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タイ以外マガジン

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タイ以外の話をここに。
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C56型蒸気機関車、汽笛鳴る

C56型蒸気機関車、汽笛鳴る

 9月23日、靖国神社にある博物館「遊就館」入り口に展示されている、静態保存の日本製蒸気機関車C56型の汽笛が鳴った。この汽笛が鳴ったのは実に40年ぶりだ。

 この日、汽笛吹鳴が行われたのは、第2次世界大戦時に旧日本軍によってタイとビルマ(現ミャンマー)間に建設された泰緬鉄道を最初に走った蒸気機関車、C56型の31号機だ。戦後、研究家によって発見されたこの機関車が昭和54年に日本に帰還し、靖国神

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日本にあってタイにないもの【街中で見かける車種編】

日本にあってタイにないもの【街中で見かける車種編】

 たぶんドイツに行けば、日本で見かけないラインナップがあるんだろう。日本にいるとタイで見かけない車種があって、やっぱり車を生産できる国っていうのはおもしろいなと思う。

 タイは車に関しては大きなブランドはない。バスやトラックなどにシャシーもボディもオリジナルがあるにはある。自社でエンジンを開発できるメーカーはなく、エンジンを入手できれば車を造る技術はあるということになる。

 バイクに関してはタ

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タイ人はそばが好きではない?

タイ人はそばが好きではない?

 バンコクでそばを売りにした店はたぶん片手で数えられるくらいしかないと思う。日本人のそば好きはバンコクにも多いはずだが、ここではいまいち流行っていない。実際、和食ブームの中でこれだけの数しかないのは、和食好きだというタイ人にでさえ振り向いてくれない料理なのではないか。タイ人で好きな料理にそばを挙げる人を聞いたことがない。タイ人にとってはそばはいまいちなのでしょうか。

 思い返してみると、何年か前

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竹ノ塚駅を「最果ての僻地」なんて言われたけど蒲田駅だって似たようなもんって思ってたら全然違った

竹ノ塚駅を「最果ての僻地」なんて言われたけど蒲田駅だって似たようなもんって思ってたら全然違った

 ボクは荒川区生まれの足立区育ちだ。何回か引っ越しして、3歳くらいから最寄り駅が東武伊勢崎線(今はスカイツリー線なのかな)の竹ノ塚駅になった(本当の最寄りは谷塚駅だけど)。高校生くらいまでは普通に竹ノ塚で遊んでいたし、子どものころなんかは特に都会に感じたものだ。

 ところが、この10年くらいでだいぶ様子が変わり、踏切の辺りはフィリピン・パブの集合地帯になっていた。まるでバンコクのタニヤ通りのよう

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早く自由に海外旅行ができますように

早く自由に海外旅行ができますように

 コロナは治まりそうになると、またドカンと発生して。なかなか平常時には戻らないもんだ。タイも国内ではだいぶ押さえ込んできたってのも、もう以前の話。去年の終わりくらいからまた国内感染が出まくり、ついには在タイ日本大使館の大使まで感染してしまった。

 3月末に発生した、大使も感染したクラスターは、バンコクの高級バーでのことで、大使だけでなくほかにも外国人も感染しているのではないかな。タイ人も富裕層を

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子どものころに謎の音が聞こえた靖国通りのある場所

子どものころに謎の音が聞こえた靖国通りのある場所

 先日、大阪のイベントで「亜細亜熱帯怪談」(晶文社)を手売りするため、出版社に書籍を引き取りに行った。神田の本屋街にあるのだが、ふと子どものころにこの近辺で超音波というのか、信号音なのか、謎の音が聞こえ、つらかったことを思い出した。

 この靖国通りと、お茶の水の駅に向かう通りの交差点はボクにとって思い出深い場所だ。三省堂には子どものころからいつも出入りして、本に特に夢中だった時期はここで抱えるほ

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これがタイにあったら流行るのでは? 「杏仁豆腐は飲みものです」

これがタイにあったら流行るのでは? 「杏仁豆腐は飲みものです」

 どの国でも中華料理店に行くとたまにデザートに杏仁豆腐があるよね。タイのセブンイレブンのカップ形のスイーツにも杏仁豆腐があるし、タイの伝統菓子の中には寒天のような杏仁豆腐のようなものも見かけたりする。

