TEN colorsの中の人 スタッフK

首都圏の交通網、特に電車の路線図は、極めて複雑だ。
2020年東京オリンピックのためだったか、メトロのそれぞれの路線にアルファベットと番号が振られ、ちょっとはわかりやすくなったのかもしれないが、それでも迷路のようであることに変わりはない。
そんな複雑な絡み合いの中で、JRとメトロ、また都営線を含む在来の各線が、互いにそのまま乗り入れて先に進む柔軟さが好きだ。目的地に向かうために、違う路線同士そっと手を繋いで助けてくれているみたいだと思う。
ただ、そのせいで、どこかで起こったアクシデントが、思いもよらない路線に影響を及ぼしたりもする。それもまた、ご愛嬌か。
そう、そんなふうに、互いの関係において、思いもよらずに影響を及ぼし合うというのは、どんな職場の状況にも当てはまるだろう。
そしてまさに、スタッフKはそんなところを敏感に察知する人だ。

彼女は人をよく見ている。
その人が言ったことやしたことが、どういう理由で、あるいはどういう目的で発せられたかというところをよく見ている。
そもそもまず、共に働く仲間の性格をよく知ろうとする。その上で、それぞれの関係性の中でコミュニケーションがうまく回っているかどうかも気にしている。
仮に、ちょっとボタンの掛け違えになってしまいそうなやりとりであっても、彼女の中で背景がはっきりしているので、理路整然と説明がつくし、それをふまえてちゃんとボタンを掛け直すことができるよう、そっと動いてくれる。

そっと動いてくれる。
これも本当に言葉通りだ。
事務所にご来客がある時も、そっと動いて、おもてなしに余念がない。
もっと言うと、お客様相手だけじゃなく代表や職員に対してもそっと気を使ってくれる。
接遇のマナー研修の担当講師でもある彼女に元々備わっている、人のことを考えて動ける性質が、そこかしこで我々を支えてくれている。

言わずもがなだが、その能力を、彼女はクライアント様相手にも発揮する。
この方に伝えるためには、どこまでのことをどのように書くべきか、箇条書きがいいか、別の資料がいいか、紋切り型ではなく、それぞれのお客様に対して細かく注意している。
もちろん、どの職員もそういうことに気を使ってはいるが、私が見る限り、彼女程心を砕いている人はいない。

かくしてTEN colorsを路線図に喩えた運行状況は、スタッフKが目を配ってくれることで日々スムーズに流れていると言っても過言ではない。

ただの手前味噌と言われてしまえば全くそれまでだが、どうか、我々の働く仲間を皆様にも知って欲しい。
TEN colorsの中身をちょっと覗いて欲しい。

また来週、次の誰かの話。
どうぞ、お楽しみに!

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