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日本にあってタイにないもの【街中で見かける車種編】

 たぶんドイツに行けば、日本で見かけないラインナップがあるんだろう。日本にいるとタイで見かけない車種があって、やっぱり車を生産できる国っていうのはおもしろいなと思う。

 タイは車に関しては大きなブランドはない。バスやトラックなどにシャシーもボディもオリジナルがあるにはある。自社でエンジンを開発できるメーカーはなく、エンジンを入手できれば車を造る技術はあるということになる。

 バイクに関してはタイのオリジナルブランドはある。少なくとも2社はあるはず。一時期はタイの白バイのほとんどがタイガーというメーカーになったこともあった。聞いた話では、日本のバイクメーカーの工場が移転し、そこに残された設備を使い、タイ人技術者が新ブランドとしてタイガーを立ち上げたとか。

 でも技術ってのはすごいもので、同じラインで造っても、日本の技術がないと同じ品質のバイクはできないようだ。結局、タイガーは白バイ以外で乗っている人を見たことがない。そう考えると、日本の車を造る技術力というのはなかなかに高いのだ。

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 タイは不思議と左ハンドルがない。たまに見かけるが、ほとんど出回っていない。見かけるとしたら軍用車くらいではないか。法令で左ハンドルがだめなのかどうかよくわからない。ただ、タイは車の税金がスポーツカーなどの娯楽に近づくほど高くなる傾向にあるので、左ハンドルは実用性がないゆえに遊びの車と判断されるのかも。

 それから、タイに日本や欧米の車メーカーのラインナップが少ないのは、現実的に購買層が厚くないからというのもあるかと思う。そもそも車やバイクがタイでは日本よりも高い。

 近年こそみんなローンで買うようになっている。審査に通る人が多くなったわけだけれども、それほど金持ちは多くないので、いまだ中古車市場の需要も高くて、かつわりと高値で売買される。タイは車はひとつのステータスシンボルでもあるので、高い値段設定でも誰も文句を言わないというのもあろう。だから、客層は結果的には限られるというか絞り込むことができるので、あらゆる車種を用意して客を待つより、ニーズをマーケティングして取り揃えた方が効率がいいのかもしれない。

 一方で、最近はマスタングや日産GTRも正規販売が始まっている。ホンダ・シビックのスポーツカーみたいなタイプも出ている。だいぶタイも選べる車種が増えてきて、車好きにはおもしろくなりつつある。

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 実用性のある車の方も日本国内のラインナップはタイと全然違う。タイの場合、一般の人にはピックアップトラックが主流で、商業用には普通のトラックやダンプカーといったところか。

 あとはバンもあるが、タイのワンボックスは長距離バスの代用になっているなど、荷物よりも人を運ぶタイプが多い気がする。最近はハイエースもモデルチェンジしてだいぶ大きくなった。よりバスに近づいてきた感がある。

 日本で走っているといろいろな商用車があるが、ボクの中で最も目を引くのは、運転席の部分は中型のトラックなのに、後部はハイエースなどのワンボックスになっているタイプ。あのタイプはタイにはまったくないので、見かけるとついまじまじと視線を送ってしまう。

 あと、大型トラックのうち、方向転換をする前輪の車軸が2つあるタイプもタイにはない。タイはたとえば、トレーラーを引っ張る大型の車は前輪の車軸はひとつ、牽引車と連結する側に二重になったタイヤがつく車軸が2本。もちろんこの前輪車軸1本タイプも日本には多いが、前輪2軸も日本は少なくない。

 交差点で前の2輪が左に右に傾いているのを見ると、タイにはない光景だなといつも観察してしまう。でも、運転中にしか見ていないので、写真を撮りたくてもいつも撮ることができないでいる。

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