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【不安と抑うつ】②不安についての理解を深める



◆「不安」とは何か?

「不安」とは、
これから起こる事態に対する恐れから、気持ちが落ち着かない様(大辞泉)
人が不安を喚起する場面
①未知なる状況に遭遇している時
②コントロールを失う可能性がある時

これまでの日常やルールが通用しない未知に対しては敏感になる。
自分が過ごしやすい様に環境をコントロールすることで、平常心を保っている。
このコントロールが脅かされる時に、この状況を脳が危険と捉える。

コントロールを回復することが、基本的に求められるが、
コントロールしても、よりコントロール感を失うような状況がある。

例えば、パニック症の人が、パニック発作を抑えようと様々なことを試みるが、
多くの試みはより焦りが募り、不安を増大させ、発作を頻回にするなど……。

短期的に不安を減らそうと過剰に試みることは、
返って不安を増強させることになる。
不安症全般に渡り、このような不安対処の悪循環が見られるのも特徴の一つ。



◆不安症とは?

不安の内容は、人それぞれ、多様だ!

微妙なニュアンスの違いがある!
現実不安
神経症的不安
精神病的不安
見捨てられ不安
超自我不安
抑うつ不安
去勢不安
自動性不安
分離不安
飲み込まれ不安
破滅・解体不安
迫害不安

色のように見えるものではなく、
概念的なもので、輪郭はぼんやりしている


不安の対象やきっかけによる


【社交不安症(SAD)】人前で話すことが不安

・話すことでの評価を極度に恐れ、常に回避や忍耐を強いられている状態。
・SADがうつ病に先行して発症する例も多い。

ホフマンが提唱しているモデル
SAD患者は、他者からの要求水準をあまりに高く評価し、それに達しない自分を批判する傾向がある。多少の不安や失敗は許容されるものであり、人は気づかないものである、という現実を曲げて解釈し、不安を強める傾向がある。

不安な感覚や自分の言動にばかり注意が焦点化され、ポジティブな情報を見過ごして、より不安になる悪循環が生まれる。


なるほど〜、ポジティブな面に目を向けられなくなって、ネガティブな面にばかり目がいってしまって、より不安になっていくのね!
だから、うつ病に先行して発病なのね〜

私は、↑評価を感じてしまうことで、不安を喚起することが多いな〜
面接やロールプレイ、評価の目を感じてしまうと急激に力を発揮できなくなる…
ロープレの時、普段できてるのにどうしてできなくなるの?とよく言われた(笑)
極度に弱い自覚あるんだよね〜




【全般不安症(GAD)】何もかもが不安

・仕事、家族、経済など広範囲の事柄に対して過剰な不安
・その不安が1日の半分以上ある日が6ヶ月間続き、生活に支障を来す状態。
・うつ病との併存も多いと考えられている。

ウェルズのGADモデル
過剰な不安に困難を訴えつつも、以下のような考え方を持つ。
「心配しなかったらよりまずいことが起きる」
「心配しているから、恐れていることが起きても驚かずに済む」

この考え方により、次々に不安が引き起こされて、覚醒続ける脳と、
戦闘状態の身体が、さらに心配を引き起こすことが悪循環を生む。

心配するという対処法略の有用性を検証してみる。
(そう考えることで、本当に不安は減っているのか?)
注意を不安からそらす注意トレーニング、
身体的緊張を緩和することが有効と言われている。


ずっと何かを心配をしている状態だから、ビクビクして体が緊張状態か〜
だから過敏になっていて、ずっと落ちつかない状態ってことかな!
過敏状態だ続いているから、うつ傾向も伴いやすいのかもな〜

緊張が続きているから、リラックスすることがすることが有効なんだね
マインドフルネスで集中と注意を不安からそらすことも効果良さそう〜




【パニック症】不安な感覚に耐えられない

・パニック発作を経験した後、1ヶ月以上発作への不安(予期不安)
・パニック発作を原因とする行動の変化の継続している状態
・パニック症は、うつ病との併存率も高い。

パニック発作:動悸、呼吸苦、めまい、胸痛、発汗、気が遠くなる感覚などを伴う

サルコフスキスの提唱したモデル
呼吸苦の評価がさらなる発作の憎悪を産む。
アンドリューの提唱したモデル
「以前の発作の感覚に似ている」
「発作をコントロールできない」
という思考が、それに伴う不安反応によって強められる。


パニック発作は、異常や危険ではない!
自然に発作が消沈する経験をするために、回避していた状況や、
不快な身体感覚に直面して向き合う。
パニック発作が危険ではなく恐れていることが発生しないことを
実際の行動で確認することで、過剰な不安が減っていく。


