読んで、「キチンと全部理解できなかった」という感想を書いたのだが、まさか、それよりももっと簡単にオイラー公式を解説するという本に出会えるとは思わなかった。しかも、「オイラーの贈物」よりもかなり薄いのである。

まぁ、薄い本で

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