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2020年5月の記事一覧

細胞よりちっちゃいモンには興味がわかないことが判明w:読書録「若い読者に贈る美しい生物学講義」

細胞よりちっちゃいモンには興味がわかないことが判明w:読書録「若い読者に贈る美しい生物学講義」

・若い読者に贈る美しい生物学講義  感動する生命のはなし
著者:更科功
出版:ダイヤモンド社

ネット記事で作者がウイルスに関する解説を書いてて、それが分かりやすかったんで、コチラもポチっ。
「若い読者」に関しては、<自分が若いと勝手に思ってる読者>でOKとのことなのでw、
まあエエか、と。

マンガ調の挿絵もあって、実にわかりやすく…と言いたいとこだけど、そこまで「分かりやすく」はないかなw。

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また歴史の影響を受けるのかもね:読書録「図書館巡礼」

また歴史の影響を受けるのかもね:読書録「図書館巡礼」

・図書館巡礼 「限りなき知の館」への招待
著者:スチュアート・ケルズ 訳:小松佳代子
出版:早川書房

<オーストラリアの作家で、書物取引の専門家でもあるスチュアート・ケルズは本書において、地元オーストラリアの部族に伝わる口誦の図書館から、メソポタミアやアレクサンドリアに存在した古代の大規模図書館、ヨーロッパに点在する中世の修道院図書館、そして近代以降に建設された大学の学術図書館や贅を尽くした権力

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逆転のスッキリ!…だけじゃない。:読書録「逆ソクラテス」

逆転のスッキリ!…だけじゃない。:読書録「逆ソクラテス」

・逆ソクラテス
著者:伊坂幸太郎
出版:集英社

<伊坂幸太郎史上、最高の読後感。
デビュー20年目の真っ向勝負!>

…の帯の煽りに引っ掛かりましてw。
でもまあ、これが結構…。
いや、僕は伊坂作品をそこまでは読んでないんで、「史上、最高の読後感」かどうかは分かりませんが、かなり気分よく読み終えることが出来るのは確かです。

収められているのは短編5作。
表題作の「逆ソクラテス」は、
「ん?どっ

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「愛媛県高校生徒会連合」…かぁ:読書録「鴻上尚史のもっとほがらか人生相談」

「愛媛県高校生徒会連合」…かぁ:読書録「鴻上尚史のもっとほがらか人生相談」

・鴻上尚史のもっとほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋
著者:鴻上尚史
出版:朝日新聞出版

鴻上さんのこの連載は時々ネットで回って来ることがあって、「丁寧に良い回答するなぁ」と感心してたんですが、今回は帯のブレイディみかこさんの推薦文に惹かれて妻が購入。
1冊目はスルーしてるんですが、まあ特にそれで不都合はないですw。

読み終えて思ったのは、やっぱり、
「丁寧に良い回答するなぁ

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良くも悪くも「新本格派」:読書録「元年春之祭」

良くも悪くも「新本格派」:読書録「元年春之祭」

・元年春之祭
著者:陸秋槎 訳:稲村文吾
出版:ハヤカワ・ミステリ

これ、消費税増税前に購入してたんですw。
積読状態から引っ張り出してきて、読了。
割と一気に読んじゃいました。

…なんで、面白いことは面白い。
本屋大賞翻訳小説部門第2位(2019年)ですし。
ただまあ、個人的には「う〜ん…」ってとこも。

良くも悪くも「新本格派」なんですよ。
<ミステリ要素以外の内容は薄いとか、人間が描けて

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ブックカバーチャレンジ:羊をめぐる冒険

ブックカバーチャレンジ:羊をめぐる冒険

7日間ブックカバーチャレンジ【7日目】

僕をダメにした本。
「今更、村上春樹を挙げてもなぁ」と、この枠は「平井和正(幻魔大戦)」か「矢作俊彦(真夜中へもう一歩)」「アーウィン・ショー(夏服を着た女たち)」「佐藤さとる(だれもしらない小さな国)」「上條淳士(SEX)」、はたまた「江戸川乱歩(少年探偵団シリーズ)」あたりのつもりだったんですが、やっぱり個人史的にもインパクトはあるので、思い直して。

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ブックカバーチャレンジ:おとこの秘図

ブックカバーチャレンジ:おとこの秘図

7日間ブックカバーチャレンジ【6日目】

僕をダメにした本。
まあ、「池波正太郎」作品ならなんでも良かったんですけど、個人的に一番「エッセンス」が詰められてるかな、と思いまして。
題名と表紙から推測すると、
「オイオイ!」
ですが、まあ基本的には「鬼平」ですw。

