米国関節リウマチ学会。運動,リハビリのガイドライン
📖 文献情報 と 抄録和訳
2022 米国リウマチ学会 関節リウマチに対する運動、リハビリテーション、食事療法およびその他の統合的介入に関するガイドライン
[背景・目的] 関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)患者に対する統合的管理アプローチの一環として、疾患修飾性抗リウマチ薬(disease-modifying antirheumatic drugs, DMARDs)と併用した運動、リハビリテーション、食事療法、および追加的介入の使用に関する米国リウマチ学会(American College of Rheumatology, ACR)の初期ガイドラインを作成すること。
[方法] 専門職間のガイドライン作成グループにより、臨床的に適切なPopulation(集団)、Intervention(介入)、Comparator(比較対象)、Outcome(結果)(PICO)の質問を作成した。その後、文献レビューチームが系統的な文献レビューを行い、GRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)アプローチを適用してエビデンスの確実性を評価した。3名のRA患者を含む専門職間投票パネル(n = 20名)が、推奨の方向性(賛成または反対)と強さ(強いまたは条件付き)についてコンセンサスを得た。
[結果] 投票パネルは、RAの管理におけるDMARDsと併用した統合的介入の使用に関する28の推奨についてコンセンサスを得た。一貫した運動への取り組みは強い推奨となった。27の条件付き推奨のうち、4つが運動、13つがリハビリテーション、3つが食事療法、7つがその他の統合的介入であった。これらの推奨はRA管理に特化したものであり、これらの介入の多くには他の医学的適応や一般的な健康上の利益が存在する可能性があることを認識している。
[結論] 本ガイドラインは、DMARD治療に付随するRA管理のための統合的介入について、ACRが最初に推奨するものである。これらの推奨に含まれる幅広い介入は、RA管理における専門職間のチームベースのアプローチの重要性を示している。ほとんどの推奨は条件付きであるため、これらの推奨を適用する際には、臨床医がRA患者と意思決定を共有する必要がある。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
関節リウマチは、とても難しい疾患のように思う。
炎症惹起の閾値が低いため、常に腫れ物に触るような理学療法になりがちだ。
そして、関節リウマチリハの印象として、完治を目指すというより、with RA、その症状とともにどう生きていくか、という部分に重心を置いたリハビリテーションになると感じていた。
今回のガイドラインによって勇気づけられたことは、関節リウマチ患者に対する運動介入が強い推奨となっており、運動介入を積極的に行なっていくことは間違ってはいないということ。
ただし、Guideline Summaryで述べたように、症状と運動強度、頻度、種類などの詳細は、研究の異質性が大きく不明瞭であり、今後の課題である。
そしてもう1点。
作業療法士の重要性だ。
その症状を有した状態で、どのように生活を組み立てていくか、上肢の装具/スプリントをどうするか、といった部分はまさに作業療法士の主戦場だ。
その意味合いにおいて、関節リウマチのリハビリテーションにおいて、作業療法士の重要性はひときわ輝かしいものになるのではないだろうか。
関節リウマチのリハビリテーションの全体像が、少しつかめた気がした。
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