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物語日記

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新世代のファンタジー達 2024/06/13

新世代のファンタジー達 2024/06/13

・漫画『小林さんちのメイドラゴン』を読んでる。今月からKindle unlimitedでもLINE漫画でも手軽に読めるようになったので、とりあえずアニメ2クール分まで再履修中。スピンオフなども含めると、数十巻分ある?! まあ、長く楽しめるか…。

・人間とドラゴンの共同生活! …という見かけの単純な展開ではないのが醍醐味だ。魔法使いや人外が参戦するし、ドラゴンたちの勢力均衡がかなり危うい。カンナ&

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MASTERキートン 2024/06/02

MASTERキートン 2024/06/02

・アニメ『MASTERキートン』全39話を鑑賞! 長かったけれど、飽きは1度も来なかった。

・キートンの3つの顔。保険会社のオプ、考古学者、軍隊出身のサバイバルの天才。万能で、隙のない設定だ。絶対に死なない強さも持っている。爆弾解体もこなしたのには驚きだが…。

・ベルリンの壁や東西ドイツの悲劇に関する話が多い。連載当時に壁の崩壊があったので、最新の話題でもあったのかも。ストーリー担当の長崎尚志

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Netflixの大秘宝 2024/05/27

Netflixの大秘宝 2024/05/27

・2年ぶりくらいにNetflix(広告付きプラン…)に加入したので、新作や名作たちを巡るつもりだ。今回は、そのラインナップで気になる作品などを書き出してみる。

《これまでに見た作品》

『クイーンズ・ギャンビット』…チェスの世界で闘う少女・エリザベスの生き様を描くドラマ。冷戦の歴史に沿って進むので、世界を舞台にした壮大なチェスを観ている気分にもなる。アニャ・テイラー=ジョイは素晴らしい女優。

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一階でも二階でもない夜 2024/05/25

一階でも二階でもない夜 2024/05/25

・堀江敏幸の随筆集『一階でも二階でもない夜』を読了。回送電車と名付けられたシリーズの二作目で、2000年代初頭に雑誌掲載された散文たちが収められている。

・「綺麗な文章を紡ぐ作家を挙げよ」と曖昧に問われたとき、私がすぐに浮かぶのは「堀江敏幸」の四文字だ。洗練された文章だと村上春樹、柔らかい文章だと吉本ばななを連想する。

・やはりフランス語のリズムの美しさが反映されているからであろう、平易な文で

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ミミズクと夜更かしの王 2024/05/20

ミミズクと夜更かしの王 2024/05/20

・紅玉いづきの小説『ミミズクと夜の王』を読了。中学時代に読んでおきたかったライトノベル作品の一つ。

・これこそ現代の童話だ、と思う。魔物や魔法に複雑な設定を持たせず、ただ切ない愛の物語を届けようとする作者の思いが伝わる。

・以前友人と話しているときに、「世界観に合わせた文体を追求すること」の大切さが話題に上がった。この作品では、ミミズクが自分の感情をフクロウへ伝えようとする際に、その語彙の制約

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ゲゲゲの謎 2024/05/12

ゲゲゲの謎 2024/05/12

・映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観た! 劇場公開時に見に行くか迷った末、あまりに話題になりすぎて腰が引けてしまったのでAmazon Primeに来るのを待った。

・凄く良かった! 『ゲゲゲの鬼太郎』を知らない人でも楽しめる前日譚として完璧だ。水木とゲゲ郎が最高のバディを結成したのが素晴らしい。悲しく酷な展開に満ちていたが、妖怪はソウイウセカイから生まれ出づるものだ。

・「鬼太郎誕生」は記念す

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黒牢城 2024/05/10

黒牢城 2024/05/10

・小説『黒牢城』を読んでる。直木賞受賞から2年、もはや米澤穂信ファンならみんな読み終えている作品に今更追いつくぜ…。

・戦国推理小説は、類を見ない試み。これはアイデアを得た作家がいても、それを破綻しない形で書く技術が極めて高度だからだろう。推理の論理が歴史の整合性に潰されてはいけないし、歴史のロマンをくだらない謎で破壊してもいけない。

