〜第1回 チキチキ J2順位予想&ざっくり戦力分析2022〜
さあ、J1に引き続きまして、J2の順位予想もやっていきます。
昨シーズンは一番の推しクラブであるジュビロ磐田が見事にJ2優勝を成し遂げ、J2から卒業しました。なので、今年はちょっと楽な気持ちで見ることができるかな。それでも、もう一つの推しの長崎が残っているので頑張って応援したいです。
J2で戦ったことで他クラブにも詳しくなりましたし、さらなる魅力とこのカテゴリーへの愛着(落ちたくはないけど)も増しました。そんなことも感じた上でやっていきたいと思います。
J2編でもあえて言います。
保険をかけるわけではないですが、私は常々言っております。
順位予想は外すためにある
と。
近年、そして今年のJ2に思うこと
順位予想の前に、近年のJ2について。
毎年本当にレベルが上がっていると感じます。よく「魔境」なんて言われますが、その魔境っぷりも年々上がりっぱなし。少々きつい言い方であれですが、もうJ2が格下なんて考えてる人は相当出遅れた古い考えであるぐらいには思ってほしい。
昇格クラブに共通していることのイメージだと思うのは、
・違いや強烈な個を持つ外国人選手の存在
・経験の浅い若手選手が、一気にレギュラーに定着する
・どんなに内容が悪くても勝ち点3を手にする、試合終盤の劇的展開が多い
の3つは大きいかなと思う。昨シーズン昇格した磐田と京都はこれをすべて満たしていました。シーズンに入ってからこれが全て達成できているか?は注目ポイントにしてほしい。
そしてそして。今年は何と言っても昇格プレーオフの復活が大きい。自動昇格を目指すクラブ。最低限6位までのプレーオフ圏内には入りたいクラブ。目標は様々だと思いますが、昨シーズンまでは2位以上でないと昇格はできなかったが、チャンスが広がったと捉えるクラブも多くなる。
幾多の波乱を巻き起こしてきたプレーオフ。過去の相性的にプレーオフに出たくない、絶対に自動昇格がいいと考えるクラブもいるでしょうし、11月以降まで緊張感のある戦いが続くだろう。
さらに今年はW杯の影響でシーズンは前倒しとなり、J2はJ1以上にほぼノンストップ。水曜の試合も増え、連戦、過密日程も多くなる。2020年のコロナ中断後のようなハードスケジュールを耐え抜く層の厚さを保つクラブが昇格に近づきそう。
順位予想・分析・各クラブ注目選手
J1編同様、基本は各クラブごとに順位予想とざっくりとした分析と注目選手(顔写真)を載せていきます。
優勝・自動昇格候補
まず、優勝に最も近いのは、2年連続であと一歩だった悔しさをバネに若手・助っ人・ベテランが融合する最高の戦力を整えたと言える長崎だろう。SBとしてアシストでも多く貢献した毎熊晟矢こそC大阪に抜かれたものの、奥井諒(清水)、高橋峻希(柏)と的確なSBを本職とする選手を獲得。CBにも成長著しい村松航太を北九州から獲得し、昨シーズン飛躍を遂げた江川湧清との若いCBコンビは伸びしろ十分。
そして何より、柏の王様として君臨し続けたクリスティアーノの獲得は今季J2で最大のビッグディールだろう。2019年に柏の圧倒的なJ2制覇をオルンガとともに牽引したことも記憶に新しい。長崎としてもJ1時代から苦しめられた選手が味方についた。松田浩監督としては戦術的にも、クリスティアーノが一番最初に加入したJリーグクラブは栃木で、その時の監督は松田監督だったため、フィットにも時間はかからなそう。
それに続きそうなのは大分。J2降格後に準優勝まで上り詰めた天皇杯は感動を呼んだ。監督こそ交代したものの、高木駿、下田北斗など天皇杯でも活躍した主力が軒並み残留。毎年主力を引き抜かれてきたクラブとしてはこれ以上ない充実したオフとなった。
