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Cross-Educationの威力。筋トレは非麻痺側→麻痺側でやるべし
📖 文献情報 と 抄録和訳
脳卒中後のリハビリテーションにおける筋力と運動機能に対するクロスエデュケーションの効果を評価する: 系統的な文献レビューとメタアナリシス
📕Smyth, Claire, et al. "To assess the effects of cross-education on strength and motor function in post stroke rehabilitation: A systematic literature review and meta-analysis." Physiotherapy (2023). https://doi.org/10.1016/j.physio.2023.02.001
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✅ 前提知識:Cross-Educationとは?
・神経生理学的な現象で、反対側の四肢で一方的に筋力トレーニングを行うと、トレーニングしていない四肢の筋力が増加することをいう(📕Lee, 2007 >>> doi.)。
・ベースラインからの健康な集団の筋力に対するクロスエデュケーションの推定効果は、下肢で16~18%、上肢で9~17%と報告されている(📕Green, 2018 >>> doi.; 📕Manca, 2017 >>> doi.)。
🔑 Key points
🔹クロスエデュケーション(Cross-Education)は、脳卒中後遺症のある方の患肢の筋力向上を図る上で、統計的にも臨床的にも有益であることが示された。
🔹クロスエデュケーションは、脳卒中後遺症の強い上肢の運動機能を改善する上で、統計的にも臨床的にも有益であることが示された。
🔹さらに質の高い研究を行うことが推奨される。
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[背景・目的] クロスエデュケーションとは、反対側の四肢を片側ずつトレーニングした後に、トレーニングしていない四肢の運動出力が増加することを指す。クロスエデュケーションは、臨床現場において有益であることが示されている。
目的:この系統的な文献とメタアナリシスは、脳卒中後のリハビリテーションにおける筋力と運動機能に対するクロスエデュケーションの効果を評価することを目的としている。
[方法] データソースMEDLINE、CINAHL、Cochrane Library、PubMed、PEDro、Web of Science、ClinicalTrails.gov、Cochrane Central registersを2022年10月1日まで検索した。研究の選択脳卒中と診断された人を対象に、影響の少ない四肢の片側トレーニングを用いた対照試験と英語。データの統合方法論の質は、Cochrane Risk-of-Bias tools を用いて評価した。エビデンスの質は、Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluationを使用して評価した。メタアナリシスは、RevMan 5.4.1を用いて実施した。
[結果] 131名の参加者を対象とした5つの研究がレビューに含まれ、95名の参加者を対象とした3つの研究がメタ分析に含まれた。クロスエデュケーションは、上肢筋力(p < 0.003; SMD 0.58; 95% CI 0.20-0.97; n = 117)および上肢機能(p = 0.04; SMD 0.40; 95% CI 0.02-0.77; n = 119)に統計的にも臨床的にも有意な効果があることが示された。
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※ 制限事項:研究数が少なく、すべての研究が何らかのバイアスリスクを有すると認定された。限界と不正確さのため、エビデンスの質は「低」と評価された。
[結論] 脳卒中後の患部の大きい上肢の筋力や運動機能の改善には、クロスエデュケーションが有効である可能性がある。脳卒中リハビリテーションにおけるクロスエデュケーションの利点に関する研究はまだ限られているため、さらなる研究が必要である。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
以前、脳卒中患者の筋トレにおいて、非麻痺側の筋力トレーニングがバランスと歩行耐久性を向上させることを学んだ。
だが、それのみに留まらず、非麻痺側の筋トレは、麻痺側の筋力発揮に影響を及ぼすことが今回抄読したメタアナリシスによって明らかとなった。
これまで、麻痺側と非麻痺側の筋トレを両方行うことはしばしばあったが、その順序にこだわりは少なかった。
が、今後はデフォルトは一貫して「非麻痺側→麻痺側」にしていこうと思う。
それだけで、10-20%くらい麻痺側の筋出力が向上するのだとすれば、これは凄いことだ。
同時に、脳卒中者の筋力トレーニングにおいて、非麻痺側の筋トレは必須ではないか!?
増単してでも、やる価値はありそうだ。
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