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老化時計と運動。アスリートの予測年齢は?


📖 文献情報 と 抄録和訳

血液検査に基づく年齢加速度は、運動量の多いスポーツ活動と逆相関する

📕Juhász, Vencel, et al. "Blood Test-Based age Acceleration Is Inversely Associated with High-Volume Sports Activity." Medicine and Science in Sports and Exercise (2024). https://doi.org/10.1249/MSS.0000000000003380
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Not applicable

[背景・目的] 血液検査に基づく老化時計を開発し、これらの時計が大量のスポーツ活動をどのように反映するかを調べる。

[方法] ハンガリー人アスリート421名と年齢をマッチさせた対照者283名(それぞれ平均年齢24.1歳と23.9歳)の血液検査と身体測定データを使用する。NHANESデータセットを用いて、2つの年齢予測モデル(すなわち、老化時計)を訓練した。最初のモデルは血液検査パラメータのみに依存し、2番目のモデルはさらに身体計測と性別を組み込んだものである。

[結果] アスリートにおける老化時計による年齢加速(予測年齢と実年齢から計算)は、年齢をマッチさせた対照群と比較して低く、中央値は-1.7歳と1.4歳であった(P<0.0001)

BMIは、年齢をマッチさせた対照群(r = 0.17、P < 0.01)および非制限NHANES集団(r = 0.11、P < 0.001)において、年齢加速と正の相関を示した。アスリートのデータセットでは、BMIと年齢加速との間に関連は認められなかった。その代わりに、アスリートにおいて年齢加速は、体脂肪率(r = 0.21、P < 0.05)と正の相関があり、骨格筋量(Pearson r = -0.18、P < 0.05)と負の相関がある。年齢予測において最も重要な血液検査の特徴は、血清フェリチン、平均細胞量、血中尿素窒素、アルブミン値であった。

[結論] 我々は、成人アスリートと健常対照者に対し、血液検査に基づく老化時計を開発し、適用した。このデータは、大量のスポーツ活動が生物学的老化の遅延と関連していることを示唆している。ここでは、日常的な血液検査に代わる有望な応用法を提案する。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

実年齢と、予測年齢。
この2つはが完全に一致する人は少ないだろう。
予測年齢は、さまざまな方法で算出される。
基礎代謝をもとにカラダの状態を年齢であらわした『体年齢』がよく知られている。

今回の抄読研究では、「血液データによる年齢予測」を算出し、老化時計と名付けている。
そして、アスリートと年齢をマッチさせた対照群において、その予測年齢と実年齢から年齢加速を算出し、比較した。
その結果として、アスリートは対照群より年齢加速が遅延していることが明らかとなった。
運動は老化を遅らせる、この常識的な知識をサポートする結果となった。
老化を遅延させたくば、運動は選択肢の1つだ。

流水濁らず、忙人老いず

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