さらに、来日時期こそ未定だが川崎、名古屋で実績を残したエドゥアルド・ネットの加入が決定。J2では規格外の力強さを誇る助っ人は大きなプラス。
新監督は下平隆宏監督。G大阪に移り、クラブから愛された片野坂知宏の後任の荷は重いが、思考するサッカーは似ており、2019年の横浜FCでは途中就任から2位で自動昇格とJ2の実績も申し分ない。柏ではユース、トップチーム含めて若手の育成にも長けており、適任と言えるだろう。
同じく降格組で強そうなのは横浜FC。サウロ・ミネイロや、ブローダーセンなど昨シーズン、不振の時期に緊急補強して当たった助っ人外国人が軒並み残留し、J2では規格外の戦力をキープした。
もちろん、日本人選手の補強も充実。両SBをこなせる亀川諒史を長崎から、同じくSBにはテクニックのある中村拓海(FC東京)も獲得。さらに瀬古樹(川崎)、松尾佑介(浦和)といった移籍流出組の穴埋めも、和田拓也(横浜FM)、長谷川竜也(川崎)といった強力な選手を揃えた。特に長谷川は新加入ながら主将の重責も担う。怪我には苦しんだここ数年間だが実力は十分にJ2なら反則級だ。
前線には磐田から小川航基を完全移籍で獲得。東京五輪のエース候補と言われながらも失速してしまった磐田時代の屈辱を晴らすため、地元神奈川に帰還し復活を目指す。
新監督は札幌を2016年にJ2優勝に導き、その後ペトロヴィッチ監督につなぐまでの札幌のJ1定着の足がかりを作り、ヘッドコーチも務めた四方田修平監督が就任。ミシャのようなテンポの良い攻撃サッカーを見せられるか。
山形も面白い存在だ。昨シーズンは出だしで監督交代と躓くも、途中就任したピーター・クラモフスキー監督のもとで見事なV字回復。魅力ある攻撃を見せた。ヴィニシウス・アラウージョ(町田)、中原輝(C大阪)の流出はあったものの、攻撃の中心・山田康太が決意の完全移籍は大きい。その他の戦力補強でも、ドリブルに長けた河合秀人(松本)、徳島のパスサッカーを支えた小西雄大、不振だった愛媛でも得点を量産した藤本佳希など、J2の実力派が名を連ねた。アタッキングフットボールの成熟度が早ければ、十分に昇格争いに絡んでくるだろう。
プレーオフ・上位争い有力候補
町田はポポヴィッチ監督のもと、昨シーズンは大躍進を遂げた。コンビネーションで崩してのゴールも多く見られ、チームとしての成熟度も高い。3年目の今シーズンはスタジアム・クラブハウスも全て整備され、環境面も含めて本気で昇格を狙いに来ているのがわかる。
キーマンはボランチコンビの佐野海舟・高江麗央がチームの心臓部となる。そこに青森山田で全国制覇を成し遂げた宇野禅斗が加入。この二人に割って入ることができるか注目。昨シーズンレンタルで加入し攻撃の中心を担った吉尾海夏こそレンタル満了で横浜FMに去ったが、多くの主力も残留。攻撃の新加入組では2020年に水戸で15ゴールと爆発した山口一真の起用法と復活にも期待。
2009年以来のJ2を戦う仙台は、全体的に限られた予算の中で的確に穴を埋めた印象だ。ヤクブ・スウォビィク、アピアタウィア久、関口訓充といった主力は去ったものの、鹿島から個人初の移籍となる地元出身の遠藤康、長崎時代に原崎監督(当時はコーチ)の元でプレーした名倉巧をレンタルで獲得。合流時期こそ遅れるもののC大阪でのプレー経験もあるレアンドロ・デサバトも獲得。リンクマンとしての期待がかかる。
昨シーズンJ1で最少得点となった課題の前線には水戸でキャプテンも務め、2年連続で2桁ゴールを挙げた中山仁斗の加入が大きい。
さらには、クラブのレジェンド梁勇基が3年ぶりに復帰。熟練の技と精神的支柱としてももたらすものは大きそうだ。
