「どく友会」(読書会)レポート 2022.11.26開催分
1.読書会(通称:どく友会)とは何か?
僕は数年前から隔月で読書会(通称:どく友会)を主宰しています。
仕事だけの人付き合いや情報では思考に偏りが出てしまう。もっと幅広く自分の好きなことで刺激を受けることはできないかな?と考えていたのですが、世間で開催されている読書会は意識高い系で少し敷居が高いし、好きでもない課題図書を指定されて事前に予習して読み込むのも気が進まないし。
そう考え自分で主催して始めたのが数年前。いつの日かとっても喜んでくれる参加者が増え、とても濃厚で濃密な少人数コミュニティになっていました。
2.どく友会の3つの特徴
主な運営上の特徴は3つです。
①指定の課題図書なし(好きな本を持ち込み)
②少人数制(集客せずにクチコミのみの10名前後・会員は30名ほど)
③SNSへの顔出し写真はアップしない(写真アップは書籍写真のみ)
「自由さと気軽さ」をコンセプトに始めました。自分のビジネスにつなげようとか、流行りのオンラインサロンのように発展させようとか、下心ゼロです。これにより、講師と受講生という主従関係のようなものは払しょくできます。単純に好きな本を片手に好きなことを好きな人たちとで語り合いたい。僕の気持ちはそれだけです。
ここまで思い入れがある読書会ですが、一つだけ弊害が生じました。盛り上がりすぎて毎回時間が足りずに、今では5時間が標準時間。それでも、まだ足りないくらい・・・という感じで、休日に酒も飲まずに喫茶店で熱弁するコミュニティの摩訶不思議さと面白さは日常にはないことです。
最近は、Zoomとの併用で状況に応じて柔軟に開催。
世の中はシェアサービスで熱くなっていますが、”頭の中のシェア”も面白いものです。本を読みたいけど、読むのが面倒な人は、人の推薦図書のプレゼンを聴いて読んだつもりになるのも一瞬で見識が広がる面白い試み、これが自由に本を持ち込む読書会のだいご味なのです。普段、自分なら選ばないであろう本をガチで熱弁されますからね。(^^)
3.当日はこうやって進めます
1人10分、推し本をプレゼンし、10~15分質疑応答と感想レビューとなります。
一番のポイントは、なぜその本を選んだのか?自分の心境や状況と結びついたときに、本だけではなく、参加者の人間性への理解が深まりますので、絆も強くなるという副次効果付きです。
我が会はメンバーが20名ほどいますが、たいてい10名前後がご参加になります。
※顔と名前は非公開
※運営も非公開でメンバーの一般募集もしておりません。参加者を増やすことより少数で質を追求したいためです。不定期ですが、主宰者のメルマガでのみ年に2回ほど募集。
<実施概要>
・参加者:11名+懇親会10名
・時間:13時~18時(5時間!)+18時半~21時(懇親会)
4.今回持ち込まれた推し本を公開!
というわけで、どんな本が持ち込まれたのか、以下一覧をつけておきますね。特徴的なのは、皆がベストセラーばかりを持ってくるわけではないことです。
だからといって、教養を広げよう!みたいな意識高い系のスタンスは誰もありません。単純に面白いから読む、話す、聴く、「気づき」を得る。それだけです。自然体が一番というのをいつも痛感しますよ。
<1> 限りある時間の使い方
(ざっくり所感)
小手先の時間管理テクニックはなく、本質的なマインドを説く本。改めて時間に対する概念を通じて生き方さえ問い直してくる。僕もこの本を持参しようと上位候補に入れていたくらい。時にはしっかりと読み直したいな。
<2> 世界史の構造的理解
(ざっくり所感)
僕は物事を構造的に可視化して思考を整理するのが大好き。そういう意味ではこの本は僕好みの本だと直感。しかも数学的な視点で世界史を構造化するなんて斬新なコンセプトだと思う。洞察力に必要なことは”思考の物差し”だから、また新たな物差しが加わる予感だ。
<3> 異彩を、放て。
(ざっくり所感)
これは僕の持参本です。2022年に出会った感動した本でぶっちぎりのNo.1でした。知的障害者の兄を持つ双子の弟が、アートを軸にガチでビジネス展開する視点と行動力には目から鱗がでる思いでした。視点の幅を広げることが、我々の思考をアップデートさせると痛感。
<4> 感情時間術
(ざっくり所感)
様々な時間管理の手法がある中で、効率化を重視するというより「好き嫌い」など自分の感情を中心に置き、そこから時間を組み立てるというありそうでなかった新鮮な切り口でした。もっと合理性・生産性よりも、好き嫌い(感情)を中心においてもいいというのは気が楽になる。
<5> 代表的日本人
(ざっくり所感)
言わずと知れた古典的名著なので僕が何かをコメントするまでもなく素晴らしい日本人の事例にはいつも学びが多い。とはいえ、なぜ、どのようにこの5人を代表的日本人として選んだのか、選定基準を知りたいものだ。そこに一番の価値があるような気もする。。
