(詩)遊蝶花


時に人は絶望する
悲しみに打ち拉がれる
目の前に幕が降りて、一時の人生終了
身体中が干上がった様に、涙も出ない
人形の如く動けなくなる

感情に蓋をするのは、これ以上
傷付かない様に自分を守るため
動かなければ見られることも減る
人の視線から自分を守るため

そこまでは良いんだけど、心と頭が暴走する
動けない分、笑えない分
頭が沢山働いて、立ち上がる理由を探す
心は己を抑えるため、必死に現実的であろうとする
今はちょっとだけ待ってて欲しいのに

そうやって自分は壊れていく
少しずつ、米粒のようになって
細かく崩れていくから、何も触れない
じっとしていても、体を置いてけぼりにした思考回路が
部屋を飛び回って不安にさせる

今は違う
今は考えるタイミングじゃない
辛い時くらい、素直に悲しませてよ
どうして今じゃないのに、フル回転するの
私はただ、沢山泣きたいだけなのに
どうしてそれを邪魔するの

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