甲府は躍進を支えた伊藤彰監督が磐田へ去り、吉田達磨監督が2018年以来の復帰。基本ベースは変えず、若手育成に長けた監督のもとで、昨シーズン新星が次々と現れたチームのさらなるレベルアップを目指し、層を厚くしたいところだ。
新加入の注目はルーキー、飯島陸(法政大)である。高校時代に前橋育英で選手権を賑わせた男がプロでどれだけやれるのか。2シャドーの位置が予想されるが、長谷川元希のブレイクはあったものの昨シーズンは泉澤仁(大宮へ移籍)の負傷離脱後はなかなか長谷川の相棒は固定できなかった。そのポジションを奪いにかかる。
新潟はアルベルト監督がFC東京へ。後任は松橋力蔵監督がヘッドコーチからの昇格となった。監督は初挑戦となるが、横浜FMでは2019年の攻撃サッカーでの優勝をコーチとして経験しており、前任の攻撃サッカーを受け継ぐには適任だろう。
戦力的にも前任の後を追って移籍する選手が多いと予想されたが、ほぼ残留したのは大きい。本間至恩、高木善朗といった昨シーズンの序盤戦の躍進を支えた攻撃的MFにさらに加わったのは伊藤涼太郎(浦和、水戸への期限付きを経由しての完全移籍)。強烈なシュートとテクニックを兼ね備える男は、さらなる強力な攻撃サッカーを構築するキーマンとなる。
ここ数年は序盤好調→終盤失速の流れのサイクルとなってしまったが、年間通しての安定感を手に入れて久々のJ1を掴みたい。
注目クラブ
注目クラブには昨シーズンの終盤、長めの無敗記録を作り出した2クラブを推したい。
まずは千葉。J2に染まること今年で13年目となってしまったが、ここ数年にないポジティブな空気が流れる。昨シーズンは13戦負け無しでフィニッシュ。3年目となるユン・ジョンファン監督の手堅い守備と走力を武器とした戦術は浸透しつつあるだけに、その調子の良さを継続するためのスタートダッシュは絶対条件となる。
さらに昨シーズン、14ゴール・5アシストと大ブレイクを果たした見木友哉を始め、終盤戦の快進撃を支えた主力選手がほぼ残留したことも大きい。新戦力では長年天敵として千葉を苦しめてきた風間宏矢が琉球から加入。先のちばぎんカップでも攻撃陣の新たなアクセントとなり順調にフィットしていることが感じられた。C大阪から加入した高木俊幸も控える2シャドーは、見木含めて激戦区となりそうだ。
課題は得点力。1トップのポジションには昨シーズン、ユース出身の櫻川ソロモンが強靭なフィジカルを武器に定着しつつある。しかし得点数は4点と物足りなかった。控えには昨シーズン怪我で出場がなかった川又堅碁が復活を狙い、ユースから櫻川の後輩で同じくポストプレーを得意とする佐久間太一も昇格した。残留となったテクニシャンのサウダーニャも含め、1トップに定着した選手の得点力が昇格に近づけることになるだろう。
もう一つは岡山。 最終節に千葉に敗れたが、そこまでは12戦負けなし。失点数36は昇格した京都に次ぐ2位と堅守が光った。
その躍進を支えた選手は多く抜け、有馬賢二監督も広島のコーチに就任した。それでも注目クラブに挙げたのは、その穴を埋めるべく獲得したかつてない補強の本気度にある。
新監督は水戸、千葉、愛媛、山形とJ2経験のある木山隆之監督が就任。昇格経験こそないが、常に上位に導いてきたJ2を知り尽くす監督を迎えたことは大きい。未だJ1未体験クラブの岡山で自身も初の昇格を成し遂げることができるか。
堅守を支えたディフェンス陣には、スーパーセーブを連発した梅田透吾が清水からのレンタル延長と、井上黎生人(京都)の穴には栃木から柳育崇、京都の昇格にも貢献したヨルディ・バイスの攻守に貢献できるCBコンビを揃え、堅守はまだまだ続きそうな強さがある。
