スズナリ|Suzunari

ボクラガ ニドトナイ イマニ ヒカル ホシナラバ キノウト カワラナイ キョウヲ イキ…

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ボクラガ ニドトナイ イマニ ヒカル ホシナラバ キノウト カワラナイ キョウヲ イキル イミガアル

最近の記事

弟と留守番した話

私の両親は非常に仲が良く、当時小学校高学年の私に4歳下の弟を託し、しばしば揃って飲みに出かけていた。 留守を預かる私は姉の威信にかけて、弟の不安を少しでも和らげようと、両親の寝室で夜を過ごすことを提案した。 場所が整えば次はコンテンツだ。私の中の敏腕ビジネスマンの基本セオリーはこの時点が頂点だったのかもしれない。 普通のテレビ番組ではニーズにリーチできないであろうと、私は父のVHSコレクションから弟のサービスレベルアグリーメントを得られそうなタイトルを模索した。 「となりの

    • 父と8ミリフィルムの話

      人並に結婚披露宴でも執り行おうと準備に勤(いそ)しんでいた頃、しばしば会場で流される『新婦の生い立ち紹介VTR』でも作成しようかと思いついた。 私の幼少期の姿を、新しい物好きの父が、何かしらの方法で撮影していた記憶が微かに呼び起こされ、データはあるかと尋ねてみた。 俄かに元気づいた父が、見慣れぬ大きな機材と、お菓子の空き缶にびっしりと収められた、むき出しのテープをガチャガチャと鳴らしながらリビングに戻ってきた。 今や絶滅危惧種となった『8ミリフィルム』とその映写機であるとい

      • 父とパソコンの話

        気の迷いで結婚し両親と別居していた時代のある日のこと、父から着信が入った。 「おっぱいが消えないんだ」 我が父もいよいよ耄碌(もうろく)が脳に及んだかと危ぶんだ。 「おっぱいが消えないっ・・・て?」 実の父に発する単語ではないと躊躇(ちゅうちょ)しながらも、父から発する声色に切実な響きを感じ取り、私は事情聴取を開始した。 「パソコンを見てただけなのに、消しても消してもおっぱいの写真が出てくるんだ」 情報システム管理者が誰しも一度は耳にしたであろう、何にもしてないの

        • 両親との夕食時に苦しんだ話

          両親との夕食時、父は無心でテレビに見入っていた。 母はそこに居なかった弟のモノの考え方が心配である、ついては私に教育してはくれないかと持ちかけてきた。 「もうアイツもいい年なんだから、今更啓蒙したって・・・」 私は母に諦めるよう説得を試みようとした。 「ケイモウって?」 母がイノセントに訪ねる。 しまった、そこからか。 若干の面倒くささに、私は父に助けを求めた。 「パパ、啓蒙ってわかるよね?」 テレビに奪われていた父の意識を無理やりこちらに向けると、

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