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みじかいの

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朗読とか短編小説とかポエムとか色々単発のものを。
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#詩

(詩)言うのは簡単だよね

笑いかけてくれてる けど
私を見てるようで見てない目
優しい口調で話してくれる けど
彼女の大事な物は私じゃなかった

生きてきた道でどんなことがあったのか
尖った小石で足の裏を何度怪我したのか
仕方ないと受け入れたかった
努力では どうにもならない事もある
努力では 本質を変えるのは難しい

些細な事で不機嫌になって
思いもよらない事で怒鳴られて
殴られるだけなら全然平気だ

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(詩)遊蝶花

時に人は絶望する
悲しみに打ち拉がれる
目の前に幕が降りて、一時の人生終了
身体中が干上がった様に、涙も出ない
人形の如く動けなくなる

感情に蓋をするのは、これ以上
傷付かない様に自分を守るため
動かなければ見られることも減る
人の視線から自分を守るため

そこまでは良いんだけど、心と頭が暴走する
動けない分、笑えない分
頭が沢山働いて、立ち上がる理由を探す
心は己を抑え

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(詩)布団の中

踏み出した足は、頼りない爪先を先頭に
地面に触れた瞬間、砂の様に崩れ落ちた
人生は、どうせそんなもんだって思った

鈍色に光る窓の外で、未来が僕を見ている
でも僕は外に出ないから、その声を知らない

慣れ親しんだ地獄で
ずっと生きていくんだ
僕は一人だから、すぐ倒れちゃうから
自分の人生について考えようとすると
頭の中が真っ暗になっちゃうんだ
誰も助けてくれない
僕も助けてや

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【詩】罪業

掌を額に当てる刻、俄に緊張が走る
内心でつい謝りながら触れた
僕の汚い手形が君の肌に付かないだろうか
後ろめたいのは自分が嫌いなせい

出口の無い迷路の真ん中で蹲る
君が居ないと分からない

忘れようとした
何度も忘れようとした
何にも感じない振りもした
辛くない、悲しくないって
笑ってる振りも沢山した

僕には君が居ない
僕が望んでも君は存在しない
僕のゴールは君だから
ずっと迷路から出られない

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(詩)体裁

何が楽しいんだ、そんな笑って
引き攣った頬が痛むだけなのに
部屋の隅で隠れてる埃でしかない
僕なんて、もう誰も見なけりゃいい

何も出来ないんだ
必死こいてスタートラインに立っても
顔を上げた瞬間後退してる

何も笑えないんだ
歓心を買う為に下手くそに唇を歪める
くしゃくしゃにした紙みたいな顔

何で生きなきゃいけないんだって
ずっと苦しいのに、
同じくらい生きるのが楽しい

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(詩)スーパー疎外感

噛み合わない歯車が肉に食い込んで
治りかけた傷口がまた開く
広がりはしない
深くなっていくけど

世界が自分から目を逸らしている
そんな気がして怖いだけなんだ
生きるのが嫌だ
死にはしないけどね

馬鹿げた妄想なのは解ってるよ
僕は生きてるだけで迷惑じゃないかな?
喋っても大丈夫かな?
見てもいいかな?
呼吸してもいいかな?
立ってていい?座った方がいい?
考える必要の

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(詩)硫酸を飲む

見たくないのに逃げられない現実
見ないようにしても、油断すると目の前に突き付けられて
何度も首筋を焼かれる

受け入れようとしてる
受け入れたいと思ってる
どうしようもない感情に蓋をする度に
自分の中の悪意に悲しくなる

世界が平和ならいい
みんなが幸せならいい
自分は何処にも居なくていい
そう思うし、それだけ思ってたい
いい人間でいたい、少なくとも君の前では

捻れた心臓

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(詩)もうそれでいいよ

手に入らない物が沢山ある
居て欲しくても居てくれない人も

人生が面倒臭いと思う気持ちは常にある
同時に期待したいと願う気持ちもある
君が居る世界なら、きっと楽しいかも
私を見付けてくれるかも

前に進めなくて、時々何歩か後退した
細い糸が無数に絡まった足が重い
細いのに肉に深く食い込む

自分が欲しい物は理解してる
当然、それが可能なのかも
手に入らない物が沢山ある
居て

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(詩)光芒

泣いても助けて貰えない
だから歩いてる
急いでも良い事は無い
だから歩いてる

我慢出来るものは我慢した
我慢出来ないものも諦めた
失くしたくないものは遠ざけた
手が届くと閉じ込めたくなる

自分との会話は毎日している
其れこそ腐る程
自分を客観視するのは難しい
如何しても自我に邪魔される

己を肯定的に見る難しさは人夫々
否定的に見ていると安心する
誰からも期待されな

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(詩)耽溺

朝日に照らされた君の
寝息に耳を攲てた
規則正しく繰り返す呼吸に
ほっと胸を撫で下ろした

起きてもない事で怖くなる
僕は臆病だから
君に嫌われる事ばかり
勝手に何時も、心の準備をしてる

ただ隣で、君の傍で
その笑顔を守り続けたい
例えもしも、この気持ちが
一生の秘密になっても

ここに居なくても良いんだよ
行きたい所が有るのなら
愛しい人が居るのなら
気を付けて行

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(詩)壁

目の前が真っ暗になって、一歩も動けない時が必ず来る
自身の手も見えない程暗くて息も苦しい
一休み出来たらいいのに
誰も居ないところで、君しか居ないところで
凍えた耳が痛む
聞きたくないことも聞こえてしまう
萎えた腕も上がらない
そもそも体の骨が無い

君が死んだら、多分僕は泣けない
想像したら悲しくなるけど
考えただけで、涙が下睫毛を乗り越える
けど泣けない。実際に目の前にし

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(詩)産まれてごめんなさい

何が欲しいのか、分からなくなった
鞄に何も入って無いのが当然だった
理由も解らずに只泣いていた
涙が止まらなかった

どう言えば人の気持ちを損ねないのか
どう笑えば無難にやり過ごせるのか
頭は何時もフル回転し続け、
自分が不良品だと感じる常

人生は何時も、他人を羨ましいと感じてばかり
私も褒めて欲しかった
抱きしめて欲しかった
笑って欲しかった
もっと心配して欲しかった

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(詩)頑張る、頑張って

記憶が飛んで意識も飛んで
右耳も聞こえにくくなって
足も痛くなって
すごく眠くなって
会話した内容もぼんやりとしか思い出せない
助けてって体が言ってるのに
無視することしかできない

自分の疲れは自分一人で処理してって
僕には関係ないからって
背中を突き飛ばされて
なのに君の味方だって真顔で言えるの凄い

それでも一歩踏み出さなきゃいけないのに
生活する為にはそうするしかな

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(詩)Pause,look back

中継地点で躓いた。忘れ物した
逡巡したが結局取りに戻る
忘れ物を持って元の場所に帰ると
何時の間にか何も持って無い
両手は空

自分は用心深い積もり
一本筋の通った人間で居たかった
其れでも常に自分を裏切ってる気分
矛盾は常に付き纏う
そんな己を許せない、だから死にたくなる

思い返せば思い返す程、己の判断が確かになる
あの時は違ったのに、今は別の選択をしてる
何故 矛盾を繰り返して居るのに
何故

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