パウリーニョ(松本)、石毛秀樹(G大阪)、白井永地(徳島)を失った中盤にやってきたのは河井陽介。10年プレーした地元清水を離れてはじめての移籍で、錆びつかないテクニックとパスセンスを見せられるか。
得点源となっていた上門知樹(C大阪)の穴には、パワフルな左足が武器のチアゴ・アウベスをG大阪から獲得。波があるのと怪我がちなのが難だが、フィットすれば違いをもたらせる存在になれる。現役オーストラリア代表で献身性とヘディングが武器のミッチェル・デュークとの元清水コンビにも期待だ。
中位予想クラブ
徳島は監督こそ続投になったものの、2020年のJ2優勝、2021年のJ1を支えた主力が多く抜け、J1からの降格組では最も戦力ダウンしてしまった印象。中でも心臓部だった岩尾憲(浦和へレンタル)の移籍は大きな穴だ。そのポジションに入りそうなのは岡山でも欠かせない存在だった白井永地。豊富な運動量とつなぎ役として貢献したい。残留組ではナンバー10・渡井理己とサイドアタッカー・西谷和希はなんとか残した。J1でも存在感を見せた2人に牽引役を期待。そしてこのパスサッカーに選手権で魅力的なサッカーを見せつけた静岡学園のボランチ・玄理吾が加入。新生徳島の新たな中盤の戦力となれるか。
水戸は選手のイン&アウトが激しく、半数以上が入れ替わった。それでも加入組は期待の若手や実力者を、特に攻撃面で揃えた。昨シーズン新参者としてJ3で大きなインパクトを残した宮崎で9ゴールを決めた梅田魁人、Jリーグ史上最年少ハットトリック記録保持者の唐山翔自(G大阪、レンタル先の愛媛から)、山口で2年連続でチーム得点王となった高井和馬らを獲得し、目指す攻撃サッカーにフィットする選手を獲得。
さらにはプレシーズンマッチでの「茨城ダービー」ではじめて鹿島に勝利したことも、プレシーズンとはいえ大きな弾みをつけてくれそうだ。決勝ゴールを決めたのは、ドイツをはじめ欧州4カ国を渡り歩き、昨シーズン浦和に加入して今季はレンタルで水戸にやってきた木下康介。190cmの大型逆輸入FWを活かす作戦も面白そう。
そして個人的に注目しているのは昨シーズン加入して欠かせない存在となり、今季はキャプテンに就任した新里涼。長崎で眠っていたパスセンスとマスコット好きでも知られる明るいキャラクターでチームを引っ張る。
昨シーズン見事なスタートダッシュを見せた琉球。好不調の波がありながらも、過去最高の9位の成績とインパクトは残した。DFの要、知念哲矢が浦和へ、風間兄弟が群馬・千葉へ移籍したものの、それ以外の主力の引き抜きはなしで昨年の主力は多めに残した。補強組ではCBに中川創(磐田からレンタル)、大森理生(FC東京からレンタル)と若手を、右サイドの風間宏矢が抜けた穴には大本祐槻(新潟)と中野克哉(京都)と個で打開できるアタッカーを揃えた。阿部拓馬に頼りがちだった1トップにはポストプレーが力強い野田隆之介(京都)と勝負強さは折り紙付きの草野侑己(横浜FCから山口経由でレンタル)を獲得し層を厚くした。今季こそ波を無くして昨シーズンを上回れるか。
一昨年圧倒的な強さでJ3を制し、昨シーズンの初のJ2でも余裕を持って残留を決めた秋田。今シーズンも吉田謙監督のもと、「超秋田一体」のスローガンで走り抜く。
選手補強は新たな選手の獲得よりは現有戦力の残留を重視し、主力の引き抜きが少なかったことはプラスに捉えられる。主な新戦力は層が薄かったCBにベテランの小柳達司(甲府)、前線には柔らかいボールタッチが上手いテクニックのある青木翔大(群馬)を獲得した。
個人的注目はボランチの江口直生。持ち味のキック力で2020年のJ3優勝に大きく貢献したが、昨年は怪我の影響で8試合の出場に留まった。今季はフルシーズン秋田の中盤に君臨し、上位浮上への力になりたい。