・その点、この傑作には非の打ち所がない。黒田官兵衛がハンニ

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凡百英雄伝 2024/05/03

凡百英雄伝 2024/05/03

・ゲーム『百英雄伝』をプレイしている。ゴールデンウィークに丁度良い大作。『幻想水滸伝』のリメイクが出るのに待ちくたびれたので、姉妹作に手を出したわけだ。

・百人のキャラが仲間になるという事前情報のみで始めたら、ある事実を見落としていたのに気づいた。つまり、百人分の登場シーンが当然用意されているので、それに応じてストーリーが尋常ではない長さに引き延ばされている。

・あと、人数が多いと誰に何を装備

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NOT SO PERFECT DAYS 2024/05/01

NOT SO PERFECT DAYS 2024/05/01

・映画『PERFECT DAYS』を烏丸のミニシアターで観てきた。母親や親友が絶賛していたし、海外での評価も高かったと聞いて。

・良い映画でした! 劇場から出た後に、天を仰ぎたくなる作品。無口な主人公を役所広司が演じると、その表情や仕草の雄弁さが際立つ。柄本時生が生意気な青年に一番似合っていた。石川さゆりもスナックで歌っていたし、豪華なキャスト陣だった。

・かつて大都会のシンボルであった東京タ

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エンドブルー 2024/04/24

エンドブルー 2024/04/24

・入間人間『エンドブルー』を読了。

・過去作の『クロクロクロック』の後日談だった。まさか、岩谷カナと新城雅がゴールインするなんて誰も予想しなかったに違いない。

・入間人間が、百合作家としての地位を固めたのは凄いことだと思う。猟奇とシュールを突き詰めたライトノベル群でファン層が作られて、『安達としまむら』から淡い世界観へと文体を変えずにシフトしていった。

・入間人間の描くミステリが読みたい気持

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Fallout 2024/04/22

Fallout 2024/04/22

・Amazonプライムで、ドラマ『Fallout』を観てる。大人気ゲームシリーズ原作だが、実は未プレイなので全く内容を知らなかった。

・世紀末の冒険譚という点は、『北斗の拳』に似ている。群像劇なのが好みで、かなり序盤で役者が揃った感じがする。博士、軍人、旅する女、賞金稼ぎ、犬……。

・ゲームが続くからには、「世界を救う」「世界が滅ぶ」という単調な終わり方にはならないだろう。凄惨にキャラたちが散

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強要としてのお金とアート 2024/04/20

強要としてのお金とアート 2024/04/20

・『教養としてのお金とアート』(田中靖浩、山本豊津) を読んだ。世界史を芸術学と経済学から見るような対談本。2つの視点を、きちんと同量のバランスを保ったまま語っているのが良い。

・「芸術」の概念の歴史は200年もなく浅い、というのは改めて驚くべきことだ。同時に、経済は古くからあるにしては極めて地道な発展を続けている。日本はどちらに対しても保守的にならざるを得ない背景を持つ。

・日本でオークショ

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 すかいりむ 2024/04/19

すかいりむ 2024/04/19

・ゲーム『The Elder Scrolls V: Skyrim』をプレイしている。世界観が壮大かつ壮絶。プレイヤーは、好きな人生を歩むことができる。

・宝探しに行ったり、奇妙な組織に所属したり、修行して強い魔法や武器を手に入れたり。ただし、あちこちで魔物や盗賊に襲われるので度々死にまくる。

・今、ついに竜が現れて、自警団とともに討伐に挑んでいるのだが、あまりの強さに理不尽すら感じている。未熟

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気に食わない自分の話。 2024/04/18

気に食わない自分の話。 2024/04/18

・ジャンプ+の読み切り『気に食わない女の話。』を読んだ。友人から認知症についての話題が出たときに薦められた作品。介護施設でおばあちゃんの優しい思いが綴られる漫画だ。

・これは時系列が特殊な例だったが、「認知症を使ったミステリやトリック」は面白いアイデアになるかもしれない、と友人が教えてくれた。叙述トリックとしては弱いが、介護施設での謎解きというのも見たことのない舞台設定だな。

・かくいう私の祖

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