マガジンのカバー画像

読書感想文

55
私、タケノコが書いた読書感想文など本についてのあれこれをまとめました。
運営しているクリエイター

2023年11月の記事一覧

保健室からの手紙 読書感想文

保健室からの手紙 読書感想文

保健室からの手紙〜養護教諭という生き方〜(著:Mako、出版:クラシノオト、2023)

島根県出雲市の発酵文化研究所さんが立ち上げた出版社クラシノオトから一冊の本が届きました。

Makoさんという元養護教諭の方が書いたエッセイです。

本の題名は、『保健室からの手紙〜養護教諭という生き方〜』。

この本は、Makoさんが2023年3月に34年の養護教諭の職を辞したところから始まります。

この

もっとみる
(実験)うろ覚え読書感想文: だれでも詩人になれる本

(実験)うろ覚え読書感想文: だれでも詩人になれる本

うろ覚え読書感想文という実験。

やなせたかし著:『だれでも詩人になれる本』

(出版年、出版社ともに失念)

えーっと、たしかこの本に書いてあったことは……。

売れる詩人になろうとするな

だった。はず。

理由?

……忘れてしまった。

けれど、売れる詩人になりたい人はこの本を読まないでくださいと書いてあったことは覚えている。

いわゆるエライとされている詩人は大概不幸な道を行って若くして

もっとみる
武満徹著作集1(著:武満徹)読書感想文②

武満徹著作集1(著:武満徹)読書感想文②

武満徹著作集1 所収『樹の鏡、草原の鏡』感想文

(武満徹著作集1には『音、沈黙と測りあえるほどに』と『樹の鏡、草原の鏡』の二つの著書が所収されている。今回は②と題して『樹の鏡、草原の鏡』の感想文を書いてみたいと思う)

ちなみに① 『音、沈黙と測りあえるほどに』の感想はこちら、

一見すごく美しい文章に思えるかもしれないけれど、実はこの文は武満さんの焦燥と苛立ちからきているものなのだ。

武満さ

もっとみる
ジョン・ケージ 作曲家の告白(著:ジョン・ケージ、訳:大西穣) 読書感想文

ジョン・ケージ 作曲家の告白(著:ジョン・ケージ、訳:大西穣) 読書感想文

『4分33秒』とは、コンサートホールで演奏され、演奏家が空白の譜面を見ながら主体的に音を発することなく、聴衆は、環境音をメインとした様々な音を聴くという曲である。要はホールで4分33秒間皆が黙るという曲である。

この本はそんな『4分33秒』という20世紀を代表する前衛音楽を作った、現代音楽作曲家ジョン・ケージが自身の音楽遍歴を語った二つの講演を収録している。一つ目は1948年の「作曲家の告白」、

もっとみる
武満徹著作集1(著:武満徹)読書感想文①

武満徹著作集1(著:武満徹)読書感想文①

武満徹著作集1 所収『音、沈黙と測りあえるほどに』感想文

(武満徹著作集1には『音、沈黙と測りあえるほどに』と『樹の鏡、草原の鏡』の二つの著書が所収されている。今回は①と題して『音、沈黙と測りあえるほどに』の感想文を書いてみたいと思う)

武満徹さんは音楽家である。
そして論理的であり知識に富んだ詩人だとも思う。
どの文章を読んでいてもポエジーを感じる。

例えば、『音、沈黙と測りあえるほどに』

もっとみる
Wave 26 特集:タルコフスキー 読書感想文

Wave 26 特集:タルコフスキー 読書感想文

映画監督のアンドレイ・タルコフスキー(1932-1986)自身と関係者の発言と論者たちによる論考などで構成された一冊である。

恥ずかしながら、自分はまだタルコフスキーの映画を全部は観れていない。

坂本龍一の『坂本図書』という本の中でタルコフスキーについて紹介されている箇所があり、彼の映画『鏡』を初めて観、他の映画も観返して、残念ながら『坂本図書』で紹介されていたタルコフスキーの著書『Sculp

もっとみる