<善のみの人間なぞ、この世に在るはずもない。わしとて同様じゃ。悪と善が支え合い、ともかくも釣り合いがとれておれば、先ずよしとせねばなら

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かなり問題意識が広くて深い:読書録「ぼくが見つけたいじめを克服する方法」

かなり問題意識が広くて深い:読書録「ぼくが見つけたいじめを克服する方法」

・ぼくが見つけたいじめを克服する方法
著者:岩田健太郎
出版:光文社新書

ダイヤモンド・プリンセス問題で賛否両論巻き起こした岩田さんの新作。
便乗商法
…ってわけじゃないなくて、ほとんどはあの事件の前に出来上がっていたとのことです。もちろん言及はされてますが…。

「いじめ問題」に関する作品になりますが、基本的問題意識は、
「大人社会にいじめを許容する社会風土があるから、子供のいじめがなくならな

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ブックカバーチャレンジ:ぼくは勉強ができない

ブックカバーチャレンジ:ぼくは勉強ができない

7日間ブックカバーチャレンジ【5日目】

僕をダメにした本。
山田詠美さんの作品は一時期(20代から30代頭くらい)よく読みました。
男子校生出身で歪になった「女性観」を補正してくれた…と言うよりも、違う意味で歪にしてくれた。
モテを動機に手をつけたのに、結果遠ざかると言うダメっぷりw。
(西村しのぶの「サードガール」なんかもそんな感じあるなw)

今ではほとんど読み返すことがないんですけど(時々

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瀧本さんがいたら、今を「チャンス」と捉えるんだろうなぁ:読書録「2020年6月30日にまたここで会おう」

瀧本さんがいたら、今を「チャンス」と捉えるんだろうなぁ:読書録「2020年6月30日にまたここで会おう」

・2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史・伝説の東大講義
著者:瀧本哲史
出版:星海社新書

2019年に47歳の若さで亡くなった瀧本さんが、2012年に東大で講義した内容をまとめた一冊。
講義の中で、瀧本さんは10代20代の若者をアジります。(毎度の通り)
そして提案します。

<僕はとりあえず2020年までは日本にチップを張って見ますが、もしダメなら脱出ボタンを押して、「みなさん、さ

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ブックカバーチャレンジ:はみだしっ子

ブックカバーチャレンジ:はみだしっ子

僕をダメにした本。
「ポーの一族」はいまだに読み返すけど、この作品を読み返すことはほとんどないですね。
それでも間違いなく10代後半の僕の心をえぐり、ある意味「ダメ」にした作品w。
Kindleで購入だけはしてあったので、この機会に「つれて行って」を再読。

<どこへ行こう?
どこ迄行こう?
けれど…どうやって行こう?

ボクが行きたいのは
向こう岸

橋をかけて…舟を渡して…
けれどボクはどこに

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withコロナ、afterコロナで政治はどう動くのか?:読書録「労働者の味方をやめた世界の左派政党」

withコロナ、afterコロナで政治はどう動くのか?:読書録「労働者の味方をやめた世界の左派政党」

・労働者の味方をやめた世界の左派政党
著者:吉松崇
出版:PHP新書(Kindle版)

こちらのエッセイを読んでたら中で紹介されて手、ちょっと面白そうだったので。

出版は2019年6月。
ただターゲットは「10月」の消費税増税反対にあったので、作品の出版意図からすれば、「失敗」だったのかも。(作者の主張は「半緊縮財政」「移民政策慎重論」で、その観点から欧米の状況が解説されるのが、本書の後半部分

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ブックカバーチャレンジ:ポーの一族

ブックカバーチャレンジ:ポーの一族

7日間ブックカバーチャレンジ【3日目】

僕をダメにした本。
「1冊」じゃないけどw。

とにかく、このロマンティシズムとリリシズムにはやられました。

<エドガーおまえに
わたしのはるかなおまえに
そしてその ポーの
一族によせて>

ひゃあっ!w

「少女マンガ」の奥深さを知らしめてくれた作品で、その後、その広大な世界にどっぷり浸かるきっかけの一つとなった作品でもあります。
まあ別に僕に限った

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ブックカバーチャレンジ:ターザン

ブックカバーチャレンジ:ターザン

7日間ブックカバーチャレンジ【2日目】

僕をダメにした本。
「エドガー・ライス・バロウズ」は中学時代にハマった作家。
真っ当なSFファンになりかけていた僕を「エンタメ・ホラ話(スペース・ファンタジー)」に引き摺り込んだ犯人です。(まあSF自体、「ホラ話」みたいなもんだけどw)
今だと「ラノベ」って感じでしょうか。

このシリーズはスペースファンタジーとは違いますが、シリーズ第1作は「名作」と僕は

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