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四つ子の運動九つまで


📖 文献情報 と 抄録和訳

WHO身体活動ガイドラインの達成と体力との縦断的関連(就学前から小児期まで)

📕Tigerstrand Grevnerts, Hanna, et al. "Longitudinal associations of meeting the WHO physical activity guidelines and physical fitness, from preschool to childhood." Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports 34.4 (2024): e14624. https://doi.org/10.1111/sms.14624
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※ Connected Papersとは? >>> note.

[背景・目的] 子どもの身体活動(physical activity, PA)と体力の間には確立された関係があり、後者は現在と将来の健康のための重要な指標である。しかし、就学前の年齢から幼児期への移行期に関する知識はまだ不十分である。そこで、スウェーデンの小児を対象とした本研究では、4歳および/または9歳時にPAガイドラインの有酸素運動要素を満たすことが、9歳時に測定した体力に及ぼす推定効果を調査することを目的とした。

[方法] スウェーデンの健常児217名(男児114名、女児103名)を対象に、手首に装着するActiGraph加速度計と同一のデータ処理を用いてPAを評価した。体力テストには、心肺機能(20mシャトルランテスト)、運動機能(4×10mシャトルラン)、筋力機能(握力、走り幅跳び)が含まれた。線形混合モデルを実行し、PAガイドラインを満たすことと時間(4歳または9歳)と各体力要素(4歳と9歳)の間の交互作用を調べた。性別による交互作用も調べた。

✅4歳時点の身体活動の活発/不活発の定義
・参加者は、WHOが5歳未満の子どもに対して定めたPAガイドラインの有酸素運動要素(すなわち、1日3時間の身体活動、うち60分は中等度から活発な強度(MVPA)であること)
・または5歳以上の子ども(すなわち、1日60分のMVPA)を満たしていれば、活動的であると分類された。

[結果] PAガイドラインを一貫して満たすこと(4歳時、9歳時)は、9歳時の運動体力(-0.76秒、p<0.001)と下半身の筋力体力(+4.6cm、p<0.001)の体力パラメータの成績向上と有意に関連していた。心肺フィットネス(+4.58 laps; p < 0.001)では、PAガイドラインを満たすことと時点との間に交互作用がみられた。

特に、男子は4歳時の活動度が9歳時の筋力機能に及ぼす影響が大きかった

[結論] この研究は、4歳と9歳の時点でPAガイドラインを満たすことが、9歳の時点でのより高い体力と関連していることを示している。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

『ライフコース疫学』、という言葉がある。

✅ライフコース疫学とは?
・ライフコース疫学とは、胎児期,小児期, 思春期, 青年期, そしてその後の成人期における物理的また社会的な曝露についての,その後の健康や疾病リスクへの長期的な影響に関する研究と定義される。
・この言葉は1997年のKuhらの著書の初版本から広く使われるようになった。

📕近藤克則. 日本公衆衛生雑誌 57.4 (2010): 316-319. >>> Cinii

今回は、かなりスパンの短いライフコース疫学ではあるが、有益だ。
僕には、二人の子ども(女子)がいて、いま、5歳と9歳である。
そんな僕は思うのだが、親視点において、4歳では油断しがち、9歳では結構気合いが入ってくる。
つまり、4歳の子どもに対しては「まだまだ小さいからね、好きなことをしてね✨」という感じ。
だが、9歳の子どもに対しては「運動をしっかりして、フォームはこうで・・・、今が大事だから」という気合が。

今回の抄読研究の結果は「いやいや、4歳から頑張った方がいいですよ」ということを教えてくれた。
4歳時点で活発だった子どもは、9歳時点での運動能力、体力が高いことが明らかになった。
先のことを思うならば、4歳時点も疎かにはできないかもしれない。
あくまでも、子どもの自発性は第一なのだろうけれど・・・。

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