 記憶が正しければ、ボクは日本の紅虎餃子房の杏仁豆腐がおいしいと思う。杏仁豆腐って店によってはそれこそゼリーというか寒天のような、固いものが少なくない。しかし、この紅虎のものはヨーグルトのようなク

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煮干しラーメンに出会った

煮干しラーメンに出会った

 バンコクは日本の大都市にも劣らないラーメン激戦区になっていて、日本の有名店の進出によって、案外いい店が多いと思う。

 ただ、値段がどんどん高くなっていて、以前のように気軽に行けるような店も少ないのは残念だ。かつては100バーツ台というのが主流だったが、今や300バーツ前後も驚くほどの値段ではない。日本のラーメン相場と同じくらいの金額になる。当時はまずいとはいえ、100バーツの時代を知る者として

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大阪は神社がきれいだと思う

大阪は神社がきれいだと思う

 タイ語で神社はサーン・ジャオという。直訳すると神の祠とか廟とかそんな意味合いになるのかな。日本のように神仏分離がされているわけではないので、神社という概念が日本とは大きく違う。逆に言えば、日本の神社は日本独特のものであると思う。

 本殿の建て替えや場所の移転・移築をした神社もあるし、歴史そのものが本当なのかもわからない可能性はあるとはいえ、数十年とかではなく、1000年も前からそこにあって、今

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たこ焼きは小さいに限る

たこ焼きは小さいに限る

 大阪でたこ焼きの元祖という店に行った。

 タイには2000年代初頭にはすでにたこ焼きを売る店はあった。しかし、そのころはタコが一般的には食されていなかったから市場にはあまり出回ってなくて、イカやカニカマが代用されていた。実際、今でもタコが入っていないたこ焼きをよく見かける。

 和食ブームが始まってからはタコの入ったたこ焼きもタイで見るようになったものの、居酒屋などの大半が冷凍ものだし、屋台も

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誰もやっていないところを見ると難しいのかな【ミャンマーで石を仕入れて売る】

誰もやっていないところを見ると難しいのかな【ミャンマーで石を仕入れて売る】

 先日ミャンマーの記事を書く際にネピドーの写真がフォルダにあったので使ったのだが、ほかにもすっかり忘れていたことがあった。ミャンマーは宝石類の産出国で、ルビーの産出量はかなり多いという。ほかにもサファイヤ、翡翠、それからペリドット、ラピスラズリ、ガーネットなどが出てくるそうだ。

 そんなミャンマーの首都ネピドーや、かつての首都ヤンゴンには宝石センターみたいなのがあって、そこで安く宝石を仕入れるこ

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ミャンマーの逆行ぶりがすごいと思う

ミャンマーの逆行ぶりがすごいと思う

 タイとミャンマーはこの時代においても政治的に不安定で、将来的に長く安心して暮らすには厳しいかもしれないと思えてしまう。トップが変わるとすべてが覆されるので、先が見えないというか。

 タイも現在の不安定な状態は2006年から続いているので、近代のゴタゴタした中ではわりと長引いている方だ。とはいえ、それ以前70年代、あるいは戦後からずっと似たような状態で、なにか問題があればクーデターが起きたり、市

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日本にあってタイにないもの【肉編】

日本にあってタイにないもの【肉編】

 当然ながら肉はタイにもあるし、ジビエはないにしても、ワニとかカンガルーとかがあるので、肉の種類は日本と大して変わらない。なんなら、よく食べられている豚肉や鶏肉そのものは日本よりもいいものである気がする。しかし、やっぱり日本で食べた方が肉はおいしい。たぶん、切り方とか管理が違うのではないかなと思う。

 ボクにとってのタイ最初の肉の思い出は、カオサン通りの屋台で売っていたヤキトリだ。ガイヤーンとい

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やっぱり20年も経つと街が変わる

やっぱり20年も経つと街が変わる

 タイは日本よりも建築に関する基準などが違うからか、異様に早く建物が建ったり、店がオープンする。道を歩いていて、昼前になにか造っていた場所に看板が掲げられて、ああ店ができるのか、と思っていたら、夕方には開業していることもよくある。

 日本はその点では始まるまでが遅い。日本のビジネスにスピード感がないと言われることのひとつのような気がする。でも、さすがに20年近くも経つと、街の様子は大きく変わる。

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