<6> 不倫
(ざっくり所感)
いきなりぶっこんで来た!と衝撃的なプレゼン。でも、科学的にかつ文化人類学的に解き明かしていくので、こっぱずかしい内容ではない極めて良質な学術書的な印象を受けました。週刊誌のネタではなく、脳科学や文化、歴史、そして住環境まで影響するタイトルの響きと違って高尚な本なのかも。。
<7> 水は答えを知っている
(ざっくり所感)
胡散臭い本なのか科学的な本なのか賛否両論のところに本書の神秘性と価値がある。この本が大好きな方も知人にはいるので僕は驚かなかったけど、水に言葉を投げかければ結晶が変わるほど、水はエネルギーを持っているものという話が本当だったらロマンがあって、これはこれで良いのでは?エビデンス主義にとらわれず、読書として楽しむのはありだと思う。
※補足※
余談で、このような話も出てきましたよ。醪にモーツァルトを聴かせたお酒、喜多方小原酒造「蔵粋」の紹介と聴かせたモーツァルトの曲です。
<8> 22世紀の民主主義
(ざっくり所感)
最近メディア露出が急増中の新進気鋭の経済学者「成田悠輔」さんによるデビュー作。メディアでの発言をよく聞いていた僕にはベストアルバム的な内容だけど、ユーモアとちょっぴり皮肉ととてつもなく分かりやすく頭の中を構造的に整理してくれる良書。著者が言うように”思考実験”として読むには適書と言えるね。
※補足情報※
この本の持ち込みプレゼン者が、以下の動画も参考情報として教えてくれました。
<9> 聞く技術 聞いてもらう技術
(ざっくり所感)
「聞く技術」だけではなく「聞いてもらう技術」という切り口は頭にはなかったので、目から鱗でした。確かに、対話においては、まず聞いてもらうところから始められもしないのに、聞く技術や話す技術だけ磨いても、どこか足りないよね。って思っていたので、最後のピースがはまった気がしたよ。
<10> マネジメントへの挑戦
(ざっくり所感)
大切なことほど平凡でシンプルな言葉になってしまう。だからこそ、個性的でも新しいメソッドが書いてない本(調子が良い時は退屈に感じてしまうかも)だろうなぁと直感。でもだからこそ、ドラッカーや松下幸之助さんの本のように、逆に言えばこの本に書かれてあることだけをバイブルに狂ったように実行すれば、よいのかも?と、原点を確認できる本だと感じたね。
<11> まどろみバーメイド
(ざっくり所感)
お、漫画!実はこの会は漫画も禁止していない。ビジネス書でなくてもよく、「人生や仕事で役に立つ本、役に立つエッセンスの共有」という切り口なので、たまに漫画の持ち込みがあると目を引く。
屋台バーは行ったことも無いので興味津々。しかもお酒の紹介やプチノウハウが要素として組み込まれているのは、リアリティがあって読めるのでまずはAmazonプライムで読んでみようと。ドラマもAmazonプライムで見れるようですね。
<12> その他”余談本”5冊
持ち込みの推し本によるプレゼンと意見交換では持ち時間の制約上、1冊のお話しかできません。
でも、休憩時間や懇親会中にぽろっと出てくる余談の中で紹介される本が意外に興味を引くので、余談で出てきた本のリンクもつけておきますね。
以上
さて、いかがでしたか?
興味がわいた本はありましたか?
普段、あまり手に取らない本だらけだけど、息抜きがてらに紐解くと、ハッとさせられることが多いものです。
5.どく友会のサマリー
<主旨>
新たな本に出会い、新たな知恵を日常生活で実践するキッカケとする。
<進め方>
開催は、隔月の第3か第4土曜日が基本。(1・3・5・7・9・11月)
参加者が持参したお勧めの書籍の内容レビュー、感想を”ゆるく”、時には熱く、情報交換することが基本の流れです。
(レビュー頂く内容)
①著者の紹介
②ザックリと書籍の内容をレビュー
③印象深い点、気づき、学びを3つほど発表
④質疑応答
<ルール>
(1)一人一冊、必ずお勧めの書籍を持参。
(2)人生や仕事に役立つ本を持参のこと。
※著者・出版社の方は自分(自社)の書籍のPR持参もOK!
●年齢は30代、40代が多いですが、職業もバラバラなので個性的です。
●3分の1は初参加の方です。
●男性6:女性4の構成
●普通にお友達をお連れ頂くのもOK。
<経緯>
毎月平均8冊程度本を読んでいますが、ただ学んでいるだけでは面白くなく、他人がどういう視点で解釈しているのか。また、学びをどう実践するのか。そこに関心がありました。でも、なんだか世間の読書会でぴったりくるのがなかったので、自分でやってみようと思いました。
「新たな書籍との出会い×他人の価値観の学び×日常への実践活用」
この掛け算が僕のコンセプトです。
本好き集まれ!!!!!
著者・思考の整理家® 鈴木 進介
6.2022年の書籍紹介一覧
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