Kota Yamaguchi

冒険家・連続起業家。お金の価値を変えるARIGATOBANK共同創業者取締役 &…

Kota Yamaguchi

冒険家・連続起業家。お金の価値を変えるARIGATOBANK共同創業者取締役 & 挑戦する人を応援するクラフトビールTRYPEAKS代表取締役 & スタートトゥデイ第二創業メンバー、事業開発本部長。ex OYO LIFE & Sprinklr Japan創業 / ex DeNA。

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どうやったら幸せになれるか一年かけて考えてみた

先日1/17に34歳になりました。2021年は年始に悪性脳腫瘍の摘出手術をして死生観が整理された(*下記note)ことや、大切な仲間と起業したARIGATOBANKでkifutownというサービスをリリースできたこともあり、どうしたら人は(というかまずは自分が)幸せになれるのだろうということを考え続けた1年だったので、表題のような内容を書いてみたいと思った。 [どうやったら幸せになれるのか] 自分の葬式を企画する メンヘラを飼い慣らす 「時間×金×健康」の面積を大きく

    • 何が"ジャズ"なのか

      ジャズの歴史を読んだ。ジャズという言葉は多くの人が知っていると思うが、説明してくれと言われると難しい。その難しさはジャズという音楽が歴史によって複雑に変容した様ゆえのものであることがよくわかる本。 1.ジャズのとらえ方 2.ジャズのはじまり 3.ジャズの黒いパトロン 4.レコードやラジオによるジャズのマス化 5.変容する戦後のジャズ 6.黄金期と言われる1950年代 7.モダンジャズが終わった1960年代 8.モダンジャズ主導の中央集権体制から、細分化された地方分権の時代へ

      • 音楽の聴き方とは

        音楽の聴き方を読んだ。現存する音楽の聴き方を紹介しながら、なぜそうなったのかを歴史を紐解きながら解説し、音楽の聴き方とその向き合い方に迫っていく良本。 音楽の枠組みと自分の枠組みの交差を増やす 音楽は複雑な経路で能動的に入り込んでくる芸術 音楽は潜在的な感情を目覚めさせる装置 音楽を語れなくなった分岐点である18世紀後半 音楽が「する」/「聴く」/「語る」に分離していく19世紀 イデオロギーとして使われ、大衆化する音楽 音楽は引き出しの型は叩き込み、取り出し方は

        • 知っていれば人を見るのが楽しくなる行動経済学

          行動経済学は非常に面白く、ビジネスのみならずあらゆる人間関係で重宝するエッセンスが多い。 様々な書籍から、理性的な判断と違うことを感情的に判断してしまうことがわかる。 という言葉があるように、自分のことを理性的だと思っている人ほど、感情の支配に気づかないんだと思う。 というように、まずは人間の不合理さを理解することが、人間と生きていく出発点になると言える。 1.情報は見せ方で意思決定を変えられる 2.タダにすると判断価値が市場価値から社会価値へ変わる 3.お金を払うと

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        どうやったら幸せになれるか一年かけて考えてみた

          これまで人にとって音楽は何だったのか2

          はじめてアメリカ音楽史を読んだ。西洋にアメリカ大陸が発見されて以降の白人と黒人が織りなす歴史の中でめまぐるしく動いてきた音楽の歴史がわかる本。 0.アメリカ音楽の起源 1.黒人と白人の間で分離する宗教音楽 2.娯楽産業としての音楽の産声 3.感情の爆発を表に出せるようになったゴスペル 4.近年生まれ変化を続けるジャズ 5.黒人が白人から市民権を得るソウルミュージック 6.ロックンロールとエルヴィスプレスリー 7.現代のポップ・ミュージック 8.まとめ 0.アメリカ音楽の起

          これまで人にとって音楽は何だったのか2

          どうして人は間違いを起こすのか

          どうして人は間違いを起こしてしまうのか。どの本を読んでも、人間にはエラーが起こり、それを認識できないことが多々証明されてしまっている。今日は3つの本を参考にした。 1つ目は、失敗を隠さずに学習や進化の機会として取り込んでいく難しさと、その必要性をあらゆる観点から論じる本。 2つ目は、私たちは誤りをどう考え、どう感じるかに注目し、間違いとの付き合い方を前向きに論じる本。 3つ目は、実際にオバマ政権時代にビンラディンを確保する時のプロセス等を引き合いに、成功した際の意思決定

          どうして人は間違いを起こすのか

          これまで人にとって音楽は何だったのか

          西洋音楽史を読んだ。現代の音楽ができるまでの、音楽の主戦場だった西洋音楽の歴史の流れを掴むことできる良書。 現代は海で、そこに古楽→西洋音楽という深い川があり、源流は不明確というのが音楽の歴史の様子。この本はこの歴史の変遷を紐解く。 1.教会音楽だった中世 2.音楽が多元化して、人のものになるルネサンス以降 3.「古楽」が「クラシック」になったバロック 4.個人の感情と意志が主役となった古典派 5.より音楽が大衆化し、自由になったロマン派 6.サブカルチャーになる音楽 7

          これまで人にとって音楽は何だったのか

          "贈与論"の読書感想文

          贈与論を読んだ。世界中の人間社会で見られる、人からものを貰ったりお返しをしたりするが、それを社会学的、社会人類学的に最初に研究したモースの本。人類学は研究対象の社会にどっぷり浸かって一面的になりがちだが多数のサンプルを比較する形で迫った名著。 というように、未開の社会での贈与の力と影響を序盤では深掘りする。 一言に贈与といっても、それは"競争"であり、穏やかなものから破壊を伴う激しいものまであるとというのが興味深い。競争の度合いの事例はこの本にいくつも書いてあるが、ここで

