記事一覧
「万引き家族」にみるこれからの時代の人間関係、組織の在り方。
事件的に素晴らしい作品を観たと思いました。これからの不明確な時代を生きる上で必要な個人の精神性を見事に描き切った先進先鋭的な作品ではないかと。
きっと120分に収めるのは大変だったと思われる複雑さがあり、各登場人物についてオムニバスとして切り出してもきっとおもしろくなるような濃密なバックグラウンドが用意されていたからこそ、パルムドール受賞に至ったのでしょう。
家族という共同体があって、そこ
【エモい映画評】「そして父になる」に見る「親」と「子」、人間の肖像
2013年に書いた映画評がPCのなかで眠ってたのと、是枝さんがとうとうパルムドール賞を受賞したので、その記念に。
是枝さんの作品のよさは、家族関係とか、人間関係をさまざまな角度でみているところだとおもってます。今回の受賞を機に、是枝さんの作品を見るひとが増えれば、人生をもっと大切にするひとが増えるのではないかと。すこしでもそのお手伝いができたらなとおもっています。
とくに、これから親になる人。
【エモさのある音楽評】BUMP OF CHICKEN ファイター
BUMP OF CHICKEN
ファイター(2014)
BUMPの素晴らしいところ。
現実を直視しながらも厳しさだけを歌うんじゃなくて、
だからといって、優しい言葉をかけて変に生ぬるさを肯定するでもない。
普遍的な枠組みで、生きていくことを賛歌する所。
厳しい曲ももちろんある。やっぱりこういうものなのかと思わされる。
でも、その後には優しい曲が必ずある。
要は、一つが全てじゃないのだ。全てで全
【エモさのある映画評】ジ・エクストリームスキヤキ
とても不思議な作品だった
これほど余白のある作品は初めてかも知れない。
「人が生きる、暮らす」という点で相当なリアルさを感じた。
会話が台詞がかっていないのだ。
「やたら長ったらしい会話をダラダラと」と一蹴する人もいるだろう。
しかし、この作品にはそこに価値がある。
「客に見られるもの」として、体裁を整えた会話には伺え得ない「リアル」。それに価値があるのだ。青春と言えば青春映画とも言えるだろう。し
ちゃんと嘘をつけるひとが幸せになれる話
いろいろと決断をしなくてはいけないことが世の中にはあると思います。そして、ときにはその決断を急ぐあまりに、心身のバランスをくずしてしまう人もいるのではないでしょうか。得てして、まじめすぎるひとだったり、正義感の強いひとだったりするようです。それはよいことですが、自分自身を追い詰めるほどのその気性ならば、それは少し考える必要があります。ということで、何かをするにあたり、いろいろな不安や矛盾を抱えてし
もっとみる