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タイ人はそばが好きではない?

 バンコクでそばを売りにした店はたぶん片手で数えられるくらいしかないと思う。日本人のそば好きはバンコクにも多いはずだが、ここではいまいち流行っていない。実際、和食ブームの中でこれだけの数しかないのは、和食好きだというタイ人にでさえ振り向いてくれない料理なのではないか。タイ人で好きな料理にそばを挙げる人を聞いたことがない。タイ人にとってはそばはいまいちなのでしょうか。

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 思い返してみると、何年か前に家族で日本を訪れた際に深大寺に行っている。祖父母の墓が調布にあるので、その帰りに寄ったのだ。ボク自身、それほどそばが好きというわけではない。特に温かいそばはコシがなくておいしいと思ったことすらない。だから、まったく知らなかったのだが、深大寺そばは有名なのだそうで。

 ネットで調べてみると1700年代の頭には深大寺そばは有名だったようで、この近辺は米作に向かない土地だったためそば粉が作られ、近隣の農民らにそば粉を献上された深大寺がそばを打って来客をもてなしたのが始まりだとか。

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 徳川家も食べたという深大寺そばは今も郷土料理的な人気があるようで。深大寺は確かに観光地としても人気で、参道にもたくさんの人がいた。そして、そば屋も結構な数が参道に並んで営業していたと記憶している。

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 ただ、そばを食べた妻や子どもたちにはやっぱりまったく響かなかった。その後家族から「そば」という単語を一度も聞いていない。まずくはないけれども、思い出に残るほどでもなかったに違いない。

 まあ、そういってしまうとボクもそうだし。たまたま思い出して、深大寺の画像がファイルから見つかるまでここでそばを食べたことを思い出しもしなかった。

 タイ人は食に関しては日本人と真逆で、新しい味を受け入れるまでに時間がかかる。

 タイの麺類といえば、国民食ともいわれるタイの米粉麺クイッティアオだ。原型は中華なのだが、いつタイに来たのかという歴史は定かではなく、アユタヤ王朝時代に入ってきた説と、ドンブリ王朝もしくはチャクリ王朝で流入してきた潮州系の移民が持ち込んだ説がある。

 いずれにしても、クイッティアオが国民食レベルになったのは、戦時中のことだ。当時の首相のピブンソンクラーム元帥が古米を処理するのにクイッティアオ食を進めたからだ。

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 麺類に対しては実はそんなに興味がないであろうタイ人が、タイにはないそば粉の麺を好まないのは考えれば納得がいく。それでもこれだけ和食ブームなのだから、そば好きが出てきてもいいのだが、全然聞いたこともない。バンコクのそば専門店もタイ人客は少ない印象だ。

 それよりは和菓子とかそういったものの方がわかりやすいのかもしれない。上の画像のような屋台的な感じもタイに似ているし、和菓子もわりとタイの伝統菓子と通じる部分が少しだがあったりする。

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 そういえば深大寺の参道に鬼太郎のオブジェが多数あった。ゲゲゲの鬼太郎の舞台になったのかと思えば、水木しげるの故郷だとか。でも、以前全然ゆかりがないのに鳥取の境港市の記事を書いたことがあって、そのときに水木しげるの故郷って聞いた気がするんだけど。

 改めて調べてみると、水木しげるは大阪出身で、境港で育ち、昭和34年ごろから調布市に住んでいたのだと。調布の名誉市民ということで、このように鬼太郎が飾られているみたい。

 深大寺は浅草の浅草寺に次ぐ歴史の長さなのだとか。西東京のパワースポットのひとつとも言われているそうで。今度改めてそば、食べてみようかな。こうやってそばの話をすると食べたくなるね。

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