私の両親は非常に仲が良く、当時小学校高学年の私に4歳下の弟を託し、しばしば揃って飲みに出かけていた。 留守を預かる私は姉の威信にかけて、弟の不安を少しでも和らげよ…
人並に結婚披露宴でも執り行おうと準備に勤(いそ)しんでいた頃、しばしば会場で流される『新婦の生い立ち紹介VTR』でも作成しようかと思いついた。 私の幼少期の姿を、…
気の迷いで結婚し両親と別居していた時代のある日のこと、父から着信が入った。 「おっぱいが消えないんだ」 我が父もいよいよ耄碌(もうろく)が脳に及んだかと危ぶんだ…
両親との夕食時、父は無心でテレビに見入っていた。 母はそこに居なかった弟のモノの考え方が心配である、ついては私に教育してはくれないかと持ちかけてきた。 「もう…
スズナリ|Suzunari
2022年11月22日 15:13
私の両親は非常に仲が良く、当時小学校高学年の私に4歳下の弟を託し、しばしば揃って飲みに出かけていた。留守を預かる私は姉の威信にかけて、弟の不安を少しでも和らげようと、両親の寝室で夜を過ごすことを提案した。場所が整えば次はコンテンツだ。私の中の敏腕ビジネスマンの基本セオリーはこの時点が頂点だったのかもしれない。普通のテレビ番組ではニーズにリーチできないであろうと、私は父のVHSコレクションか
2022年11月22日 15:02
人並に結婚披露宴でも執り行おうと準備に勤(いそ)しんでいた頃、しばしば会場で流される『新婦の生い立ち紹介VTR』でも作成しようかと思いついた。私の幼少期の姿を、新しい物好きの父が、何かしらの方法で撮影していた記憶が微かに呼び起こされ、データはあるかと尋ねてみた。俄かに元気づいた父が、見慣れぬ大きな機材と、お菓子の空き缶にびっしりと収められた、むき出しのテープをガチャガチャと鳴らしながらリビン
2022年11月22日 14:53
気の迷いで結婚し両親と別居していた時代のある日のこと、父から着信が入った。「おっぱいが消えないんだ」我が父もいよいよ耄碌(もうろく)が脳に及んだかと危ぶんだ。「おっぱいが消えないっ・・・て?」実の父に発する単語ではないと躊躇(ちゅうちょ)しながらも、父から発する声色に切実な響きを感じ取り、私は事情聴取を開始した。「パソコンを見てただけなのに、消しても消してもおっぱいの写真が出て
2022年11月22日 14:41
両親との夕食時、父は無心でテレビに見入っていた。母はそこに居なかった弟のモノの考え方が心配である、ついては私に教育してはくれないかと持ちかけてきた。 「もうアイツもいい年なんだから、今更啓蒙したって・・・」私は母に諦めるよう説得を試みようとした。 「ケイモウって?」母がイノセントに訪ねる。しまった、そこからか。若干の面倒くささに、私は父に助けを求めた。 「パパ、啓