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イラスト映画劇場

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大学生の頃は、授業にも行かないで、情報雑誌「ぴあ」を片手に、関東一円の名画座を巡っていました。 サラリーマンになってから30年は、映画からは遠ざかっていましたが、定年退職後は、そ…
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#映画

映画「屍人荘の殺人」2019年

映画「屍人荘の殺人」2019年

本格ミステリー好きとしては、設定がブッ飛びすぎていて、ちょっと辛かったですが、いまや出尽くした感のあるクローズド・サークルもので、新機軸を打ち出そうと思えば、これくらいのサプライズはやむなしかもしれません。

本作は、ゾンビ・ホラーと謎解きミステリーのハイブリッド作品です。

原作小説も売れたようですが、映像化する方としても、ホラー・ファンもミステリー・ファンも確保できる、こんな美味しい原作をよく

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映画「めし」1951年東宝

映画「めし」1951年東宝

本作の原作は、林芙美子による未完の長編小説で、1951年に朝日新聞で連載されました。
物語は大阪を舞台に、ごく平凡なサラリーマン夫婦の日常を描いています。
しかし、林芙美子の急死により、連載は97回で終了。
150回を予定していたとのことですので、結果3分の2が書き上げられた段階で、未完の絶筆となってしまいました。
そして、本作はその年に、映画オリジナルのラストを追加して、成瀬巳喜男監督によって、

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映画「宇宙大怪獣ドゴラ」1964年東宝

映画「宇宙大怪獣ドゴラ」1964年東宝

実は、この映画のポスターが、我が家のポスター・ギャラリーに、ずっと長いこと貼ってあります。
個人的には、すでに鑑賞しているつもりで貼っているのですが、記憶が、かなり怪しいんですね。
ポスターにある、巨大クラゲが空中を浮遊するシーンは、ビジュアルとしては、かなり強烈ですので、見たような気がするわけです。
しかし、他の作品のように、それ以外のストーリーがまるで思い出せません。

そんなわけで、今回その

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映画「夜の大捜査線」1967年アメリカ

映画「夜の大捜査線」1967年アメリカ

映画監督のノーマン・ジュイソンが、1月20日亡くなりました。
94歳といいますから、大往生ですね。
僕が映画を見始めた頃には、よく名前を聞いた映画監督でした。
この監督の作品だから見たというよりも、面白い映画を見て、監督が誰だろうと思ったら、この人だったということがよくありました。

スティーブ・マッククイーンの「華麗なる賭け」は、都会的で、スマートで、おしゃれな映画でした。
ミッシェル・ルグラン

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映画「ポセイドン・アドベンチャー」1972年アメリカ

映画「ポセイドン・アドベンチャー」1972年アメリカ

2024年の年頭に見ようと思っていた映画はこれに決めていました。

それは、この映画がちょうど元旦当日を舞台にしたパニック映画になっているからですね。
日本の元旦というと、「穏やかなお年始」というお祝いムードが常識です。
欧米諸国では、それよりもむしろ大晦日のカウントダウン・パーティの方がお祭りムードで盛り上がります。
本作では、このカウントダウン・パーティの真っ最中に、豪華客船に大津波が襲うとい

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映画「アパートの鍵貸します」1960年アメリカ

映画「アパートの鍵貸します」1960年アメリカ

映画「アパートの鍵貸します」1960年アメリカ

ビリー・ワイルダーが、二度目のオスカーを獲得した傑作ロマンティック・コメディです。
ちょうど今頃の季節にぴったりな一本です。
初めて見たのは、テレビ放送だったと思います。中学生の頃でしょう
テレビはまだ、一家に一台の頃だったと思いますので、おそらく父親と一緒に見ています。
かなり際どいお話ではありますが、ビリー・ワイルダーの絶妙な語り口で、中学生で