監督交代なども重なり、昨シーズンなかなか浮上できなかった東京V。それでも相変わらずの若手育成力と、後任の堀孝史監督のもと終盤戦は年間通して築きあげた攻撃力が爆発する試合も多く、調子上向きでシーズンを終えたことは好材料だ。今オフは毎年見られる若手の引き抜かれはなく、5人の即戦力候補の大学生も獲得した。
前線はルーキーながら13ゴールを挙げた佐藤凌我、34歳にして自己最多の17ゴールを挙げた小池純輝の攻撃陣が今季も爆発できるか。
そして驚きの加入となったのはいわきFCから加入のバスケス・バイロン。青森山田高で選手権も沸かせたドリブラーは初のJ2でどのようなプレーを見せるのか楽しみである。
残留争いに巻き込まれそうなクラブ
昨シーズンは大苦戦し最終節にようやく残留を決めた大宮。J1時代はよく当たっていたがここ数年は期待を裏切ることが多かった助っ人外国人補強を止め、オール日本人で挑む。甘さを捨て、まずはプレーオフ圏内を目指す。
補強は霜田正浩監督の山口時代の中盤の要の三幸秀稔、金沢で長くボランチを務めた大橋尚志などを加えた。さらにはG大阪から矢島慎也、愛媛から茂木力也、琉球経由のレンタルで武田英寿など、同じ県のライバルの浦和に所属経験のある選手の補強も目立った。
そして驚きは2016年以来の復帰となった泉澤仁。怪我のためリハビリからのスタートだが、以前在籍していた頃よりもアップした得点力を復帰後に爆発させたいところ。
不安視されるのはDFライン。4バックが予想されるが、主力で残留したのは西村慧祐のみ。昨シーズンの終盤戦によく見られた終了間際の失点が物語るように、今年はもったいない勝点の取りこぼしは避けたい。
栃木は新監督に昨シーズン、J3福島をクラブ最高順位の5位に躍進させた時崎悠監督が就任。プレスの強度が高いサッカーを維持しつつ上位を狙う。
守備だけでなく、セットプレーの得点源、さらに主将も務めていた柳育崇(岡山)の流出は痛いが、主な補強として福岡からカルロス・グティエレス、磐田から鈴木海音をレンタルで獲得した。元々の4バックから3バックに移行することが濃厚なだけに、CBが本職の二人にかかる期待は大きい。
攻撃陣では、時崎監督と福島時代にともに戦ったトカチを獲得。2年間で7ゴールずつの計14ゴールのトルコ系ストライカーは栃木でも輝けるか。そして矢野貴章が健在の1トップには瀬沼優司が8年ぶりに復帰。金沢では劇的なゴールを何度も挙げてきた男の勝負強さにも期待だ。
昨シーズン劇的な形でJ3優勝を決め、4シーズンぶりにJ2に帰ってきた熊本。大木武監督は今までのボールを動かすスタイルだけでなく、勝ち点3を取るために守備の強化にも着手するいい意味での「らしくなさ」も見せた。久々のJ2ではどのように舵を切るのか注目。ここ最近は昇格組の躍進も目立っているJ2。まずはスタートダッシュが大切になる。
チームの特徴として、J3にいた3シーズンで若手の飛躍が著しい。今シーズンも5人の大卒ルーキーを迎え入れた。何人主力級に駆け上がっていくか楽しみだ。
攻撃陣の注目は名古屋への完全移籍を勝ち取ったターレス。今シーズンは昨年同様レンタルという形で熊本に残留するが、J1クラブが目をつけたスピードがJ2を震撼させる。
守備陣ではやはり守護神・佐藤優也。昨シーズンはチーム最少失点に貢献するビッグセーブを連発し、ホームスタジアムのえがお健康スタジアムの熊本サポーターが裏に陣取る側のゴールネットを一度も相手に揺らさなかった、という快挙も達成。千葉時代にも見せたドイツ代表・ノイアーばりの広い守備範囲にも注目だ。
