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【有料note】トレーニングについて

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東京五輪1500m金メダリストのヤコブ・インゲブリクトセンが実践するノルウェー式二重閾値走のトレーニングシステム

東京五輪1500m金メダリストのヤコブ・インゲブリクトセンが実践するノルウェー式二重閾値走のトレーニングシステム

東京五輪男子1500m / オレゴン世界選手権5000m金メダリストのヤコブ・インゲブリクトセンは、2023年6月のダイヤモンドリーグパリ大会の男子2マイルで圧倒的な走りを見せ、7:54.10の世界最高記録をマークした。

男子2マイルの7:54.10は世界陸連のスコアリングテーブルに照らし合わせると他の中長距離種目で以下のパフォーマンスに相当する。

1500m 3:25.90
3000m 7:

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陸上中長距離の試合前日 / 前々日の刺激走について五輪選手の調整メニューを参考に考察する。

陸上中長距離の試合前日 / 前々日の刺激走について五輪選手の調整メニューを参考に考察する。

日本で学生時代に陸上中長距離に取り組んでいると、試合前日 / 前々日に刺激走と呼ばれる1000m(前日)or 2000m(前々日)の調整練習を経験する人が多いだろう。

【946票中】
64.5%:これまでに刺激走をやったことがある
58.8%:今は刺激走をやっていない
41.2%:今も刺激走をやっている(現役時代にやっていた)
29.6%:試合前は軽いジョグと流しでよくない...?

ちなみに.

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「おめでとうございます!あなたの記事が合計1000回購入されました!」

「おめでとうございます!あなたの記事が合計1000回購入されました!」

noteを2020年1月から初めて1年半が経ちました。

この1年半で無料記事を合計124記事公開し、有料記事は合計18記事。8記事中1記事が有料記事、というペースで書いてきました。

noteで有料記事を公開していて興味深いのは、公開した時に売れる数と、その後ロングテールでジワジワ売れていく数が同等ぐらいになることがあるケース。

先日、有料記事が計1,000回購入されたのでnoteからこういう

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【note有料記事一覧】

【note有料記事一覧】

2021/3/31までに執筆した無料記事は109本、対して有料記事は18本。今もこれぐらいの比率で情報発信していく予定です。

中長距離走のトレーニング編私の2019年11月ハーフ1:19:15(3:45/km) → 2020年11月1:09:15(3:16/km)までの1年間の練習メニュー【27,548文字】

長文なのは、1年間のメニュー内容がズラーリと並んでいるから。それでもその内容とともに

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育児家庭で"朝練メイン"に変えて3ヶ月半、単独練習のみでハーフ1:09:15→1:07:45(※社会人ベスト相当)まで縮めた34歳の私の練習メニュー

育児家庭で"朝練メイン"に変えて3ヶ月半、単独練習のみでハーフ1:09:15→1:07:45(※社会人ベスト相当)まで縮めた34歳の私の練習メニュー

Facebookには1年前や2年前の投稿の振り返りができるようになっているが2年前の3月に私はハーフマラソンを1:27:49で完走した。それから2年が経ち、21.1km走の"練習"で1:07:45で走るまでになった。

そこで、この3ヶ月半の練習内容を以下に振り返りたいと思う。

この記事は【私の2019年11月ハーフ1:19:15(3:45/km) → 2020年11月1:09:15(3:16/

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中距離ランナーからマラソンランナーまで効果をもたらす「坂ダッシュ」の重要性。

中距離ランナーからマラソンランナーまで効果をもたらす「坂ダッシュ」の重要性。

私は中長距離走のトレーニングで、老若男女のどのレベルの選手でも恩恵を受けることのできる【ランニング】の練習を挙げるならば、

① ジョグ(有酸素能力、回復力向上)
② ロングラン(有酸素能力、筋持久力向上)
③ 坂ダッシュ(神経筋への刺激 / ランニングエコノミー向上)
④ 不整地・起伏を走る(クロカン、ロングランなど)
の4つを挙げる。

ペース走やインターバルは?と突っ込まれそうであるが、これ

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私の2019年11月ハーフ1:19:15(3:45/km) → 2020年11月1:09:15(3:17/km)までの1年間の練習メニュー

