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冬季オリンピック:傷害の疫学


📖 文献情報 と 抄録和訳

冬季オリンピック競技選手における傷害の疫学:システマティックレビューとメタアナリシス

📕Zang, Wanli, et al. "Exploring the epidemiology of injuries in athletes of the Olympic winter games: a systematic review and meta-analysis." Journal of Sports Science & Medicine 22.4 (2023): 748. https://doi.org/10.52082/jssm.2023.748
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[背景・目的] 本研究は、冬季オリンピックに参加するアスリートにおけるスポーツ傷害の発生率を包括的に評価し、その要因を調査することを目的とした。

[方法] 最近4回の冬季オリンピック競技大会に参加したアスリートの傷害データを収集し、スポーツ種目、性別、傷害部位、種類に関する詳細を組み込んだ。メタアナリシスにより、各スポーツの傷害発生率を算出し、これらの発生率に対する性別とスポーツの種類の影響を調べた。

[結果] 11,197人の登録アスリートのうち、1,304人のスポーツ傷害を記録した。

■ 冬季オリンピック15種目における性差に基づく傷害発生率
・傷害発生率が最も高かったスポーツ種目は、フリースタイルスキー、スノーボード、アルペンスキー、ボブスレー、アイスホッケーだった

■ 冬季オリンピックにおける身体部位別の傷害分布
・傷害部位は膝、胸部/腰部/背部、手首/手/指が多かった。

■ 冬季オリンピックにおける傷害の種類
・打撲、血腫、打撲が最も多く、次いでひずみ(筋断裂、断裂、腱断裂を含む)、捻挫(脱臼、亜脱臼、靭帯断裂を含む)が多かった。

[結論] 冬季オリンピックでは、フリースタイルスキー、スノーボード、アルペンスキー、ボブスレー、アイスホッケーなどの競技が特にリスクが高い。主な負傷部位は、膝、脊椎/背部、手首/手指などで、打撲傷、血腫、ひずみ、捻挫など多岐にわたる。効果的な傷害予防のためには、適切な医療資源の配分、医療従事者の専門的なトレーニング、会場の入念な整備を重視することが極めて重要である。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

ぼくは、雪上のスポーツに恐怖心を抱いている。
忘れもしない、大学生の頃。
友達にスノーボードに誘われ、ほぼ初心者で滑り始めた。
だんだんと滑れるようになり、面白くなってくる。
少しスピードを出して滑ろうと思って、方向転換したとき、斜面に対して後方に転倒した。
そして、後頭部を雪上に強く打ち付けた。
「痛て〜」と思い、起き上がったとき、『鼻血』が出た。

後頭部を打って鼻血が出る。
これは、何かヤバいことが起きている、そう思われた。
すぐに徒歩で雪上を降りて、後の時間、翌日を休憩室でゲレンデを眺めながら過ごした(特に大事には至らなかった)。
雪上のスポーツの事故は、車やバイクの事故に似ていると思う。
その心は、『人力を超えた速度や力が加わる』である。
スキーも、スノーボードも、スケートも、陸上を走るよりもずっとずっと速い。
その状態で、転んだ日には、それは怪我をすると思う。
挫傷、捻挫、骨折・・・、これが起こりやすいのも納得である。
ウィンタースポーツの怪我には、よくよく気をつけたい。

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