TEN colorsの中の人 スタッフP
芥川龍之介の作品に『トロッコ』という小説がある。
話の筋としては、土木現場のトロッコに乗りたかった少年が、作業員達に誘われてトロッコに乗ってどこまでも行ってしまい、日が暮れ始めた頃に突如、帰るように言われ、楽しさに乗じてやってきた道のりを暗闇が迫る中、絶望感と戦いながらがむしゃらに戻ることになる、と覚えている。
この話が、初めて出会った時から今に至るまでずっと怖い。
ただただ享楽的にトロッコに乗る楽しさを味わった後に、一人暗い中、よくわからない道を戻らねばならない絶望が、誰に