          "贈与論"の読書感想文

          "監視資本主義"の読書感想文

          監視資本主義を読んだ。オバマ大統領も2019年にベストブックとして選んだベストセラー。当たり前のように浸透している検索サービスやSNSから膨大な行動データが抜かれることによって、人が長い歴史の中で獲得してきた"個人が未来を選択する権利"が侵され、昔とは違った形の全体主義が作られつつあることを警告する本。 この本はメインはグーグルの歴史から始まる。上記はIT企業にいると何をそんな当たり前のことをと思うが、改めてその誕生の歴史を説明している。Googleは当初から検索エンジンを

          "監視資本主義"の読書感想文

          "ジョブ理論"読書感想文

          ジョブ理論を読んだ。「イノベーションのジレンマ」をかいた著者が、イノベーションを可能にする消費のメカニズムを解いた本。数字などの定量データでは到達できない、ユーザが置かれた"状況"を中心に思考を展開していく良書。 これがこの本の主題だ。成功するイノベーションは、顧客の成し遂げたい進歩を可能にし、困難を解消し、満たされない念願を成就すると言う。この本ではミルクシェイクの売り上げを上げる実話が紹介されている。とある会社ではどうやったらミルクシェイクの売上が上がるかを考えていた。

          "ジョブ理論"読書感想文

          "「貞観政要」がやさしく学べるノート"読書感想文

          「貞観政要」がやさしく学べるノートを読んだ。上に立つリーダーが持つべき姿勢や注意点を、中国の歴史から学びながら生かした、屈指の名君と言われた、唐王朝2代目の太宗李世民の話。人の上に立つものは一度は読むべき本。 1.成功体験を捨てて、学んで変化すべき 「房玄齢は昔、私に従って天下を平定し、つぶさに艱難をなめ、九死に一生を得て今日あるを得た。その立場からすれば、創業こそ困難であると考えるのも、もっともなこと。一方、魏徴はわたしとともに天下の安定を図りながら、少しでも気持ちを緩

          "「貞観政要」がやさしく学べるノート"読書感想文

          "「その日暮らし」の人類学"読書感想文

          「その日暮らし」の人類学を読んだ。日本人は、ブランドの偽物や海賊版の商品を見て、気持ち悪さや憤りを感じることも多いだろうが、これらの主戦場であるインフォーマル経済は巨大であり、"今を生きる"ための要素が多分にあることがわかる本。世の中の新しいメガネが得られる。 (1)模造品やコピー商品は、貧しい人々が最新の技術やデザインにアクセス可能になる。 (2)模造品やコピー商品は、様々な制約のある発展途上国で草の根のイノベーションを引き起こし、経済を離床させる原動力となる。 (3)模

          "「その日暮らし」の人類学"読書感想文

          最高の自分になっていく生き方のコツ ~Dark Horse"の読書感想文~

          Dark horseを読んだ。資本主義で勝つための標準化した優秀な人になるのが正とされている現代を批判し、個人の充足感を満たして最高の自分になっていく生き方のコツと成功事例を紹介する本。 個人的には少し極論だと思う(多くの異名が必ずしも一般的な尺度に囚われている使われ方をしないので)が、現在正しいとされている要素に対して、標準化された指標に過ぎないというポジションを取るのは面白い。 これはファクトなので考慮すべきだ。個々人の意思とは関係なくレールに乗せられることに学習意欲

          最高の自分になっていく生き方のコツ ~Dark Horse"の読書感想文~

          "戦争広告代理店"の読書感想文 ~世の中は正しさではなく、国民の空気の方が大事~

          戦争広告代理店を読んだ。世の中は正しさではなく、国民の空気の方が大事で、それを理解したPRマンによって世が導かれていることがあるということがわかる本。 「虐殺者」「人道の敵」のレッテルを貼られたセルビア人の首都は、国際社会から締め出され、見捨てられた姿のままである。 これはボスニア紛争による結果であるが、この紛争は大いにビジネスによるPRによる情報戦争が大きなウエイトを占めているという。 冷戦後の世界で起きる様々な問題や紛争では、当事者がどのような人たちで、悪いのかどち

          "戦争広告代理店"の読書感想文 ~世の中は正しさではなく、国民の空気の方が大事~

          "愛するということ"の読書感想文

          "愛するということ"を読み返した。科学的な裏付けはないが、圧倒的な説得力があり、何よりこの考え方を信じて自分の中心に置きたいと強く思える名著。読み返した数ナンバー1の本。 1.みんな3つの理由で愛を学ばないが、実際は学べるもの 著者は冒頭に愛について人々が学ばない理由が3つあるという。 1.愛する能力の問題でなく、愛されるという問題として捉えている 今のご時世に適切な書き振りかという疑問はあるが、男性は社会的に成功し、自分の地位で許される限りの富と権力を手中に収めるこ

          "愛するということ"の読書感想文

          "貧困の終焉"の読書感想文

          2006年の古い本だが、貧困の終焉を読んだ。途上国開発支援を続け、タイム100に連続してノミネートされたジェフェリーサックスの貧困を終わらせるための超大作。 近代成長の本当の姿といえば、ある地域の総生産がかつてない長期的な成長を持続して世界でも例を見ないレベルにまで達したのに、他の地域ではそれに比べて成長が緩慢だったというのが正しい。豊かな社会の所得を長期的に増加させた大きな推進力は科学技術であって、貧しい地域からの搾取ではなかった。 著者は、成長は搾取ではなく科学技術の

          "貧困の終焉"の読書感想文