突然に起こる身体の過覚醒で、体がおかしくなったと思うんだよね……
身体が危険の反応が起こっているから、感情も思考も危険と感じていてもたってもいられなくなるというような感じになってしまう……
状況や行動は、危険なことはないのに、体が危険という反応しているだけ。
誤作動、エラーが起きているっということだね!
危険ではないので、身体の反応が鎮まるのを待てれば、危険がないことがわかっていくと思う。エラー修正が必要という感じだね。

私は、発作を経験して、ある場面にに対して、アンドリューにあるような思考のような、発作を感じることへの恐怖を感じていた。自分が安心できるもの(お守り的となるもの)を持って、接近し不安を消沈する経験をしていった。
私は母に対してだったので、一人で会わず、妹と一緒に面会するようにして慣らしていった!



【強迫症(OCD)】完璧な安心が欲しい、曖昧が受け入れられない

・望まない不快な考え(強迫観念)に対して、
行動的、認知的(強迫行為・儀式的行為)な方法で不快感の緩和を試みて、
著しい時間の浪費や当事者の苦痛となっている状態。
・汚染、安全、宗教的、性的、対称性へのこだわりなど。

強迫症に共通する考え
「完璧に不安感や不快感をなくしてスッキリしたい」
「後で後悔したくない」
「確実な安心が欲しい」
過剰な確認や努力を強迫行為として実行するが、かえって不完全さや不確実さが目について、強迫行為が大きく広がって、複雑化していく。

あえて、不安、不快感を喚起するために強迫観念を保留、変容する曝露反応妨害法が効果があるとされるが、直視するのでとっても大きな負担を強いられるため、専門家とともに行うことが安全であり、専門家の技術も問われる。

行動や認知のエラー反応が起きているけど、そうしないと不快と考えてしまう。
不快と感じる考えは、それを解消する行動も認知をしなくても大丈夫という修正が必要だけど、不快とわかっていることと向き合うことはとても大変だよね……



◆不安を理解する

CBT(認知行動療法)モデルでの理解


【感情】

・不安感情(怖い、心配、落ち着かない、焦りのような気持ちなど)

【身体】

・闘争逃走の生理的な反応。
・不安は未知やコントロール不全に対する情緒反応であるため、対処的行動を迫る切迫感をもたらすのは、通常に起こる反応。
・危機に対処するために、運動機能を増加させるため筋肉の緊張、呼吸量の増加、焦燥感(ソワソワ、ムズムズなど)をもたらす。

【認知】

・特徴的な思考パターン「もし、かも、どうしよう…」
不安に対する認知は、抽象的、非現実的なことが多い。
・未知に対して、あらゆることを考えることができてしまうのも不安の特徴。
・不安の内容が現実に起こり得るのか?
・明らかに起こらないことを考えているのか?
・自分に考えすぎている自覚があるのに考えているのか?
・確信的に起こると考えているのか?

【行動】

・特徴的な行動パターン「状況をコントロールしようとするか、回避するか」
・以前感じた不快な不安の感覚を味あわないように回避する。
・心配すること自体は、問題解決の合理的な対処となるとは限らない。
・解の出ない問題解決を延々と実行していたりする。
・そのような状況は、心配は、問題解決の手段ではなく、制御困難となる。
・過剰に完璧に不安制御をしようとすると、不安を解消できない悪循環を生む。


◆不安の対処として必要と思われること

・不安について理解する。
・自分の不安を正しく評価する。(不安のレベル、喚起する状況)
・不安になることを拒否したり、過大に評価しない。
・自分の不安を客観的に見る習慣を身につける。(過剰で曖昧な評価を抑制)


個人的には、喚起した時に感情を落ち着かせられる手段があると、感情を鎮め、正しい評価となる冷静さ、客観視の思考になれると考える。


◆まとめ

不安は危険を知らせる重要な感情
不安を0にするのではなく、不安と上手に付き合っていく
楽しみや充足感を得ることへ目を向けていく✨


それが不安との向き合い方なのだろう。



<参考文献>

「不安」について、心理学的性質と対処方法を論じられている、
比較的、わかりやすくて読みやすいものを見つけたので貼付します。

恐怖と心配の違いについても触れられています。

『心理学に基づく“不安“との向き合い方』追手門学院大学院心理学部、吉村晋平追手門学院大学、地域支援心理研究センター紀要 第14号、2017


『医療心理学入門』野口普子編著、金剛出版

コメディカルだけど、復習でこれを読むことが多くある。
今回の記事は、この文献を要約してまとめているよ!


自分の学びになりました✨



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