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映画「忠臣蔵 桜花の巻・菊花の巻」1959年東映

映画「忠臣蔵 桜花の巻・菊花の巻」1959年東映

大石内蔵助というと、誰の顔が浮かぶか。
これは、年齢によって、浮かぶ顔はそれぞれかもしれません。
いやもしかすると、今の若い人たちにの中には、ピンとこないという人すらいるかもしれません。
僕の場合は、かなりはっきりしていますね。

それは、三船敏郎です。

この天下の名優は、実は映画で、大石内蔵助を演じたことはありません。
彼が、大石を演じたのはテレビドラマでした。
1971年にNETテレビ(現代

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映画「ミッション・インポッシブル/フォールアウト」2018年アメリカ

映画「ミッション・インポッシブル/フォールアウト」2018年アメリカ

トム・クルーズ製作主演による、人気スパイ映画シリーズの第六作目です。

本作の売りは、危険なアクションを、スタントを使わずに、すべてトム自身が演じるというもの。
しかも、そのトムは、本作公開時56歳です。
いまや、特撮シーンは、CG全盛の時代です。
しかし、これをすべてナマで演じるという彼のこだわりが、このシリーズの人気を支えていることは明白。
もちろん、彼もそれは百も承知で、加齢による身体能力の

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映画「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」2015年アメリカ

映画「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」2015年アメリカ

トム・クルーズ製作主演による大ヒットスパイ映画シリーズの五作目です。

前作から4年経っていますので、トム・クルーズは53歳ですね。
007シリーズで二代目ボンドを演じたロジャー・ムーアは、最後の007作品「美しき獲物たち」を撮ったときに58歳でした。
彼の場合、派手なアクション・シーンはほぼスタントマンが演じており、彼はラブシーンとユーモア担当でしたね。
しかし、トム・クルーズは、この年齢になっ

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映画「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」2011年アメリカ

映画「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」2011年アメリカ

トム・クルーズ主演の人気スパイ映画シリーズ第4弾です。

彼の体を張ったアクションが売りのこのシリーズですが、なんといっても、その主役の彼が本作では、なんと49歳です。
自分の49歳の頃を思い出すと、とにかく若い頃のように動かなくなった体に、悶々とした日々を送っていたことが昨日のことのように思い出されるわけです。
自慢ではありませんが、若い頃は、バク転やバク宙がさらりとこなせる身体能力を持っており

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映画「M:I-2」2000年アメリカ

映画「M:I-2」2000年アメリカ

2作目の冒頭は、普通に考えれば、ちょっとスパイ映画とは思えないようなシーンからスタートします。

トム・クルーズ演じるイーサン・ハントが、1人で黙々とロッククライミングをしているんですね。
これは、アメリカのユタ州にあるデッドホースポイントという場所で、ロケーションされました。
このシーンを撮るために、トムクルーズは、ロッククライミングの大特訓をして臨んだそうです。
オレンジ色に輝く断崖絶壁を素手

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映画「ミッション・インポッシブル」1996年アメリカ

映画「ミッション・インポッシブル」1996年アメリカ

シリーズの最新作「デッド・レコニングpart one」が公開中ですが、なかなかの評判のようです。
しかし、クラシック映画好きとしては、最新作には、それほど食指が動きません。
いずれAmazon Primeにラインナップされるでしょうから、そちらは、その時に鑑賞することにいたします。

そこで、今回見たのがシリーズ、第5作目に当たる「ローグネイション」。
これはwowowで録画したものが在庫にありま

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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗

世の中には、二種類の人間がいるんだぜ。兄弟。
マカロニ・ウエスタンをどうせ偽物というやつと、これこそ本物のエンターテイメントという奴だ。

ということで、今回はセルジオ・レオーネ監督渾身のマカロニ・ウエスタン大作「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」です。
同監督の「夕陽のガンマン」という映画が前年に作られて、大ヒットしたのにあやかって、この邦題がつけられています。
しかし、本作の設定は前作とは無関係

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