私の2019年11月ハーフ1:19:15(3:45/km) → 2020年11月1:09:15(3:17/km)までの1年間の練習メニュー

先日、旧来の練習相手である10000m28分台ランナーに引っ張ってもらい21.1km走をしたところ、ちょうど1年前の今頃よりも10分ジャスト速いタイムで走破できたので、この1年間の練習メニューを以下で振り返ってみたい。

この数年間の出場レースと2019年11月から2020年5月までのメニュー【出場レース】
2017年:1月 新宿シティハーフ10km 32:58
(30歳)3月 多摩ロードレース5

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【5000/10000m世界記録保持者】ジョシュア・チェプテゲイのトレーニングメニュー

【5000/10000m世界記録保持者】ジョシュア・チェプテゲイのトレーニングメニュー

2020年はジョシュア・チェプテゲイ(2020年に3種目の世界記録更新)やジェイコブ・キプリモ(世界ハーフ優勝)といったセベイ族のウガンダ長距離選手の活躍が目立ったが、彼らが所属するトレーニングキャンプや、どのようなトレーニングをしているかについてはあまり知られていない。

以下の記事はウガンダのカプチョルワを拠点としている3人のウガンダの長距離金メダリストの基本情報をまとめた記事である。

今回

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ハーフマラソン欧州記録(59:13)保持者ジュリアン・ワンダース:2020年の試合期から10月の世界ハーフまでの2ヶ月間のトレーニングメニュー

ハーフマラソン欧州記録(59:13)保持者ジュリアン・ワンダース:2020年の試合期から10月の世界ハーフまでの2ヶ月間のトレーニングメニュー

私がジュリアン・ワンダースとケニアのイテンで出会ったのが2017年の1月で、それから2年後に彼はハーフマラソンで59:13の欧州記録(非アフリカ系歴代最速)を出すまでに成長していた。

(2017年1月 / ジョグの後の流し)

その間に彼はNNランニングチームの正式メンバーとしてグローバルスポーツコミュニケーションズと契約。彼は5000m、10000m世界記録保持者のジョシュア・チェプテゲイと同

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“マラソンサブ2:05”のためのトレーニング (レナート・カノーバのトレーニングシステムその①)

“マラソンサブ2:05”のためのトレーニング (レナート・カノーバのトレーニングシステムその①)

2020年のロンドンマラソンが10/4に開催されるが、陸上長距離の面白い統計がある。

2003年パリ世界選手権でキプチョゲは5000m、ベケレは10000m優勝。当時のマラソンの世界記録はハリド・ハヌーシの2:05:38だったが、その後17年間で88人がその記録を上回り、マラソンの世界記録は4分縮まった。

それとは対照的に、トラックの5000mの世界記録は今年の8月に“16年ぶり”にやっと更新

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ラストスパートはスピードがあるから、それともスタミナのおかげ?

ラストスパートはスピードがあるから、それともスタミナのおかげ?

(トップ画は2019年の全日本大学駅伝関東予選会:第4組優勝のY. ヴィンセントのラストスパート)

ラストスパートは、市民ランナーでマラソンだけを走るような人にはあまり馴染みがないのかもしれませんが、トラックレースにしろ、ロードレースにしろ勝負で勝とうと思ったら、練習の段階から競り合いによってラストスパートを磨くという局面があると思います。

さて、そこで皆さんに質問です。

ラストスパートはス

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リディアードシステムとメルボルントラッククラブのニック・ビドゥのトレーニングシステム

リディアードシステムとメルボルントラッククラブのニック・ビドゥのトレーニングシステム

(トップ写真:2020年ゴールドコーストハーフで豪華な日本勢を抑えて優勝するジャック・ライナー)※コーチ:ニック・ビドゥ

昨今の中長距離走の様々なトレーニングシステムの中でも、それらを紐解いていくと、行き着くトレーニングの原理原則とは結局リディアードシステムであったりする。

それは“期分け”という戦略1つとってもそうであるし、基礎構築期にスタミナの養成から始めるのもそう。中村清監督、小出義雄監

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