どうして人は間違いを起こしてしまうのか。どの本を読んでも、人間にはエラーが起こり、それを認識できないことが多々証明されてしまっている。今日は3つの本を参考にした。
1つ目は、失敗を隠さずに学習や進化の機会として取り込んでいく難しさと、その必要性をあらゆる観点から論じる本。
2つ目は、私たちは誤りをどう考え、どう感じるかに注目し、間違いとの付き合い方を前向きに論じる本。
3つ目は、実際にオバマ政権時代にビンラディンを確保する時のプロセス等を引き合いに、成功した際の意思決定の物語を説明される良い本。
1.そもそも人は間違いを認識できない
2.人は無意識的に自己防衛をする
3.人は失敗を反映できない
4.自分に批判的な目を持ち続ける
5.間違いから向き合うことから逃げない
6.エラーに陥らないために
7.まとめ
1.そもそも人は間違いを認識できない
これは認知的不協和というが、自分の信念と事実とが矛盾しているときに、間違いを認めずに、否定をし、正当化をし始めてしまう。認知的不協和が恐ろしいのは、自分が認知的不協和に陥っていることに滅多に気づけない点にある。
特に経営者は認知的不協和を受け止められないという。研究では最も失敗から学ぶことができないのは、最も失うものが多いトップの人間だったという。
2.人は無意識的に自己防衛をする
私たちは自分が知らないときにということを知るのが苦手で、それを回避するために話を無意識に作り出すという。
信念を否定されると、相手をバカにするのだ。心の習慣は、自分が遭遇する最初の証拠が真実について決めてであり続けることになり、それを守ることにより偏りを起こすのだ。
ということもあるように、確信にすがったほうが、楽で安心なので、そちらに流れがちなのだ。私たちの誤りに対する抵抗は、少なからず、確信があまりに少なく、あまりに感情が多いまま取り残されることへの抵抗なのだ。
3.人は失敗から学ぶことができない
というように、「クローズドループ」ではなく、「オープンループ」の状態を作り、失敗から学んでいく必要性を説いている。
まずシステムだが、これは見送られがちだ。
時代が違うので現代にこのタイムラインは参考にはならないと思うが、情報が使用に適したシンプルで効果的な形に置き換えられるまでに時間がかかるようだ。
ちなみに、医療事故のケースでは、シンプルだがチェックリストが効いたようだ。
4.自分に批判的な目を持ち続ける
自分への批判的な目を持って科学的に学ぶ癖をつけなければいけない。
会社を経営する立場であるからこそ、失敗から学ぶシステム作りと、自分自身が失敗から学ぶ人になりたい。
5.間違いから向き合うことから逃げない
仮に確信を砕かれると、心中穏やかではないものだ。この本でも、キリスト教を信じていた信者が、その信仰の間違いに築いて、自分の芯が何かわからなくなって追い詰められる話も記載されている。
追い詰められるのではなく、自分は他の人とともに生きることを理解しなければならないという。
このように、差異の中で楽しく暮らすことが大事なのだ。実生活で間違うという経験はそもそも経験としてかけているものではない。驚き、まごつき、魅了、刺激、愉快、喜びなどが間違いの楽観理解を成している。
実生活で間違う経験の幅を考えに入れるには、楽観と悲観の2つのモデルを対峙させるのだ。そうやってまちがいを受け入れて前向きに捉えて進んでいくことが大事なのだ。
6.エラーに陥らないために
この本では冒頭で言い切っている。
我々が受け取る表層情報は、大抵成果が出た瞬間の武勇伝に集約されるが、本当はそこに至るプロセスが成功を手繰り寄せる。
決定力!世界を導く4つのステップでは人間のエラーを科学的に証明していたが、この本では実際にそのエラーを乗り越える時に行うことがわかる。
決断における初期のエラーである"視野狭窄"と"確証バイアス"を防ぐためには、多様な意見が出る集団にした方がいいのだが、そうすると組織内に不確実性が増す。外部を入れるべき。
オバマは前政権の大量破壊兵器に関する失策を踏まえ、多面的・客観的に物事を捉えようとし、不確実性を重視していたことがわかる。個々人に自分を客観評価させるべき。
どんなに頭が良くてもクリエイティブでも、人は自分が持つ素材外のものは調理できない。なので、まずは素材を網羅的に増やすべきなのだ。
レッドチームを入れて、フラットに逆の立場のシナリオを準備している。
この本は、マッピングをし、予測をし、決定するという3ステップについて話をしているが、ここまでの内容はマッピングのごく一部の抜粋。
他にも専門家はチンパンジーより未来を予測できない話や、決断をする際のデフォルトネットワークの話もとても興味深かったが、自分は基本決断は直感で即決しがちなので、大事な意思決定の場合はきちんとこういったステップを踏もうと思った。
7.まとめ
人は間違いを認識できないので、間違うパターンを科学的に理解しながら、自分をその科学のフレームにはめた時にまちがっていないかを見つめる。どんなに嫌な感情が湧いても逃げないという繰り返しだなぁと思った。