金沢は柳下正明監督6年目のシーズンを迎える。昨シーズンの主力からGKの後藤雅明(山形)、CBの石尾崚雅(徳島)、ボランチの大橋尚志(大宮)とセンターラインを形成する選手が多く抜けた。それでもレンタルで加入していた庄司朋乃也、嶋田慎太郎といった主力がレンタル→完全移籍に移行するなどの嬉しい話題もあった。守護神候補には相模原でファインセーブを連発し、地元石川へ帰還した三浦基瑛にも期待がかかる。
そして何より、地元に帰還といえば元日本代表の豊田陽平の加入だろう。鳥栖で実績を残した大型FWの力強さは未だ衰え知らず。昨シーズン9得点を挙げた相棒の丹羽詩温とともに、地元で何点取れるかが上位浮上のカギとなる。
群馬は創立20周年の節目のシーズンに「組長」こと大槻毅監督を迎え新たなスタートを切る。昨シーズンは最終節でのギリギリの残留となったが、優勝した磐田相手に無失点で引き分けるなど、終盤戦は守備の安定感は光った。今年も守備の要となりそうな畑尾大翔や、昨年地元に帰還し違いを見せた細貝萌を中心に、大槻監督らしいハードワークを強みとした堅守を築く。
攻撃陣は青木翔大(秋田)、大前元紀(京都)の移籍は痛いが、琉球から4年ぶりに復帰した風間宏希、北関東のライバル水戸へのレンタル移籍を経てC大阪から弾丸アタッカー・山根永遠、残留を争った相模原からポストプレーとハードワークが持ち味の平松宗など、実力者を迎え入れて上位を目指す。
山口は昨年9月にコーチから昇格した名塚善寛監督が続投するも、多くの主力の流出が痛い。特に2年連続でチーム得点王だった高井和馬(水戸)の移籍の穴を埋める攻撃陣の人材不足は否めない。アタッカーは多くの実力者を補強しただけに、大槻周平、岸田和人などで争う1トップを誰が担うかは今年の浮上の大きな鍵を握る。
そのアタッカーの補強は福岡から加入した吉岡雅和と、2年間の特別指定を経て今季から正式に加入となった橋本健人(慶応大)に注目だ。互いに小柄な身体から魅せる高速ドリブルが武器。サイドから違いを生み出したい。
そして、若いチームに22年連続ゴール中の40歳の大ベテラン・山瀬功治も加わった。フル稼働は難しそうだが、随所で見せるいぶし銀の技術で沸かせたい。
クラブ史上初のJ2を戦う岩手は、昨シーズンの武器となったハイプレスからのショートカウンターがJ2でどれだけ通用するか見ものだ。ここ数年はJ2初挑戦クラブの健闘が続いているだけに、各クラブの対策が甘くなる序盤に勝点を重ねておきたい。まずは残留が大きな目標となる。
昨シーズンの昇格を支えた主力が多く残留したのはプラス。個人的な期待は中村太亮。精度の高い左足はセットプレーのキッカーとしても押し込まれた展開で頼りになる存在。2019年の大宮以来のJ2で再び輝きを放てるか。
そして実力者の補強となったのが、山形から加入の中村充孝だ。かつて京都で秋田豊監督のもとでプレーした経験もある。テクニックのあるチャンスメーカーとして多くの点に絡むことが期待されるベテランが、J2経験の少ない選手の多いチームに新たな可能性をもたらす。
いかがでしたか?J1編同様、読んでいるクラブのサポーターさんはなんでこんな下なの?とか思う方も多いと思います。それでいいんです。でもそれこそが順位予想の醍醐味だと思いますし、じゃんじゃん意見が出て盛り上がることはとても楽しいので。シーズンオフに大外ししたら大いに笑ってやってください。
J2はさらなる魔境ぶりが加速しているため、正直に言うと私はJ1の優勝争いより興味があります。プレーオフも復活する今シーズン、ここ数年になかったもっとハラハラドキドキする展開を楽しみにしています!
J1編はこちらからどうぞ
※3月に開幕するJ3編の順位予想もお楽しみに!