最良の筋トレ処方。“HM2”か“HM3”が良し
📖 文献情報 と 抄録和訳
健康成人における筋力と筋肥大のための筋力トレーニング処方:系統的レビューとベイズネットワークメタ解析
[背景・目的] レジスタンストレーニング処方(resistance training prescription, RTx)の変数(負荷、セット、頻度)の異なる組み合わせが、筋力および筋肥大にどのように影響するかを明らかにすること。
[方法] データ情報源:MEDLINE、Embase、Emcare、SPORTDiscus、CINAHL、Web of Scienceを2022年2月まで検索。適格基準:健常成人を対象とし、少なくとも2つの事前定義された条件(非運動コントロール(non-exercise control, CTRL)と12RTx、負荷、セット数、および/または週頻度で区別)を比較し、筋力および/または筋肥大を報告した無作為化試験を対象とした。解析:RTxsとCTRLの比較には、システマティックレビューとベイズネットワークメタ解析の手法を用いた。累積順位曲線下曲面値を用いて条件の順位付けを行った。信頼性は閾値分析で評価した。
[結果] 筋力ネットワークには178の研究が含まれた(n=5097;女性=45%)。筋肥大ネットワークには119の研究が含まれた(n=3364;女性=47%)。すべてのRTxは筋力および筋肥大においてCTRLより優れていた。高負荷(単回最大反復回数の80%以上)の処方は筋力増加を最大化し、すべての処方は筋肥大を同等に促進した。多くの処方の計算上の効果は同様であったが、高負荷、マルチセット、週3回のトレーニング(標準化平均差(95%信頼区間);1.60(1.38~1.82) vs CTRL)が筋力に関するRTxの最高順位であり、高負荷、マルチセット、週2回のトレーニング(0.66(0.47~0.85) vs CTRL)が筋肥大に関するRTxの最高順位であった。閾値分析により、これらの結果は極めて頑健であることが示された。
可動性(25研究、n=859、年齢(平均)=68歳)、歩行速度(15研究、n=488、68歳)、バランス/柔軟性(11研究、n=323、68歳)を評価した研究はほとんどなかった。CTRLと比較すると、LM2、LM3、HM3は95%の確率で可動性と歩行速度を改善したが、HM3はバランス/柔軟性を改善した唯一の条件であった。いずれの身体機能アウトカムにおいても、RT処方間に差は認められなかった。
[結論] すべてのRTxは、運動なしと比較して筋力および筋肥大を促進した。筋力に関する最高ランクの処方にはより高い負荷が含まれ、肥大に関する最高ランクの処方には複数セットが含まれた。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
運動処方において、FITTがある。
FITTとは、運動処方に大切な4つのポイントのことで、Frequency:運動頻度、Intensity:運動強度、Time:運動時間、Type of exercise:トレーニングの種類を示す。
今回の抄読文献は、筋力トレーニング処方において重要な「XY#」の3ポイントを示した。
ひとは、あまりにも高い自由度には呆然としてしまう。
「この人生をどう生きますか?」
「このキャンバスになんでも自由に絵を描いてください」
と言われたときのように。
「今日の仕事中には、どう生きますか?」
「このキャンバスに“ちいかわ”の絵を描いてください」
なら、嬉々として答えるだろうと思う。
枠組みや、答えるべき領域がはっきりしていることは、とても大切だ。
その点、「XY#」がわかっていれば、筋トレ処方は少しやりやすくなる。
嬉々として、処方するだろうと思う。
「XY#」、覚えておきたい。
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